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【中堅社員に求められる基礎力アップ 全4回】-②「プロ化の波」(小池浩二)

小池浩二の【プレイングマネージャーの仕事術] シリーズ(67)
【中堅社員に求められる基礎力アップ 全4回】
第2回目「プロ化の波」

小池浩二(マイスター・コンサルタンツ(株)代表取締役)

■学ぶ力

実社会で優秀で自己幸せになっている人の共通項は「学力」=学ぶ力が高い点です。

学ぶ力とはまず「学ぶ姿勢から学ぶ」ことが重要です。これは街を歩く、スーパーで買い物をする、TVを観る、人気のある店で食事をする等を通して自分に必要なことを学ぶことにあります。

自分のことを真剣に考えるから、常日頃の問題意識が高くなり、「今自分にとって何が必要なのか」が見えてきます。
その重要な一つが環境の変化を感じ取ることでもあります。

■現場は「専門家」を求める

現場力に欠かせないキーワードは「専門家」です。「専門家」とは【人間に役に立つことを前提としたアナログ力】であり、やってもらいたいことをやれる人であり、この存在が希薄になっています。

これは成熟化社会になり、顧客が求めている要求が高度化しているから、必要になっている要素です。例えば、IT産業は、1955年にコンピューターの民間活用が始まり、既に50年を超えています。昨今の小学校でプログラミングが必修化されていることは、現存のビジネスに多大な影響を与えます。

情報サービス産業は、
●50年代後半~70年代後半には「情報処理主力の時代」
●80年代前半~中盤には「ソフトウェア開発拡大の時代」
●80年代中盤~後半には「急成長とSIの時代」
●90年代前半~中盤には「分散型システムへの転換の時代」
●90年代中盤から~後半には「ネットワーク化とアウトソーシング化の時代」
●2000年代に入り「インターネットの時代」
●2010年頃から「クラウドコンピューティングとビッグデータの時代」
●今日の「社会インフラとしてIT浸透の時代」
の変遷があります。

また、株式上場企業も産業分類上2番目に企業数の多いカテゴリーとなっており、しっかり産業として成長してきました。この60年の中で、IT技術者と利用者側の「IT技術の知識」関係でみると、圧倒的にIT技術者にアドバンテージがありました。あったからこそ、ビジネスとして成立しました。

しかし今後は、客がIT知識・技術を持つ時代が到来します。需要と供給の関係は、需要が少なければ供給も少なくなり一般的には価値は高くなります。

これは、物の量だけはなく、知識や情報にも同じことがいえます。当然、知識や情報が出回れば価値は下がります。この前提でのビジネスを成立させる難しさがこれからやってきます。

この本質的テーマは、成熟社会におけるプロの価値が試されることにあり、全ての産業に警鐘を鳴らす変化であります。

継栄の軸足

 
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■ 小池浩二 (マイスター・コンサルタンツ(株)代表取締役)
実践に基づいた「中小企業の基礎打ち屋」として、中小企業成長戦略のシステムづくりを研究。これまで500社以上の中小企業経営に関わり、経営診断、経営顧問、研修等を実践。多くの経営者から「中小企業の特性と痛みをよく理解した内容」と熱烈な支持を得ている。
  http://www.m-a-n.biz/ 
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