伝統を伝え、育て、革新する伝・Tokyo 若柳 尚雄里 [ 特集カテゴリー ]

~全国の遊郭と名妓Part1~ [ 第九回 ]

第17回 関東舞踊協会 「舞踊の会」 浅草公会堂 2019年6月16日(日) 開場 9時30分 開演 10時 観覧料 1,500円 ※10名様限定

 

「秋の夜長に牡丹花の燈籠踊に 一節に残る暑さを凌がんと 大門口の黄昏や いざ鈴虫を思ひ出す つらい勤めのその中に 可愛男を待ち兼ねて 暮松虫を思ひ出す」

 これは、日本舞踊の古典演目の一つ、長唄【高尾さんげ】の一節で、

「秋の夜に燈籠に彩られた吉原で、牡丹の花の燈籠踊の一節にあれはどんな唄だったと思い返す。残暑に追われ、日暮れ時に大門口まで涼みに出て、自分の事を鈴虫に例える。つらい勤めをしながら、逢いたい人を待ち兼ねて日暮れを待つ私は、まるで松虫だと思う」

 高尾太夫は、江戸吉原を代表する名妓であり、吉原京町三浦屋抱えの太夫で、万治(一六五八年~六〇年)から寛保(一七四一年~四三年)頃まで約八十五年もの間、七代に渡り名前が引き継がれておりました。

歌川豊国 三浦屋高尾太夫

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