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「飛ぶ、うきうき、どきどきの実践を楽しむ」 (澤田良雄)

髭講師の研修日誌(90)

「飛ぶ、うきうき、どきどきの実践を楽しむ

澤田良雄氏((株)HOPE代表取締役)

新たな年を迎えた。新たな年こそ,新型コロナ感染が終息し,普段の生活に世界中が戻ることを誰もが願っている。

過去の卯年を回顧すれば,あの2011年は「東日本大震災」に見舞われ、「なでしこジャパンがW杯で優勝」し、1999年は「iモードサービスの開始」、1987年は「国鉄が民営化されJRグループ発足等々があった。それは、卯年は「大きな飛躍・向上の年」とも言われ、さらなる飛躍もあるであろうし、従来からの成果が実を結ぶ年ともいえる。

従って、卯年にあやかり飛躍の年となれば幸いと念じる年初でもある。それは,たとえ小さなジャンプであっても、そこには、何か弾む心があって、楽しさをもたらす。

頂いた年賀状に、うきうき、どキドキ、楽しい毎日を過ごせますようにと書かれた言葉が目を引いた。なるほど、心がはねる活躍の日々の今年としよう。

 ◆抱負が今年の道筋

それには、想いを創る事である。それは、抱負であり、目標、時には計画でもある。もちろん経営活動には,既に年度方針が掲げられ推進されている事は言うまでもない。従って、ここでは,個々人の日々の活力を取り込む道筋として着目して診よう。

今年も1/3早朝6:00からの地元経営者との勉強会では、参加者25人が今年の抱負を発表し合った。主な言葉は、「健康第一」「新たな仕事に挑戦」「感謝の心」「笑顔」「日本の歴史の学び直し」「妻の話をしっかり聴く」「仕事の改善」「選挙に当選」「凡事徹底」「2店舗目の新店成功」…が紹介された。業種、企業規模,役職、トップキャリアの違いがあるが各自が色紙に書いた言葉を説明し、宣言する姿は実に楽しそうである。

また、主宰する区社会教育学級(話し方教室)では,「誠の心で話す」「ウサギの跳ねる行動をいかす」「積極的行動」「凡事徹底」「丁寧」等の言葉を掲げ、初スピーチを楽しんだ。

抱負の言葉が違えども共通するのは、新たな年に向けて「昨日の我に 今日の我勝つ」との故美空ひばりの座右の銘にあるように、昨年よりも一回り大きく成長したいと覚悟することにある。それは、新たな,抱負、望みを持つことは、新たな自分磨きも必至条件であるとの確認なのだ。なぜなら、新たな行動は、新たな学びによりもたらされる。

だからこそ、学びとは単に,知識吸収にとどまらず,新たな知恵を産み出し、自身の言動を変える基なのだ。それは、昨日の我に勝つ、自身の器を一回り大きくする自分づくりに他ならない。木の新たな年輪である。

◆楽しみを持つ3陽の心

 従って、掲げた抱負、望みは,今年の成長の道筋として、取り組まなければ,単なる掛け軸に他ならない。そこで、取り組む楽しみのコツはどうするか、
 それは、顧客対応研修のご縁で長年お送りいただいているOショッピングプラザ発行の「オリブだより12月号」に次の記事が掲載されていた。それは、つぎの3陽の奨めである。

①いつも笑顔でいる・・これを陽相といい                 

②大きな声でハキハキ話す・・これを陽言といい

③背筋を伸ばして胸を張って、歩くこと・・これを陽動といいます。

この三つを実行すると常に気持ちが明るく、プラス思考になります。」との奨めである。多分に一陽だけでも取り組めば,後の二つの陽は自然と備わって来よう。

類した言葉で、朗らか、感謝、気軽、自己信頼、元気な「ハイ」、にこにこ、楽しい、やればできる、「やるのは今でしょ」…があるが、何れにしてもこんな言葉を発して、ポジティブな心意気を秘めてみると良い。この方が浮き浮き感が湧き、ワクワク感は関わる人を明るくさせ,掲げた抱負のイメージが明確となる。しかし、「そんなこと言ったって…」というならば、自身の思考の殻破りを楽しむと良い。

◆でも、だってこの言葉は・・経験則をいかに変えられるか

確認してみよう。一回り大きくなる楽しみづくりは新たな年輪作りであるから、その為には、ここまでの自分の殻を破ることである。それは、ここまでの経験則に基づき自信が「自分のやり方に絶対間違いない、自分はここまで十分だ、絶対これで良い」との考え方を破る闘いに他ならない。

例えば、いざ取り組むときに「今更やらなくて、十分だ、他にあるはずがない」と、もう一人の自分のささやきに、「いや、自分には,まだまだ可能性を秘めている。だから新たな事に挑戦していく楽しみを加えることだ」と,笑顔で語りかけ、取り組みに一跳ねする決断を成せば良い。

また、経験則によるもう一つの闘いは、いざやろうとしたときのいらぬ先読みの悲観論が出やすい。例えば、良く出される「でも,前にやったとき、こうだったから」「だって、こんな事があったんだからやっても・・」と一歩踏み出す決断を鈍らす言葉がある。それは,経験則によるいらぬ先読みの悲観論といえる。

経験則は今、最高の実践策であるから、新たな取り組みは、経験則+改革が必須であり、変える楽しみがそこにある。それは、「改」は改善という部分的に変えてみるレベルであり、「革」とは革新であり思い切って変えることである。この変えた分だけ年輪が大きくなる。

「できない理由を考えるより,どうしたらできるか考える。自分はやればできる」と抱負、望みの想像図に向けて一歩踏み出す実践なくして新たな年輪はでき得ない。

◆一歩踏み出す実践の心へ

 ご存じの二宮金次郎の薪を担ぎ、本読む銅像では何を教えているか、学に励み、勤労の大切さを説くとは筆者の見解であったが、「いや一歩前に出た足である」とは、尊徳翁子孫7代目の中桐万里子氏からの学びがあった。つまり、実践の示範の象徴なのだ。だからこそ、多くの経営者が影響を受けた教えなのである。それは、尊徳翁の数々の功績は、実践によって成したまさに知行合一の証明といえる。

現在、現実には、その実践の大小云々を問うのでなく、たとえ、抱負、望みの身近な実践も大切との教えである。それは、尊徳翁の言葉に「積小為大」がある。この意味合いは、小を積みて大を為す,つまり、「小さな事をコツコツ積み重ねると、少しずつ大きくなっていくんだなあ…」と尊徳翁は説いていると中桐氏の解説にもあった。

また、メキシコ五輪マラソン銀メダリストの君原健二氏の言葉に「一つの努力は,薄い紙の厚さしかありません。しかし,重なれば一冊の本となります」がある。まさに僅差、微差も累積すれば大差を生むといわれる言葉のとおりであろう。ウサギとの戦いに勝った亀の教えもその一例ともいえる。もちろん、その過程・瞬間には、「あきらめないこの気概」が重要である。

先のワールドカップサッカーで話題となった三苫選手の1ミリの奇跡もあきらめずに放った蹴りの執念であった。このような各種スポーツでの快挙の讃辞の裏付けはまさに、可能性を信じてあきらめずに,さらなる執念での取り組みはその証といえよう。

◆念じますとは・・あのときにやっておけば・・との悔いを残さないこと

TVでの僧侶の説法の一説で「「念」という字は,今に心と書く,つまり、今を精一杯生きる事」と説かれた。同感。それは、小生の座右の銘は「一期一会」であり、この時は二度とない、明日ありと思うな、ならば、今できることの最高実践である。

よく耳にする言葉に「あのときにやっておけば良かった」と聴くが、それは、自分を粗末にすることに他ならない。なぜなら、できる(能力、意気込み)自分を生かさず、それも,最高に実践しなかった証であり、こんどこのような時には、と願いつつも訪れるとは限らない現実の悔いであり実に勿体ない。

しかしながら、新たな事への取り組みはすべて上手く行くことだけではない。時には、失敗があるからこそ,新たな学びと工夫が施される。ならば、悔い、失敗があったときにはどう捉え,生かしたら良いのだろうか。

◆失敗は心豊かな自分作りです

工具トップメーカN社の若手社員研修の際、T取締役は自らの失敗哲学を紹介し「失敗は前向きなチャレンジの証、だからこそ、本気で勉強し、その克服を成し、だれよりも力をつけた」と話された。

筆者にとっても、時として「先生もそういうことがあったんですか、ビックリしました」言われますが、過去の失敗の事実は、その後の有り様によって、価値は変えられる。従って、「過去の事実は変えられないが,過去の価値は変えられる」との言葉にもなり得るのである。肝腎なことは、失敗の事実を素直に確認し、次に活かし,新たな発展を創る楽しみとするがよい。それは、新たな学びによる取り組み方法の工夫である。

また、テレビでの僧侶説法では,「失敗したことは,そのようなことに出くわした人の気持ちが分かる人になる」と説いた。

思い起こせば、以前、洋画評論家の淀川長治氏の直話で、自身の人を好きになる実践策として「苦労よ来たれ」と話された。それは、苦労しただけ人の心を深く理解出来る人になるからだとの示唆であった。

なるほど、「人の気持ちが分かる人」とは、失敗体験を生かし方によって価値化されたのである。亀との競争に負けたウサギも、もう途中で寝入る事はあるまい。跳ぶ卯年、抱負の実現に向けての失敗も仕事、人格成長の肥やしとして生かす事が良い。

◆年賀状にニコニコし,今年の過去作りを心する

年賀状の味わいは楽しい。それは、お送りいただいた方々の創作された画、言葉から現状の心持ちを読み取る味わいである。

例えば、「皆さんの笑顔が大好き、今年も感謝の気持ちを込めて」とは青果卸業のH氏の笑顔を画いての作画であり、「楽しい事一杯、心弾む1年を過ごせますように」「ほっこりと心和む笑顔の絵入り賀状である。更に手書きの一言も嬉しい。「元気でいつまでもご活躍ください。また、お会いできる日を待ちつつ…」「いつも、情報ありがとうございます。」「今年も研修で一緒できます事楽しみです」とは指導先でのご縁続きの方からであり、「あこがれの傘寿、老いてなお、花となる」「四国遍路64回を結願しました」「感謝話法の本(筆者著書)に学んでいます」「仲間感では元気が合い言葉、”若作りしても話題はみな昭和”」…は年齢の近き人や、指導、支援させて頂いた方々からである。

また、「昨年お会いでき良き刺激を頂きました。今年は学びを生かして頑張ります」…は昨年の新たなご縁のできた人からである。一枚一枚ニコニコと味わいながら読み込み、筆者の抱負「感謝の心」を込めての「ありがとうございました。また…」と声がけに心ワクワクである。

同時に、敬愛する創作家、みのわむねひろ師(画家、商品デザイナー界第一人者、我が国の母子手帳の表紙デザイン…)から昨年の師走に説かれた「人はそれぞれ、過去があって、今、この立ち位置がある。そして先を見据えることができる。今年はどのような過去を創るかですね…。それは、実例(体験)、実証、実績の3実です」の言葉を肝に銘じ、跳ぶ事のワクワク感あふれる抱負、望みの実現による今年の一回り大きな年輪作りへのスタートである。

 

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澤田 良雄

東京生まれ。中央大学卒業。現セイコーインスツルメンツ㈱に勤務。製造ライン、社員教育、総務マネージャーを歴任後、㈱井浦コミュニケーションセンター専 務理事を経て、ビジネス教育の(株)HOPEを設立。現在、企業教育コンサルタントとして、各企業、官公庁、行政、団体で社員研修講師として広く活躍。指導 キャリアを活かした独自開発の実践的、具体的、効果重視の講義、トレーニング法にて、情熱あふれる温かみと厳しさを兼ね備えた指導力が定評。
http://www.hope-s.com/