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「人事評価の基礎知識(1)~評価とは何か」(蒔田照幸)

【新型コロナ時代を生き抜く人事評価】
第2回「人事評価の基礎知識(1)~評価とは何か」

蒔田照幸氏((株)賃金人事コンサルティングオフィス代表取締役) 

人事評価を考える以前に、評価とはいったい何なのかと考えてみたい。

人生は評価の連続だと言ったら言い過ぎだろうか。身近なところで、出張先でのホテルでの朝食を振り返ってみよう。和食か洋食か、ウエイトレスに聞かれて少し迷うところだ。洋食にしようと決めれば、これが評価してからの判断で注文した時点で行動だ。

皆さんの家庭での朝食でも同じだ。忙しい方ばかりだから、テレビでニュースを聞きながら新聞に目を通し、見出しとリード文をサラッと読んで目を引いた記事は本文の隅々まで読む。社長の中には、会社に行くまで待てずに電話で幹部に指示を出すこともあるだろう。この一連の行動も評価が出発点だ。

会社に行けば、デスクに書類が山のように積まれ、また幾つかのメールも届いている。部下が決裁をもらおうと次から次へとやってくる。評価、判断の連続だ。切りの良いところで外出し顧客のところへ営業に行く。ここでは一瞬たりとも気が抜けない状況で文字通り評価と判断の連続だ。

皆さんの毎日も、これと似たり寄ったりではないだろうか。以上は、出来事あるいは状況と言っても良いかもしれないが、すべてモノに対する評価だ。

むろん私達が接しているのはモノだけではない。その出来事や状況の中に、いろいろな性格、価値観、感情、頭脳、知識、能力、行動力そして喜怒哀楽を持った生身の人間がいるのだ。私達は好むと好まざるとに拘らず社内外のこの人間と付き合っていかなければならないのである。

私が会社を訪問して、社長を始めとした幹部の方々と評価の議論をしていると、十中八九出てくるのが「好き嫌い」の話である。聞いていると「好き嫌いはいけないのだろうけど、やはり好き嫌いはあるなぁ」とおっしゃる。当たり前のことである。好き嫌いがない方がおかしいのである。これまでの生き方、性格、価値観どれをとっても全く違うのに合うはずがない。

顔を見るだけで嫌気がさす人がいるという。また一方で、何もかも全く違うのに不思議と馬が合うという人がいる。逆に性格も何もかもよく似ているのにそっぽを向いてしまいたくなる人もいるのも事実である。いったいどうなっているのかと思うけれど、これだから人生は面白いと強がりを言いたいが、正直に言えば、かく言う私も好き嫌いの渦中で苦労した方が多かった気がする。

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蒔田照幸((株)賃金人事コンサルティングオフィス代表取締役)
ミルボン、ユニクロ、九州共立大学、(医)金森和心会病院など約700社、人事コンサル歴35年、懇切丁寧な指導で定評がある。人事評価分野では、2018年に大学と提携しAI投影法を開発。京都府立大学卒。1949年三重県出身。

◎賃金人事コンサルティングオフィス
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