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21世紀のチームの動かし方シリーズ第4回目「What do you think(君はどう思う)?」(小池浩二)

小池浩二氏の [プレイングマネージャーの仕事術] シリーズ(25)
【プレイングマネージャーの技術編 21世紀のチームの動かし方シリーズ 全4回】
第4回目「What do you think(君はどう思う)?」

小池浩二氏(マイスター・コンサルタンツ(株)代表取締役)
 

■既存衰退病

既存の商品を既存の方法で、既存のマーケットに提供するだけでは、売上高は確実に減少し、粗利益率は下がり固定費を吸収できなくなります。

その対応として、大手企業は3-5年先の業績を作る部隊として商品開発部やマーケティング部が存在し、新しい戦略にチャレンジしています。そして、これを前提にして単年度の業績を作る部隊の営業部や製造部があります。

しかし、中小企業にはこのような機能分離ができません。できないからやれないでは、会社に未来はやって来ません。日本における全ての企業は新しい戦略テーマの展開が求められています。

1粒チョコレートの超ロングセラー商品を提供している老舗の中小駄菓子メーカーのチロルチョコは、国内の少子化・健康志向の影響で中国に向けた定番商品の輸出に力を入れ始めています。あれだけ強い商品を保有しても既存だけでは生き残れない状況になっています。これも既存衰退病からの脱却策です。

■今の若い者は?

では、既存衰退病からの脱却策を中小企業の場合は、誰が展開するのでしょうか?

それは、社長・役員・部門長クラスが実践するしか方法はありません。そうなると、現場のチーム運営はサブリーダー・中堅社員が主体的に回せるようになることが求められ、これができる会社が将来的に生き残れるといわれています。

社長・役員・部門長の戦略展開とサブリーダー・中堅社員のチーム運営は、どちらも実践経験は少ないから大変ですが、難易度はサブリーダー・中堅社員のチーム運営のほうが高いと言えます。

サブリーダー・中堅社員の方々が現場で
〇若い人たちの感覚が分からない
〇何を考えているかの理解できない
等の声をよく聞きますが、このような意見が出るのは当然の帰結でもあります。

「今の若い者は?」といつの時代も語られてきましたが、明らかにデジタル・SNSで育った世代は違います。客観的に考えると、第3次産業革命が本格化して育った世代は、第2次産業革命の延長線で成長してきた世代と違うのは当然でもあります。

SNS (Social Network Service) が生活の一部となっていますが、2004年にスタートして13年経過しており、高校1年生から始めた人は現在29歳となっています。

SNSを活用して育った世代は、自分の本音を人前では語らないといわれます。若手社員だけでミーテイングを行うと発言したA君のよい意見、B君のよい意見を継ぎ合わせて体裁のよい答えをまとめます。見栄えはよいが、逆に自分達の主張が無いことになります。主張が無いから、状況変化において考える力が弱くなるのです。反面全般的なことへの知識認知度は高く、基礎的能力が高いのは事実です。

■会社なりの思考回路

人は言われたことには反発し、自分で気付いたことには自発的に取り組みます。
人は教えられたことは忘れ、自分で考えたことは覚えます。
「What do you think(君はどう思う)?

若手社員には、一方的にこうしろ、ああしろというのではなく、「君はどう思う?」と問いかける機会を増やすほうが、成長していきます。教えるだけはなく、若手社員が持っている自分の考えを引き出すことが今の時代の人財育成方法への対応です。

若手社員の考え方が会社なりの考え方と合致しているかどうかを確認します。もし違うならば、会社なりの思考回路を知らせ、理解させたうえで、何回も何回も確認して会社なりの思考回路を習慣化させることが必要です。会社なりの思考回路を植え付けると自然と社長・上司の考える問題意識を踏襲するようになり、若手社員は急成長していきます。

コーチングという考え方があり、その語源は「馬車(coach)」で、「大切な人を目的地まで送り届ける役割を担う乗り物」という意味があり、
〇目標達成に向かってサポートする人
〇人の持っている能力を発見し引き出す人
を「コーチ」と呼んでいます。

コーチは「横から目線」で、触れ合いをベースに自発的な行動をうながし、継続してサポートする役割です。このような視点が若手社員への対応には重要になっています。


(この項、了)

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■ 小池浩二氏 (マイスター・コンサルタンツ(株)代表取締役)
実践に基づいた「中小企業の基礎打ち屋」として、中小企業成長戦略のシステムづくりを研究。これまで500社以上の中小企業経営に関わり、経営診断、経営顧問、研修等を実践。多くの経営者から「中小企業の特性と痛みをよく理解した内容」と熱烈な支持を得ている。
  http://www.m-a-n.biz/ 
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         筆者 小池浩二氏が
【プレイングマネージャーの仕事術】の概論を
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     http://www.m-a-n.biz/8-1-0.html