昭和、平成、そして令和へ

平成事件簿 三沢 明彦 [ 特集カテゴリー ]

昭和、平成、そして令和へ [ 第1回 ]

「令和」の新時代が幕を開けた。

 30年前の1989年1月7日の朝は皇居で目覚めた。昭和天皇の闘病は111日に及び、時代の終焉が迫っていた。宮内庁2階の記者クラブに泊まり込み、簡易チェアでウトウトした頃、卓上電話が鳴った。壁の時計を見上げると、午前5時を回っていた。

「侍医長が家を飛び出しました」

 昼夜張りついていた記者からの一報だ。昭和最後の長い1日が始まった。

 藤森昭一宮内庁長官が「午前6時33分、崩御あらせられた」と発表し、官邸では小渕恵三官房長官が新元号を「平成」と読み上げた。半旗の向こうに、青空が広がっていた。

 昭和天皇の開腹手術を機に宮内庁担当となった新参記者にとって、皇室は威厳に満ち、神秘に包まれていた。まず驚いたのは、宮中言葉がごく普通に使われていたことだ。

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日本から「まち」が消滅する ~地方衰退から地方創生へ~

地方創生にかかわる 中小企業の役割 野田 万起子 [ 特集カテゴリー ]

日本から「まち」が消滅する ~地方衰退から地方創生へ~ [ 第20回 ]

 平成の大合併一覧によると、平成11年は3,232あった市町村が、平成の終わりには政府統計ポータルサイトを閲覧すると、市町村計1,724となっています。平成の大合併で、実に1,500以上の市町村が統合または廃止となり、これだけのまちが日本から消滅した事実でもあります。多くのまちが、合併した理由は何でしょうか。本号では、地方創生が必要不可欠となった、地方衰退の原因を検証してみたいと思います。

 

地方衰退と地方創生

 地方衰退とは、地域の勢いや活力が衰え弱まることです。その衰退は、地域から人が減り、地方経済が弱小し、仕事が減り、雇用が減り、まちが衰退するという、地域経済の悪循環が続くことで起きます。「地方衰退は自業自得、その責任は100%地方にある」とも言われ、まちの住民が真剣に取り組まなければ地域を活性化することは難しい面もあります。それ故、全国一律で同じ施策に取り組むのではなく、地域に合った活性化施策が求められていました。

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21世紀型のチーム運営スタイル(シェアードマネジメント)

中堅・中小企業のプレイングマネージャーの仕事術メソッド 小池 浩二 [ 特集カテゴリー ]

21世紀型のチーム運営スタイル(シェアードマネジメント) [ 第2回 ]

シェアード・マネジメントとは

 環境が変化し、それに適合させる事は、社会・業種・会社・個人も同じである。成熟社会で仕事が複雑化する中では、組織で動く全社員に、現場の業務とチームを動かす仕事の2種類の仕事が求められる。この変化に対応していくスタイルがシェアード・マネジメントである。チームを動かす為に多様なリーダーシップが求められる中で、1人のリーダーだけでは対応しきれないケースが増えている。一部の人間が兼任で組織を動かすのではなく、必要な役割機能ごとにサブリーダーや中堅社員の方々にジョブリーダーの役割を担当してもらい、組織内の当たり前のレベルを変えて、全社員で組織を動かす事が求められている。

 その為に必要な役割機能を推進させる権限を、サブリーダーや中堅社員に与え、それぞれの担当機能分野でリーダーとしての役割を担う環境整備が必要だ。共有化という21世紀の組織運営を代表するキーワードがあるが、「シェアード・マネジメント」は共有型リーダーシップである。

 組織は小さければ小さい程、そのなかで働く人は責任感・想像力が発揮される。一人一人が自分の存在価値を組織の中で見出せれば、働くやりがい度や喜び体感度は満たされやすくなる。メンバー全員でチームを動かすスタイルがシェアード・マネジメントである。

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~効果的なリーダーには使命がある~

コーヒーブレイク ~幸せな人と組織を創る経営者コラム~ 中平 次郎 [ 特集カテゴリー ]

~効果的なリーダーには使命がある~ [ 6 ]

 前号で、リーダーシップの目的というのは、人間のエネルギーとビジョンを創造することである、社員を見てあるいは部下を見て、部下のエネルギーとビジョンが創造されているか、自分とともに仕事をすることによって、そういった変化が起こっているか。それが、自分がリーダーシップを発揮したかとの判断基準となる。そういうお話をさせていただきました。

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~全国の遊郭と名妓Part1~

伝統を伝え、育て、革新する伝・Tokyo 若柳 尚雄里 [ 特集カテゴリー ]

~全国の遊郭と名妓Part1~ [ 第九回 ]

第17回 関東舞踊協会 「舞踊の会」 浅草公会堂 2019年6月16日(日) 開場 9時30分 開演 10時 観覧料 1,500円 ※10名様限定

 

「秋の夜長に牡丹花の燈籠踊に 一節に残る暑さを凌がんと 大門口の黄昏や いざ鈴虫を思ひ出す つらい勤めのその中に 可愛男を待ち兼ねて 暮松虫を思ひ出す」

 これは、日本舞踊の古典演目の一つ、長唄【高尾さんげ】の一節で、

「秋の夜に燈籠に彩られた吉原で、牡丹の花の燈籠踊の一節にあれはどんな唄だったと思い返す。残暑に追われ、日暮れ時に大門口まで涼みに出て、自分の事を鈴虫に例える。つらい勤めをしながら、逢いたい人を待ち兼ねて日暮れを待つ私は、まるで松虫だと思う」

 高尾太夫は、江戸吉原を代表する名妓であり、吉原京町三浦屋抱えの太夫で、万治(一六五八年~六〇年)から寛保(一七四一年~四三年)頃まで約八十五年もの間、七代に渡り名前が引き継がれておりました。

歌川豊国 三浦屋高尾太夫

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