羽ばたけ!関西中小企業 永岡 俊哉 [ 特集カテゴリー ]

元美容部員が一念発起 血流から健康増進 [ Vol.29 ]

高齢者が少しでも健康的に生きてほしいと語る藤岡晴代代表

 

高齢化社会は、病気や体の衰えと長く付き合っていかなければならない社会である。しかし、高齢者が少しでも健康的に生きることができれば、QOL(クオリティ・オブ・ライフ)が上がると同時に、本人や家族の負担は軽減される。そんな社会の実現を、健康器具の販売という側面から目指している会社が、今回ご紹介する神戸市の株式会社メディカルメホールである。なお、今回、アメリカでFDA(アメリカ食品医薬局)の医療用具認可を受けている健康増進器具をご紹介することになるが、日本では医薬品医療機器等法(旧薬事法)に基づく認可を受けていないので、日本国内ではあくまでも健康増進器具であるという認識をお持ちいただきたい。

 

女性3人で起業

実は、まだ同社は出来たてホヤホヤ。昨年11月に立ち上げたばかりである。しかも、構成員は藤岡晴代社長と藤岡氏の母(会長)、従業員の女性1人の3人だけという、とても小さな所帯。まずは、どんな経緯で会社設立となったのかを尋ねた。すると、「元々は自宅の1階で喫茶店をしていたのですが、1年半前、新星メホール株式会社という会社の宮内照之社長が喫茶店にいらっしゃったのです。そして、宮内氏がFDA(アメリカ食品医薬品局)から医療用具認可を取得している『スーパーメディカルマット』の研究製造販売をしていることを知り、体調が優れなかった私や母がそれを使ってみたら調子が良くなったことが出発点になったのです」という答えが返ってきた。つまり、人との出会い、物との出合いが藤岡氏らの人生を変えたのである。藤岡氏は、宮内氏の協力で健康増進マットの技術を応用した様々な商品を約1年かけて試行錯誤の上で開発し、ついに会社を立ち上げたのである。

 

スーパーメディカルマットとは?

では、藤岡氏が出合った「スーパーメディカルマット」とはいかなるものなのか? これは世界で唯一、北海道上ノ国町でしか産出されない「ブラックシリカ」という石がベースになる。

 

この「ブラックシリカ」は遠赤外線を出し、それを身に着けることで体が温まる効果があるとのことだが、遠赤外線は皮下にまで届きにくいのが難点だという。そして、それを先述の新星メホールの宮内氏が長年苦労して研究、改良した結果できたのが「スーパーブラックシリカ」だ。

 

「スーパー…」は多くの中赤外線を出すことで、皮下の深い所にまで作用し、毛細血管が拡張して血行が促進され代謝が上がるのだという。さらに、宮内氏は「スーパー…」を特殊加工して蓄熱マテリアルを作り、それを使ってマットにした。それが「スーパーメディカルマット」で、第三者の臨床試験によって高い保温効果、血流改善効果が確認されたのである。

 

また、FDA(アメリカ食品医薬品局)により、医療機器として「血流改善」と「褥瘡(わかりやすく言うと床ずれ)防止」の効果効能が認められたのである。(FDA認可番号880.5150=血流改善、認可番号880.6450=褥瘡防止)実際、このマットに寝ることでの血管拡張、血流(血行)改善効果は床ずれの改善につながることが日本国内の病院の臨床試験でも確認されていて、また体温が1〜2度上がることから免疫力の向上につながるのだと言う。

 

藤岡氏はかつて34度台という低体温に悩まされていたが、このマットで寝るようになってから、体温が36度台に上がり、その結果、疲れやすかったのが改善されたのだと言う。
もっと身近なグッズを作りたい!

 

しかし、良いものに出会ったとしても「良かった! うれしい!」で終わるのが普通。

 

しかし、藤岡氏は違った。「マットは寝ている時や座っている時しか使えないではないか。それ以外の日常生活でもずっとスーパーブラックシリカの効果を享受したい」と、一念発起し、頸動脈が2本通っている首の血流改善のための「ネックピロー」、疲れやすい目の周りの血流促進のための「アイマスク」、腰痛や冷え性改善につながるウエストの血行促進のための「ウエストサポーター」、糖尿病では壊死により切断することも多い足の血流を改善するためふくらはぎに巻く「レッグロール」を企画、デザインし、商品化。ついに会社を設立して全国に販売することになったのである。

 

もちろん、会社の立ち上げに注力するために7年間続けた喫茶店は閉店。店は会社の事務所に模様替えされたのである。

 

美容部員から主婦、そして経営者へ

今でこそ、商品開発やデザイン、販売に邁進している藤岡氏だが、実は会社経営とは無縁の普通の女性だった。神戸生まれ、神戸育ちで、高校卒業後、資生堂に美容部員として入社し、神戸市の百貨店で働いていた。そして、東京での美容部員の仕事やポスターモデルの仕事への抜擢が決まったのだが、単車事故によるケガのためにそれらを断念せざるを得なくなり、失意のうちに退職。その後は結婚、出産を経験し、夫が経営する建築事務所の手伝いをするなど、20年以上専業主婦として過ごしたのだ。
しかし、夫が9年前に病気で他界し、状況は一変。建築事務所は廃業し、事務所を改装して喫茶店を始めたのである。食べるためではあったが、経営者としての第一歩を踏み出したと言うことでもあった。

 

夢は「健康増進で社会貢献」

会社設立は昨年の11月、商品の発売も4月末に始まったばかりという同社だが、夢はなかなか大きいようだ。

 

商品販売については、大手百貨店などと代理店契約することで全国に販路を開拓し、またネット通販もすることで、まずは年商3億円を目指している。そして、現在の商品に加え、顔の血行を良くするマスク等の商品化も進んでいて、全身に対応できる商品ラインアップにするつもりだと言う。そして、「1人でも多くの人にスーパーブラックシリカ製品を使ってもらうことで健康増進、医療費削減を実現させて、社会貢献したいのです」と藤岡氏は語ってくれた。

 

そして、最後にニッコリ微笑んでこう付け加えた。「やっぱり、私は美容部員をやっていましたから、美容のことが好きなのです。まだまだ研究しないといけないのですが、将来的にはスーパーブラックシリカを入れたクリームなどを作りたいですね」と。

 

今はまだ認知度が低い同社であるが、藤岡氏の思いが通じる日を楽しみに待ちたい。

 

 

【会社概要】
株式会社メディカルメホール

代表取締役 藤岡 晴代
〈ふじおか・はるよ〉

本  社:兵庫県神戸市須磨区千歳町1‐5‐29
業  態:健康医療用具販売
創  業:2016年11月
年  商:3億円が目標
従業員数:3名