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「『人とAIの共生』を基にした日本のビジネス界の今後について」(真田幸光)

真田幸光氏の経済、東アジア情報
「『人とAIの共生』を基にした日本のビジネス界の今後について」

真田幸光氏(愛知淑徳大学教授)

私は日本のビジネス界の今後について、
「人とAIの共生」
が不可欠であり、
「人とAIが対立せず」
そして、
「人がAIを過小評価せず」
一方で、
「人がAIに支配されず」
に上手に共生していくことにより、
「先進国としての真の発展モデル」
を構築していくことが、日本の将来を占う上では、極めて大切なことであると考えています。

私は、もとより、
「日本のビジネス界の今後については、大量生産大量販売が規模の経済性を終えることが理想ではあるが、
消費財のインフラ開発も成熟する中、買い替えやリハビリの需要が主となる日本のような先進国にあっては、
商品の販売単価が決して安価でなく、一定水準の価格であれば、
たとえ少量・変量であっても、多品種、高品質を基にして、高利潤が確保できる、量より質を大切とするビジネスを目指す企業が、
日本全国各地に、一次産業も含め様々なビジネス分野に、パッチワークのように存在する国家を目指し、
一方で、日本オリジンのグローバル企業も存在する国家となるべきである。

また、そうしたことをイメージしつつ、
*高度核心部品
*高度製造装置
*高度新素材開発

そして、
*メンテナンスを軸とするアフターケアービジネス
に日本の強い優位性を感じている」
訳でありますが、現状を見ると、上述した少量・変量、多品種、高品質、高利潤を目指す、中小企業には、たとえその技術に裏打ちされているとしても、

ひと :人材の確保に困っている
もの :必要十分な設備を配備しきれていない
おかね:過剰資本で人材確保、設備投資に必要な資金が十分に確保できていない
情報 :販売拡大に必要な情報、特に国際ビジネスに関する情報から疎外されている

と言った一般的傾向が垣間見られ(もちろん、こうしたことを克服する、或いは、克服しようとしている企業はたくさんありますがーーー)、こうした点を乗り越えていく上からも、
「当該企業は、人に代わって機械で代替できるプロセス分野を改めて探し、そこに、AIを付与した機械をフル活用し、そのAI機械を、日本人特有のきめ細かい運用の仕方によって、無形資産の付加価値を付与しつつ、差別化を図る。
この際には、大型機械のみならず、治具も含めたきめ細かい開発を充実し、単なるAI機械ではなく、日本人らしい付加価値を付与していく。

こうしたことを遂行する際には、これに加えて老朽機械の更新も図るべきであるが、その為には一定の資金が必要となる」。

そこで、ここで、商工中金や政策投資金融公庫といった特殊金融機関と地域金融機関が連携をし、当該企業の発展計画を、善意の第三者として、優しく、厳しく側面支援し、その上で、当該企業に対して、Silent InvestorとしてEquityを注入する。
或いは、必要資金を融資する。

一方で、当該企業の商品、サービスを正当に評価し、法律に基づいてきちんと対価を支払ってくれるであろう販売先の国内情報、グローバル情報を提供し、当該企業を発展させるとともに、金融機関も正当な対価を当該企業から受け取り、
「人とAIが共生出来る企業の発展を後押しし、当該企業と金融機関の共生をも図り、これを日本の新たな発展モデルの一つと位置づけ、更に、これを先進国の発展モデルとして世界に知らしめ、日本に対する世界の尊敬を更に強めていく」
と言ったことを展開したいと考えています。

ここから先は行動あるのみ、
「崇高な志と気合を持った皆様方」
と協力しながら、頑張りたいと考えています。

真田幸光————————————————————
清話会1957年東京都生まれ。慶応義塾大学法学部政治学科卒業後、東京銀行(現・三菱東京UFJ銀行)入行。1984年、韓国延世大学留学後、ソウル支店、名古屋支 店等を経て、2002年より、愛知淑徳大学ビジネス・コミュニケーション学部教授。社会基盤研究所、日本格付研究所、国際通貨研究所など客員研究員。中小 企業総合事業団中小企業国際化支援アドバイザー、日本国際経済学会、現代韓国朝鮮学会、東アジア経済経営学会、アジア経済研究所日韓フォーラム等メン バー。韓国金融研修院外部講師。雑誌「現代コリア」「中小企業事業団・海外投資ガイド」「エコノミスト」、中部経済新聞、朝鮮日報日本語版HPなどにも寄稿。日本、韓国、台湾、香港での講演活動など、グローバルに活躍している。
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