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【戦うための武器を創る固有技術 全4回】-③「自社の技術力について、考える」(小池浩二)

小池浩二氏の [継栄の軸足] シリーズ (49)
【戦うための武器を創る固有技術 全4回】
第3回目「自社の技術力について、考える」

小池浩二氏(マイスター・コンサルタンツ(株)代表取締役)

■今、成長している会社の特徴

今、成長している会社は「技術力による残存者利益獲得企業」の特徴がある。

既存衰退病が蔓延して、既存の商品を既存の方法で、既存のマーケットに提供するだけでは、売上高は確実に減少し、粗利益率は下がり、利益が出なくなるので、下記の3つの視点から戦略を構築していく。

◎既存商品を新市場領域に展開する戦略
◎既存市場を新商品領域に展開する戦略
◎新商品を新市場領域に展開する戦略

その流れが加速度的・革新的に変化し、企業成長の要諦になっている。BtoBスタイルの企業(法人客が顧客のケース)は、貴社の顧客が取引をしている顧客の動向にビジネスは左右される。

貴社に対する顧客の要望(技術・品質・納期・価格等)は「貴社の顧客の顧客」が出処です。BtoCスタイルの企業(個人客が顧客のケース)は、必ず社会動向・風潮・イメージ等にビジネスは左右される。

BtoB、BtoCスタイルの企業に共通するのは、企業に対する要望事項のレベルが高くなり、仕事の難易度が様々な観点でハードルが高くなっていることだ。

昨年対比110%ペースで伸びている企業は、下記の視点において、

◎BtoBスタイルの企業……貴社の顧客の先の顧客の高い要望
◎BtoCスタイルの企業……社会動向・風潮・イメージ等の高い要望

間違いなく、同業他社の仕事を高い技術力で仕事を奪っている。

現在の高い技術力(広い意味)が、「求められる仕事を引き受けるだけの技術力が自社にあるのか?」ということである。

これに対応できる企業に仕事が集まっている状況だ。

■技術力が腐っていく職場の特徴

Tech総研では、エンジニア200人を対象にアンケート調査を実施し、「このまま居続けると技術力が身につかない職場の特徴」をまとめた。居心地はいいが、厳しさや緊張感のない「ぬるま湯」と称される職場の特徴である。

《特徴①》外部に丸投げで自社にて考える風潮がない
案件の肝心なところを社内で詰めないまま外部に委託してしまい、完成後のサポートもその会社まかせ。

《特徴②》社員の成長意欲に水をさす。勉強しようとすると妨害される
能力を高めるために努力しているのに、周囲は、それを応援するどころかジャマするような言動。

《特徴③》各メンバーが何年も同じ仕事をしている
様々な経験を積んでスキルアップしていくことは、エンジニアの醍醐味のひとつなのに、ずっと同じような仕事をさせられて、新しい経験ができない。

《特徴④》失敗さえしなければよいという雰囲気が蔓延している
よい仕事をしようとするよりも、とにかく失敗しないことが大切だと皆考えている。安全策しか取らないために仕事がマンネリ化し、品質の向上が実現しない。

《特徴⑤》業務改善などの新提案をしても聞いてもらえない
業務効率化や職場全体のスキルアップに役立ちそうな提案をしても、上司や周囲は聞く耳をもたない。あらゆる面で現状維持にこだわり、前例がないことは決してやろうとしない。

《特徴⑥》周りに尊敬できる人がいない。優秀な人に限り、抜けていく
お手本になるような上司や先輩の存在は、自分自身の成長にとって欠かせないもの。ところが、ふと気がつくと、いくら周囲を見回してもそういう人がいない(もしくは、辞めてしまう)。

《特徴⑦》上司や同僚に新技術へのチャレンジ精神が欠けている
業界では日々新しい技術が生まれているのに、上司や同僚には、それらを学び取り入れようという姿勢がない。こんなことでは取り残されてしまうのに、その危機感すら感じられない。

《特徴⑧》メンバーが仕事の手を抜いても、上司が見て見ぬふりをする
「そんなに頑張る必要ないよ」「まあこの程度でいいんじゃないの」……そんな空気が蔓延している職場。適当に仕事をしている同僚も許されているのを見ると、まじめに努力するのが、ばからしいような気も……。

《特徴⑨》上司に部下を育てようとする意欲が感じられない
前向きな意欲も、リーダーシップも感じられない上司。会社のことも部下のことも、きちんと考えてくれている様子がなく、こちらのやる気までなくなりそう。

《特徴⑩》同僚に波風は立てないようにと勧められることが多い
最初はおかしいと思っても、いつしかその環境に順応してしまうのはよくあること。同僚はすでに、「長いものには巻かれろ」が当たり前になっていて、明日はわが身か? と感じる。

今、成長できる会社は最終エンドユーザーが求める高い技術力(広い意味)の仕事を引き受けるだけの技術力を持っているかがポイント。業種業態が違い、そのままズバリと当てはまらないケースもあると思うが、自社の技術力について、考えてみてはいかがだろうか?

 

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筆者 小池浩二氏が【中小企業に必要な経営の技術】の概論を動画で説明しています。

こちらからどうぞ → http://bit.ly/2NFrWHm

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