中堅・中小企業のプレイングマネージャーの仕事術メソッド 小池浩二 [ 特集カテゴリー ]

チームの方向性を決めて実践させる方法 [ 第12回 ]

*今回は説明している内容を動画にて視聴できます。

 

業績をつくる黄金法則

 

中堅・中小企業には、業績を創る黄金法則があり、その流れは

①部門方針
②商材戦略
③戦術
④戦闘
⑤環境整備の5つのポイントがあります。

*『黄金法則』動画解説

 

 

 

 

 

部門方針

 

まず、会社全体にかかわる方向性を示すのが経営方針。この経営方針の流れに沿って部門の方針を示すのが部門方針。部門方針は3カ月を1クールと考え、チームの進み方を示します。この進むべき道順を示す機能はチームリーダーとサブリーダーで担当します。この部門方針が機能しないと進むべき道順がわからないチームになり、チームがバラバラで仕事を行っている状態となります。

*『部門方針』の動画解説

 

部門方針のつくり方

 

部門方針マネージメントのポイントはチームリーダー、サブリーダーが会社の今年度の方針と目標を理解することから始まります。そして自チームの四半期の業績を決めるポイントを検討していきます。

今を4月1日とします。そこから部門会議で4~6月の業績を決めるポイントを検討します。4~6月の目標を100として次に読める数値を見極めます。読める数値とは決定している数値や、可能な数値のことです。ここでは70とすると、4~6月の差額がマイナス30となります。業績を決めるポイントとは、この30のマイナスを埋めるためにやるべき最優先業務は何かを明確にすることです。このポイントを明確に抑えられれば、業績目標は達成しやすくなります。次に3月までにやり残したチームのテーマや、現在問題になっているチームの問題点を挙げます。このような要素から、優先順位を決めたうえで、5テーマぐらいの自チームの四半期ごとの方針をチームリーダー、サブリーダーが中心となり検討、決定します。

 

メンバーに対する理解のさせ方

 

決定した自チームの四半期の方針をチームメンバーに理解、浸透させていきます。この時に、チームが現状置かれている状況(外部環境、お客様の動向、ライバル動向、会社の状況等)を説明したうえで、チームの進むべき方向性、そして目標の重要度や優先順位を明確にして説明します。全体の森を把握させ、個々の木について説明する訳です。職場のコミュニケーションはメンバーの意識を共有させる土俵づくりです。この時に、チームが置かれている状況を共有させます。この状況を認識させないと、メンバーは自分なりにしか物事を解釈しません。チームなりに状況を解釈させる事が意識の共有化につながります。チームリーダーとして、この状況説明が苦手な人、やった事がない人もいるでしょう。しかし、チームリーダーの役割として、チームの方向性を立てた上で、その内容を知らせる機能があります。知らせて、理解させ、納得させないとメンバーは自分のやるべき役割を考えません。自分で考えないと動きません。結果プレイングマネージャーの悪循環スパイラルにはまり、自分でやるしかなくなり、成果がでない構造に陥ります。

この状況説明は月1回の部門会議で実施します。その会議の検討項目の最初にチームリーダーの状況説明を入れます。時間は5分~10分ぐらいでしょう。話す内容ポイントは「①自分たちの状況はこうだ、②周りの環境はこうである、③だから、自分たちはこのように進んでいく」の3点です。具体的に①自分たちの状況説明は前月の業績結果とその反省点です。この業績結果と反省点も毎月同じ項目について、結果と反省点を繰り返し出来るように項目を決めるべきです。その項目は売上高、粗利益高等の主要項目とその主要項目をつくりあげる客数、客単価等の補助項目も入れるとわかりやすさがでます。3ヶ月ぐらい同じパターンでやり続けると、それなりに型は出来てきます。

次に②周りの環境は、外部環境、お客様の動向、ライバル動向、会社の状況を説明します。これはなぜ必要かというと、本筋テーマの今月に実施すべき部門方針の説明をする為に必要な材料ネタなのです。例えば、ライバル動向の説明で、「A社がB地区で単価を10円下げた。しかし、我がチームは下げない。何故なら、B地区はA社よりインストアーシェアが30%も高いから様子をみる」と説明します。そうすると、メンバーは部門方針そのものの背景・要因・対策の理由がわかりやすくなり、理解します。仮に外部環境が説明できないなら、業界新聞、雑誌の記事でも構いません。又、話が出来る項目だけでも構いませんので、チャレンジしましょう。

そして、③自分たちの進む方向性として、部門方針の説明となります。これは現状、周りの環境を考えて、自分たちが今月をどのように進んでいくのか? その重点とすべき内容とその理由をメンバーに理解させる事がチームリーダーの最重要の役割となります。また、このようにパターン化する事で、サブリーダーもチームリーダーの代行として出来る環境を作り上げることです。メンバーに個々の木だけを説明しても、なぜ、この対策が必要なのかは理解できません。理解できないから、自分で考える事が弱くなるわけです。

 

優先度・重要度を理解させる

部門方針の重点施策はチームリーダー、サブリーダーで決めてメンバーに説明します。その後は重点施策の具体策(だれが、なにを、どのように、いつまでに)は全員で検討し、決めていきます。部門内でやるべき事はたくさんありますが、チームとしての重要度、優先順位を明確にしてあげないとメンバーはルーチンワークばかりをやりたがります。ルーチンワークだけで業績を創れる会社はありません。チームの四半期毎の目標・方針を実現するために、各メンバー毎に何を重点とさせるかを考えさせ、決めさせる事。それについて、チームリーダー、サブリーダーが明確な指示命令を出すことです。

 

 

 

 

 

 

 

 

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