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【特別掲載】「第三次補正予算を活用した革新的事業再構築」(秋吉正一)

★秋吉正一氏の研修会(4/7)開催に合わせ、機関誌『先見経済』の連載より4/1号掲載の原稿を特別掲載いたします。

■コロナ禍における最強の中小企業経営(第3回シリーズ)     
第4回「第三次補正予算を活用した革新的事業再構築」

秋吉正一氏((株)VUILD management 代表取締役)

■事業再構築促進事業に大きな注目

第三次補正予算としての目玉である「事業再構築促進事業」補助金が大きな注目を受けています。
3月11日に川口商工会議所主催で「事業再構築補助金活用セミナー」を開催し、第1部は関東経済労働局の法人係係長殿が説明し、筆者が第2部に登壇しました。

第1部 事業再構築補助金の概要説明 (経済産業省関東経済産業局 地域振興課 担当官)
第2部 革新的事業再構築によるコロナに打ち克つ経営

3/11のセミナーは僅か1日で定員(50名)締め切りになり、キャンセル待ちも20名出る等大盛況でした。想定以上に多くの経営者の方「事業再構築補助金」に関心を持っておられるようです。

■事業再構築促進事業とは?

詳細は公募要領を見て頂きたいのですが、事業再構築促進事業の概要は下記の通りです。
①「中小企業等事業再構築促進事業(1兆1485億円)」の新設が大きな目玉
② 思い切った事業再構築で規模拡大を図る中小企業を支援する制度
③ 事業再構築は新分野展開、業態転換、事業・業種展開、業界再編
④ 飲食業以上にコロナ禍の影響を受けた企業も対象
⑤ 通常枠の補助率は2/3で100万~6000万円まで補助されるありがたい制度
⑥ 小規模事業者の方々には補助率3/4の緊急事態宣言特別枠もある
⑦ 認定経営革新等支援機関と事業計画を策定
⑧ 補助事業終了後3~5年で付加価値額を年率平均3.0%以上させる事が条件

■補助金申請に網羅すべき事とは?

非常にありがたい対補助金ですが、下記項目を「ストーリー性もって本気の事業再建戦略を構築して下さい」とメッセージがあるかのように事業戦略構築に網羅すべき項目が抜け目なく要求されております。
① 現在の事業、強み・弱み、機会・脅威、
② 事業環境、事業再構築の必要性
③ 事業再構築の市場の状況、自社の優位性、価格設定、
④ 事業再構築の具体的内容(提供する製品・サービス、導入する設備、工事等)
⑤ 課題やリスクとその解決法
⑥ 実施体制
⑦ スケジュール、
⑧ 資金調達計画・収益計画(付加価値増加を含む)

■補助金獲得のポイントとは?

補助金の申請には「審査は事業計画を基に行われる」と、またキーワードとして「合理的で説得力がある事業戦略を構築する事、そして妥当性・実現性がある事業計画である事」が明記されています。付加価値増計画を含めた5カ年事業計画作成が必要と結構ハードルが高い補助金です。しかも、給付を受ける為には下記の重要なポイントがあります。

画期的で思い切った事業再構築に熱い想いだけでなくストーリー性のある合理的で説得力がある事業計画を策定しているか?
付加価値増を含む5カ年事業計画に妥当性・実現性があるか?

特に5カ年事業計画は重要です。事業再構築戦略が素晴らしいものであっても5カ年事業計画書に実現性・妥当性がないと「水の泡」になります。背景には経産省の中で、ものづくり補助金で採択された企業の多くが申請時の5カ年計画通りでなく労働生産性が低くなっていることが大きくなっていると問題視しているからです。だから「事業化に向けた妥当性及び審査は事業計画を基に行います」との記述があるのだと思います。おそらく厳しく妥当性をチェックされるものと推察しています。

3/11のセミナーでは特に網羅すべきポイントとして以下の5つを紹介しました。
重要なポイント1 強みを活かした事業再構築 ― SWOT解析だけでは不十分
重要なポイント2 VRIO解析等を活用した強み弱みを基にした競争優位性解析手法
重要なポイント3 アンゾフの成長マトリックスで説得力ある事業再構築を
重要なポイント4 最悪シナリオを事前に準備してリスクマネジメントを
重要なポイント5 5カ年事業計画で事業化に向けた妥当性がチェックされる

ほとんどの人が初めて聞く解析手法でもあったようですが、わかりやすい事例で説明して好評でした。例えばラクビー日本代表のオフロードパス戦術を何故生み出したかをVRIOで説明、又美容院が新規顧客獲得に向け新規サービスを開拓する事業再構築をアンゾフの成長マトリックスで説明等セミナーに出た人には目から鱗的な情報を提供しました。
セミナー終了後に個別相談に多くの申し込みがあり、個別にどのようにアンゾフの成長マトリックスの使い方を指導支援しました。

■補助金ありきでなく事業再構築手法は習得すべきである

紙面の関係上全ては説明できませんが、アンゾフの成長マトリックスを上図に示します。顧客と製品・サービス、既存と新規の2つの視点を組み合わせる事で、事業の成長・拡大させていくための戦略マトリックスです。どのようにして新顧客を増やすか、どのようにして客単価を増やすか等を考えるのに重要なマトリックスです。ここで創出した新規事業の稀少性、優位性を検討するのにVRIO解析が必要となってきます。

「企業の成長は不況の時の対処の仕方で決まる」(稲盛和夫氏)の教えを基に何をすべきかを考え実行する時期です。
補助金ありきでの事業再構築でなく、規模拡大の為の持続的に成長発展する為にこの機会に若手中堅を巻き込み事業再構築手法を基に強固な事業戦略を構築すべきと考えます。

 

◆◆ 4/7(水)秋吉正一氏による研修会を開催:(会場で講師が登壇/Zoomでリモート配信)

 「事業再構築補助金活用セミナー」
 ~革新的事業再構築によるコロナに打ち克つ経営~
 第一部 事業再構築促進事業とは??注目される理由とその概要
 第二部 革新的事業再構築によるコロナに打ち克つ経営

 ■講 師  秋吉正一氏((株)VUILD management 代表取締役)
 ■日 時 4月7日(水) 14:00~15:30 (ZOOMでのリモート視聴/会場での聴講 )
 ■会 場 高輪倶楽部8F会議室 (品川駅 高輪口下車徒歩3分)

 ★詳細とお申込みは、こちらからどうぞ。→ http://bit.ly/3rZoMC5