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時代を担う税制 租税正義研究学会の改革税制に期待

パナマ文書に出てきた日本の億万長者が全実名で発表されました。祇園の芸者遊びが大好きな神戸の大富豪、健康食品ベンチャーを立ち上げた大学教授や、印刷会社から金を横領した曰く付きの人物など他多数おります。

 

タックスヘイブンを「租税回避」と呼び、それが合法であるとはどういうことでしょう。日本企業がタックスヘイブンを「合法的」に活用してきた影響で、過去20兆円近くあった法人税収益が11兆円まで落ち込みました。一方、消費税収が3兆円から16兆円へと激増しています。税収を回避するために海外へ資産を逃がすことが出来ない我々庶民が結果として税金を搾り取られているのです。

 

タックスヘイブンに対し、今後の国税当局の法解釈と調査に期待するしかないのでしょうか?

 

先日、国税当局と我々のある会合でその国税トップの方が、「我々は今後、税務行政において、正しい者が報われ正直者が馬鹿を見ない取り組みを考えてまいります!!」と力強い挨拶をされたのです。私は思わず拍手をしてしまいましたが、当たり前のことだと思います。

 

しかし、国税当局もパナマ文書の報道に関心を持っていることを明言しているように、我々業界も黙視していてよいのでしょうか? 名前の挙がった方々は課税逃れではないと強調しますが、本当に合法なのか調査してみないと分かりません。たとえ合法であったとしても倫理的な問題が残ります。

 

これを機に各国が協調して国際的な税のルールを作り直さないといけない時代に入ったのではないでしょうか。それを強く望むところであります。

 

私は大いに意を強くし正に「租税正義実現」の新時代が到来したものと強く確信します。皆さんいかがでしょうか。

 

億万長者と大企業の課税逃れは格差の拡大に直結しており、不幸なことであります。
消費増税を実行する前にまずタックスヘイブンの問題を議論、解決することが先決だろうと心から思います。

 

今、時代が目指すべく税制、そして21世紀の少子高齢化に手を打つべき税制大改革にどう取り組んだらいいのでしょうか。

 

概略を3点だけ述べます。

 

第1は、2030年に迎える4000万人の老人社会を解決する法的安定税制改革案。それは、約4000万人の後期高齢者、大富豪者に対し、生前相続税の前払いとして『共助社会福祉税』の制度を確立するべく税制を策定すること。

 

第2は、タックスヘイブン・租税回避の見直しと、大企業向けの租税特別措置法の全面見直し改革として、負担能力のある所得に対し大会社が応分の法人税を納税するべく「見直し法人税制大改革」を断行する。

 

第3は、景気回復のブレーキである逆進性の強い消費税を停止し、子育て支援に繋がる高校までの学費全額控除制度等、景気回復への役割に貢献すべく且つ、公平平等の明るい税制とする。

 

以上、先に発会した租税正義研究学会の学術的研究が目指す利他の心で、租税正義を実現する改革の提案をして参ります!!

 

 

【執筆者プロフィール】

神野 宗介

JPA総研グループ 社主。1941年福島県出身。中央大学商学部卒業。同大学院法学研究科博士号(法学修士)。66年神野税務会計事務所開設。76年㈱日本パートナー会計事務所設立、2009年会長就任。税理士、経営士、社会保険労務士、行政書士、著書多数。