~労働紛争の現状 [ 特集カテゴリー ]

第3回『労働者と使用者の溝』申 燕澔(しん よんほ) [ 第3回 ]

日本の誇りの一つでもある鉄道。1872年に開通してから国鉄、JR、民間鉄道などを合わせて日本国内の旅客輸送量で鉄道の分担率は80%を超えて世界で最も高い水準だ。

全国にインフラが整備されていて、路線の数は500路線もあり、今は鉄道で全国を短時間で行けるようになった。首都圏を中心に鉄道は細かく小さい町まで鉄道が通っている。

しかし、一方で事故も多発している。特に注目したいのは「人身事故」。

「人身事故」による毎年死傷者数は1000人に上る。国土交通省は東京五輪に向けて「ホームドア」を2027年までに100%設置する計画を発表した。各事業者ごとに進み具合は異なるが、ホームドア設置のおかげで2010年以降から人身事故の件数はわずかながら減少しつつある。

図1.鉄道人身事故データベースによる、人身事故の件数

人身事故の多くは自殺である。理由として考えられるのは職場のトラブルが原因であることは少なくない。

日本の大きな社会問題となっている「過労死」の主な原因には「いじめやパワハラ」である。過労死といったら、単純に長時間労働や過重な業務が原因で病気になり、死に至ることが考えられるが、実は「いじめやパワハラ」で精神障害を受け自殺するケースが多い。

最近は、過労死から「いじめ・嫌がらせ自殺」を分ける必要があるという声も上がっている。以下、厚労省の発表による民事上の個別労働紛争相談別件数からも「いじめ・嫌がらせ」件数が最も多いのが分かる。

図2.厚労省の発表による、民事上の個別労働紛争相談別件数

 

厚生労働省は2020年6月から大企業を対象に「パワハラ防止法」を施行した。

パワハラとは、職場内で優越的立場にある者がその立場を利用して、労働者に対して、業務上必要・相当な範囲を超えて精神的・身体的な苦痛を与えたり職場環境に悪影響を及ぼしたりする行為。労働施策総合推進法(いわゆるパワハラ防止法)30条の2で定められている。中小企業は2022年4月から適用する予定だ。

メディアなど世間に報じられているパワハラ事件は、氷山の一角にすぎない。日本の職場の実情は深刻だ。日本中の職場がパワハラ防止に真摯に取り組むことを強く要望したい。

職場において労働者がこのような紛争に巻き込まれたらどうすればいいか。

多くの労働者は泣き寝入りしてしまう場合はよくある。労働者はどこに頼るべきか? 労働者は自分自身を守るために権利や関連知識を知っておく必要がある。

下記、よくあるパターンと取るべき行動について簡単に記しておきたい。

●職場いじめのよくあるパターン7つ

・直接的な暴力や暴言

・無視や仲間はずれ

・無理難題の要求

・ミスを必要以上に問い詰める

・業務を与えられない・外される

・責任を押し付けられる・手柄を奪われる

・会社を休ませてもらえない

 

●職場いじめにあった際の対処法

・毅然とした態度で対抗する

・信頼できる人に相談する

・社内の相談窓口を利用する

・外部の相談窓口を利用する

・転職する