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【新連載! アジアを覗けば日本が見える】(1) 「ビエンチャン(ラオス)2019.2月」(増田辰弘)

新連載!【アジアを覗けば日本が見える】(1)
「ビエンチャン(ラオス)2019.2月」

 増田辰弘氏(アジアビジネス探索者)

■ ぬくもりある国民性は健在
3年ぶりのビエンチャン。経済は成長しているが、道路でクラクションが鳴らない。犬が吠えない。盛り場でけんかなどのトラブルがない、などのラオスの良さがまだ健在である。人間に温かいぬくもりある国民性はラオスの財産である。

■ 通貨政策はミャンマー型
しかし、大きく変わった面もある。まず、ドルから現地通貨キップへと移行しつつある。レストランのメニュ―の表示はほとんどキップのみとなった。

日本料理店などでカッコ書きでドル表示の店もある。カンボジアと異なり、自国通貨主導にするぞ、という意気込みが感じられる。ラオスの通貨政策は、カンボジア型でなくミャンマー型となりそうである。

■ 日本料理店も増える
日本料理店もかなり増えた。ビエンチャン市内で50店と言われるがもっとあるような気がする。それも高級店が増えた。

高級寿司店「東京寿司」で私の隣の席の30代の若い女性の3人連れ、刺身の船盛り、特上寿司、日本酒、これをざっと計算すると2万円になる。給料2万円の国でどんな仕事をしているとこんな食事ができるのか。
ちなみにこの店、日本人は当日私ひとりであった。

■ 関連ビジネスも増える
日本企業のラオス進出が150社を超え、日本人、日本企業を支えるその関連ビジネスも増えてきた。

日本食材を販売する「TOKYO PLAZA」、日本なみの品質の「ことぶきクリ-ニング」、おいしい日本風のケーキを提供する「東京ケーキ」など、日本人など外国人が増えたことと現地の富裕層向けのマーケットができつつある。,

■ 工夫をすれば潜れる規制業種
これらのビジネスは基本的には規制業種で、日本企業が単独では進出できないが、現地のパートナ―を捜し、工夫をして進出している。流通、小売り、サービス業は基本的には規制しているが、工夫をすれば潜れますよ、というミャンマ―型である。

■ 日本企業が太陽光発電所事業も推進
なかでもびっくりしたのが、電子部品、自動車部品などを製造、販売しているTSB(本社東京都調布市、鏑木勇会長)の太陽光発電所の事業だ。許認可が意外にそうでもなかったという。

ラオスはビジネスが難しい国に思われるが、思うほどそうでもなく感じる。

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■増田 辰弘
1947年島根県生まれ。法政大学法学部卒。プラザ合意以降の第1次アジア投資ブーム時からアジアの日系企業を取材し、現在まで25年間で取材企業数は1500社を数える。今後15年で前人未踏の3000社を目指している。毎月1回東京で「アジアビジネス探索セミナー《を開催するほか、地方、アジアでも出前アジアビジネス講座を開設している。著書『アジアビジネス失敗から学ぶ成功する法』(産能大出版部、1995年)、『中国ビジネス勝利の方程式を解く』(グローバルヴィジョン、2004年)など多数。

●アジアビジネス探索セミナー 
 http://bit.ly/2EHW0zo