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【講演録】100歳マラソンランナー(永田光司)

私はいつの間にか100歳9ヶ月になりました。お陰さまで、無病息災でこの歳まできました。人生100歳と言いましても、25年と35年と40年とに分けることができると思います。

25年と申しますと、ちょうど青春時代で、軍国時代に生を受けたものですから、20歳になるとすぐ軍隊に参りまして、5年間、野戦をかけずり回って、25歳で帰って参りました。したがって、25歳から日本の社会勉強ということで、60そこそこで定年となり、この歳まできております。

満州事変が昭和6年に始まり、昭和16年の大東亜戦争まで10年間、軍国主義の世の中でした。終戦が昭和20年、翌年の21年に私は帰って参りました。世の中のことが何も分からない、呆然とした2、3年を過ごしましたが、日本へ帰ってきてから35年間、社会に奉仕させていただいたわけですが、大東亜戦争で300万人以上の戦死者を出して、尊い命を皆さん捧げられて、辛うじて私も命からがら帰らせていただいたわけですが、そういう戦死者の後を受けて、日本の国が復興するわけです。

 戦争も終わり、これから自分のやりたいことをやらせてもらおうという時代に入るときに、われわれは青春時代を全部、昔の軍国時代のときに奪われて、あといよいよ定年、60すぎたらもう何もない。

私は若いときに登山をやっており、山登りが自分も好きでございました。他に趣味も何もありません。1人では山に行けませんので、グループを組んで登山をして、アルプスを相当登りましたから、足には自信がありました。

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