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「カーボンニュートラルについて」(真田幸光)

真田幸光の経済、東アジア情報
「カーボンニュートラルについて」

真田幸光氏(愛知淑徳大学教授)

 米国では、トランプ政権からバイデン政権に代わり、そのバイデン政権の関心の一つが、その利権構造、背後のサポーターの意向なども含めて、
「環境問題」
に向かう中、国際社会全体に於いても、
「脱炭素、カーボンニュートラル」
が際立って議論されるようになっているかと思います。
 
ここで、私たちが今、認識しておかなくてはならないことは、そもそもカーボンニュートラルとは、これまでの、
「二酸化炭素の排出削減、低炭素政策」
ではなく、
「二酸化炭素=温室効果ガスの排出を脱する。
 つまり、温室効果ガス100%削減」
を意味していると言うことを認識しなくてはなりません。
 
具体的には、
「温室効果ガスの排出量を減らすと共に、森林に二酸化炭素を吸収させたり、地下に埋めて、実質ゼロにする」
ということが考えられています。
 
更に、具体的には、
「再生可能エネルギーの利用を増やし、化石エネルギーの使用を極力減らす」
といったことがイメージされています。
 
また、
「自動車の電動化」
「水素による製鉄」
といった、発電以外の分野でのカーボンニュートラルがここでは大いに重要となるわけであります。
 
そして何よりも、私たちの生活レベルで、
「カーボンニュートラルに向けた活動をしていくことが供用される可能性も出てきている」
とも考えられ、私たちの生活様式や消費活動そのものも変化していく可能性があります。
 
とても、大きな問題となっているということですね。
 
しかし、それにしても、
「温室効果ガスの排出量ゼロを目指すことが、本当に地球温暖化のストップに最も効果的なことなのか?
 炭素ばかりを悪者にして、今の地球温暖化の問題を語り切れるのか?」
については、真の専門家のご意見をもつともっと聞いてみたいところではあります。

 

真田幸光————————————————————
清話会1957年東京都生まれ。慶応義塾大学法学部政治学科卒業後、東京銀行(現・三菱UFJ銀行)入行。1984年、韓国延世大学留学後、ソウル支店、名古屋支 店等を経て、2002年より、愛知淑徳大学ビジネス・コミュニケーション学部教授。社会基盤研究所、日本格付研究所、国際通貨研究所など客員研究員。中小 企業総合事業団中小企業国際化支援アドバイザー、日本国際経済学会、現代韓国朝鮮学会、東アジア経済経営学会、アジア経済研究所日韓フォーラム等メン バー。韓国金融研修院外部講師。雑誌「現代コリア」「中小企業事業団・海外投資ガイド」「エコノミスト」、中部経済新聞、朝鮮日報日本語版HPなどにも寄稿。日本、韓国、台湾、香港での講演活動など、グローバルに活躍している。
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