米ソ核戦争は一触即発だった~冷戦下の日中関係史 [ 特集カテゴリー ] ,

Online講演会「戦後日中関係史」(前編)(西園寺一晃)

戦後の日中関係についてこれからお話したいと思います。この間の日中関係について研究する学者は少なく、歴史的に不確定な部分が多くあります。日本側と中国側両方を合わせた研究が不可欠ですが、共同研究はいまだにありません。

特に中国の幾つかの歴史問題は、まだ残ったままです。例えば中ソ論争、文化大革命、林彪事件、毛沢東の評価などです。いずれ、中国自身がきちんと総括しなければならないと思いますが、まだその時期ではありません。

■第2次世界大戦の終結と当時の状況

日本の教科書では、太平洋戦争は真珠湾を皮切りに日本とアメリカが戦争した、と教わります。しかしこれは「アジア太平洋戦争」というべきだと思います。日本軍国主義の朝鮮、中国、アジアへの侵略と日米戦争には質的な違いがあります。

1945年、ホットな戦争の終結は、クールな戦争=冷戦のスタートでした。世界は主に3つに分かれます。1つはアメリカを中心とする資本主義陣営(西側陣営)、もう1つはソ連を中心とする社会主義陣営(東側陣営)、そしてもう1つは、この両方とも同盟を結ばない、非同盟の第三世界です。

世界には、2つの政治制度の国が存在し、対立していました。資本主義と社会主義です。資本主義はかなり長い歴史がありますが、社会主義は新たに生まれた政治制度です。

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