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講演録「発達障害の傾向のある人を雇用したら」(小島 健一)

小島健一(鳥飼総合法律事務所・パートナー弁護士)

人事労務を基軸に、問題社員処遇から組織・風土改革、産業保健、障害者雇用まで、紛争予防・迅速解決の助言・支援を提供。メンタルヘルス不調やハラスメントが関わる深刻な案件も、早い段階から依頼者に寄り添い、解決まで支援。「さんぽ会」幹事、日本産業保健法学会(2020年11月発足)理事。

 

発達障害という言葉は大分知られるようになってきましたが、一番知られてないのが実は中高年の男性です。逆に小さいお子様をお持ちのお母様はかなりご存じではないかと思います。今の小中学校では、発達障害の特性が見られる子どもを早い段階から支援しようという文科省の取組みがここ10年ぐらいで進んできましたから、小さなお子さんをお持ちの親御さんは判るのです。しかし50代のわれわれが育った時代、発達障害という言葉には全く出会いませんでした。ただ自閉症は旧来から知られており、実はわれわれの世代にもそういった自閉症の方が患っているものと共通な要素があることが分かったのは、比較的最近です。アメリカなどでは、30~40年前から自閉症についての研究が行われており、我が国に入ってきたのは20、30年遅れといったところでしょうか。

私も長年、人事労務の仕事に携わってきましたが、どうしてこうなってしまうのだろう、この人はなぜこんなことをやっているんだろう、そんな疑問を抱くことがありました。しかし発達障害を知ることで、今まで埋まらなかったピースがはまったような、そんな実感も得られましたので、人を雇い仕事をお願いするという局面で、問題社員やうまくいかない社員、さらには自分自身というものをよく知るためにも、発達障害とはどんなことなのか、少しでもお伝えできればと思います。

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