先月はファミリービジネスにおいて、スリーサークルモデル、つまり、経営、所有、家族の観点から考える重要性について説明しました。今月は、経営分野において、最も重要な検討事項「後継者による経営推進ができる体制の整備」として、チーム型経営について説明します。
100年、200年企業を実現するための 欧米流ファミリービジネスマネジメントのススメ 大井 大輔 [ 特集カテゴリー ] 欧米流ファミリービジネスマネジメントのススメ
先月はファミリービジネスにおいて、スリーサークルモデル、つまり、経営、所有、家族の観点から考える重要性について説明しました。今月は、経営分野において、最も重要な検討事項「後継者による経営推進ができる体制の整備」として、チーム型経営について説明します。
「劉暁波氏と日中関係」 ——天安門事件・世界人権宣言・ノーベル賞 劉 暁波氏の“志” 大阪 2019年3月20日(水) [ 特集カテゴリー ] 【 清話会講演録 】
エリート出身の知識人
鄧小平が部隊投入、発砲
劉暁波は1年半前、急に亡くなりました。中国政府の説明では末期がんです。それまで8年間投獄されていました。1955年生まれの彼の父は人民解放軍の将軍で、エリートの家庭で生まれ育ちました。文化大革命中は一時期内モンゴル自治区で過ごしました。77年に中国の名門、吉林大学に合格、文学サークルに入り、卒業後は北京師範大学の修士課程に入りました。中国の名門大学である北京大学、清華大学、北京師範大学の1つ。そして文革以降初めての博士号を授与されました。
大学の若手教師として教壇に立っていた80年代は最も開放的で、経済発展する時期でした。言論の自由度も今から思えばあった時期でした。中国は文革を否定し、新しい中国に向け全国人民が一斉に努力しようという時期で、彼は大学の派遣で、オスロ大学、ハワイ大学、そして天安門事件の前にはアメリカの名門大学、コロンビア大学の客員研究員でした。事件がなければ、彼は大学の先生として、或いは学者としての道を歩んでいたに違いないのです。
経済動向最前線 熊野 英生 [ 特集カテゴリー ] 経済動向最前線
預金金利がほとんどゼロ%である。この状態はいつまで続くのであろうか。
多くの人は、日本銀行が物価上昇率2%の達成ができない限り、このゼロ%がずっと続くと思っている。筆者のようなエコノミストは、物価上昇2%はずっと達成不可能なので、そのルールを止めない限りは預金金利ゼロのままだろうとより悲観的である。
「いよいよ世界経済は調整局面か」 —-日本の今年から2020年、その先の生き方 東京 2019年3月11日(月) [ 特集カテゴリー ] 【 清話会講演録 】
牽引役は米中消費
金融緩和で債務は拡大方向
2018年末の現状、そして世界経済の第一の牽引役はアメリカの旺盛な消費で、その要因は原油安と低金利が消費拡大です。アメリカのGDPは、ここ5年で平均2%以上の成長率を達成しています。特に2014年の後半から原油安が始まり、アメリカ国民の実質的な所得が上昇しました。なおかつ低金利によって金融機関の融資基準が住宅ローンを除いて緩和され、家計も借金をしやすい状況になっています。そのなかで消費が拡大して、GDPが底上げされました。アメリカの消費の拡大による輸入の拡大が世界経済に好循環をもたらしているのです。
2番目の牽引役は中国の設備投資と消費の拡大です。米中貿易戦争以前は設備投資と消費が拡大し、経済成長と賃金上昇が進んできました。ただ、中国は経済効率が悪くなっています。リーマンショック後の4兆元投資で非効率な投資が国営企業中心に進みました。最新の試算では、GDPを1兆ドル増やすために民間企業が3兆ドル近くの借金をしています。とはいえ、リーマンショック後の世界の大不況を救ったと歓迎され、アジア経済の底上げにもつながりました。
そして第3の牽引役は世界的な金融緩和です。アメリカの中央銀行であるFRBは2015年から利上げを始めましたが、まだ効果は現れておらず低金利が続いています。低金利のなかで世界中の政府、民間企業、家計が債務を増やしているのです。ところが日本は企業と家計は債務を増やしておらず世界に比べ特殊であり、健全と言えます。ただ、政府債務が先進国で突出して大きいのが問題です。いずれにせよ、低金利によって世界中で債務拡大が持続可能になっており、その債務の拡大が、いまの経済成長を支えているのが現状です。とはいえ経済成長率は低いのですが。
深圳・順徳・珠海視察旅行記 [3月25日(月)~28日(木)] [ 特集カテゴリー ] 海外視察旅行会
経済動向最前線 熊野 英生 [ 特集カテゴリー ] 経済動向最前線
5月1日から始まる新元号が「令和」に決まった。どんな時代になるのだろうか。この令和時代もやはり30年間くらいは続くとみて不自然さはないと思う。西暦で言えば、今から30年後の2049年までの未来である。
私たちは、和暦で令和を使うと何か雅(みやび)なイメージがあるが、西暦で考えると途端に厳しい現実に引き戻される。筆者自身の話に引き戻すと、令和元年から30年までは年齢が51歳から81歳となる計算だ。男性の平均寿命を使えると、自分の老後の大部分は令和時代の後半となる。
伝統を伝え、育て、革新する伝・Tokyo 若柳 尚雄里 [ 特集カテゴリー ] 伝統を伝え、育て、革新する伝・Tokyo
【鐘は上野か浅草か その約束を待つ宵の 風も浮気な仲の町 過ごして植ゑし初桜 つい移り気な色も香も 留めて素足の八文字】
これは長唄【傾城】の初頭の文句です。桜も終わり、新緑に移り変わろうとしております。江戸の旦那衆は、季節が変わる毎につい移り気に、新しくフレッシュな太夫や新造に目移りされていたのでしょうか……。
この度も、尚雄里の日本舞踊は、まだまだ奥の深い吉原仲之町と、また全国にあった吉原についてご紹介したいと思います。
先号は花魁のファッションについてでしたが、花魁の支度でホテルニューオータニ日本庭園にて久しぶりに出演したイベントでは、約30キロに及ぶ支度で御座いました。江戸時代の吉原での花魁は同じ重さか、または更に重量のあるものだと憶測されます。この度も若衆の肩を借り、高さが五寸から六寸(15センチから18センチ)の三枚歯で、黒塗りの畳付きという高下駄を履き、道中をさせて戴きましたが、これは寛政期(1789年~1801年頃)の江戸後期に完成されたもので、現在受け継がれている花魁道中の形は江戸後期のものというのが解り、この最終的に残ったものが一番華やかで豪華であり、人目を惹くものだと言えるでしょう。
100年、200年企業を実現するための 欧米流ファミリービジネスマネジメントのススメ 大井 大輔 [ 特集カテゴリー ] 欧米流ファミリービジネスマネジメントのススメ
先月はファミリービジネスにおいて、重要なことは、いかにして「経営承継」を実現するのかについて説明しました。また、スリーサークルモデル1についても紹介しました。今月は、スリーサークルモデルについてもう少し詳しく説明したいと思います。
スリーサークルモデルで
利害関係者の利害を調整する
当初、スリーサークルモデルは、ファミリービジネスに関わる関係者がサークル上のどこに位置付けられるのかを整理し、それぞれの関係者が持つ潜在的な課題として、人間関係における対立、役割上の課題や優先順位などを明確にするためものでした。
中堅・中小企業のプレイングマネージャーの仕事術メソッド 小池 浩二 [ 特集カテゴリー ] 中堅・中小企業のプレイングマネージャーの仕事術メソッド
中堅・中小企業のマネージャーの6大特性(誕生背景や現実)
中堅・中小企業の多くのマネージャーは、現場の仕事を出来るようになったら、いきなりマネージャーに任命されます。マネージメントのやり方はよくわからないが、仕事に対する責任感が強いので以下の特性がよくでます。
①現場の仕事を1番できる人がマネージャーに選抜される
②マネージメントの教育を受けた人は殆どいなく、我流スタイル
③プイレイヤーとマネージャーの兼任スタイル(通称プレイングマネージャー)
④マネージメント業務の70~100%をマネージャーが一人で担当している
⑤プレイヤー業務も重要な役割を担当するスーパーマン
⑥マネージャーとメンバーは差がありすぎて、メンバーに依存されやすい
中堅・中小企業のマネージャーは、運転免許で例えると仮免許も取得していないのに、路上運転をするようなもので、その状態は『やり方を知らないガンバリズム至上主義マネージャー』といえます。
地方創生にかかわる 中小企業の役割 野田 万起子 [ 特集カテゴリー ] 地方創生にかかわる中小企業の役割
平成31年4月1日、新元号「令和」と発表されました。いよいよ、30年の平成の歴史を閉じ、令和元年のスタートとなります。地方創生元年は平成27年、考えますと新しい時代に向けた準備期間であったように思います。本年1月号に地方創生の行方について触れましたが、これまでに地方創生大臣は石破氏から4人目に代わり方針が薄れてきてしまったように感じます。国策如何に関わらず、地域経済に多大な貢献をし、地方創生を担っている企業は沢山あります。今号は、その一つの企業にスポットを当てたいと思います。
低年齢化する「自己肯定感が低い」子ども達
私が主催する話し方教室には、幼児~小学生を対象にした子どものスクールがあります。スピーチやディベート、コミュニケーションを教える教室に通う生徒のお悩みで最も多いのが、「自信なさそうに小さな声で発言してしまう」というものです。
近年、日本の中高生の「自己肯定感の低さ」が話題になる事があります。日本の子ども達は、学力調査では世界トップクラスなのに、なぜか自分に自信が無いというのです。具体的に言えば、「自分は役に立つ」「自分が好き」と言う質問に、YESと答える子どもが他国に比べて少ないのが現状です。スクールを運営していて、この傾向は年々低年齢化し、4歳や5歳でも自己肯定感が低いと思われる子どもが増えています。
自分の価値が分からなければ、もちろん相手を認めたり、ポジティブな関わりを求める事も少なくなってしまいます。また、自己肯定感とは人格を形成する過程で、他人と関わり評価を得る事で、高めていくものでもあります。要するに、自己肯定感とは、コミュニケーションと切っても切り離せない関係にあるのです。日本の子ども達の自己肯定感が低い現実は、携帯電話のメール機能やソーシャルメディアの発達により、今後もっと深刻化していくのではないかと思っています。
コーヒーブレイク ~幸せな人と組織を創る経営者コラム~ [ 特集カテゴリー ] コーヒーブレイク ~幸せな人と組織を創る経営者コラム~
前号で組織というのは、リーダー次第で大きく変わっていくこと。そして、「今、自分はどういうリーダーなのか?」それから、「どういうリーダーであるべきなのか?」ということを考えていく必要があるとお話をさせていただきました。
ドラッカーのマネジメントでは、リーダーシップは学びとることができると言われています。生まれつきリーダー的な素質を持った人はいるかもしれません。でもそれはほんの少しの人であって、「立派なリーダー、一流のリーダーになった人たちは、自らをそういったリーダーになろうと思って取り組んだ人たちだ。よって、リーダーシップは学びとることができる」。ピーター.F.ドラッカーは、そのように述べています。
学び取るためには、何を学ぶべきかを我々が知ることで、その力をつけていくことができるのではないかと思います。
「知らないと損をする 高齢者施設の選び方」 —介護は突然始まる、わが家のベストな選択のために知っておくべきこと 東京 2019年1月17日 [ 特集カテゴリー ] 【 清話会講演録 】
父の脳梗塞に狼狽
すぐに決定の心理状態に
介護というのは、予期せぬときに突然起こる状態です。ご本人もそうですし、家族もそうです。私の父は脳梗塞で3年前に他界しましたが、やはり突然でした。2年間の介護、入院などを繰り返して他界しました。私は専門職で老人ホームにいながら、父が脳梗塞にかかって半身麻痺したという状況に狼狽したわけです。用意がなされてないときに始まりましたから、非常に焦った状態でいろいろなことを決めていかなければならず、判断を誤ったり、すぐにでも何かを決定したい心理状態に陥るのが普通の状態だと感じています。それを回避するために、少しでも頭の隅に「介護施設ってどうなのか」「老人ホームって何なのか」ということを入れておいていただければ、いざというときに、何かのお役に立てるかなと思います。
老人ホームの種類は大きく分けて公共型の施設と民間型の施設があります。
共型の施設というのは私どものような社会福祉法人、あるいは医療法人、というようなところが運営する施設です。民間型は、いわゆる有料老人ホームの分野です。
私どもの特別養護老人ホームでは、現在だと要介護3以上でなければ入所できません。一部、要介護1〜2も家庭で処遇困難な認知症の方も対象になっています。介護老人保健施設というのは、医療法人が主に運営している施設で、特養と変わらない処遇が期待できますが、介護1から介護5で、範囲が広く取られています。看取りもあり得ます。看取りとは、施設でお亡くなりになる、という状態です。多くの入所者は家庭復帰などを目的としていますが、一生居てしまう方も最近では多いようです。もうひとつは、公共型で老人ホームと言えるかわかりませんが、介護療養型医療施設というのがあります。これは病院に併設されている場合が多いです。
100年、200年企業を実現するための 欧米流ファミリービジネスマネジメントのススメ [ 特集カテゴリー ] 欧米流ファミリービジネスマネジメントのススメ
先月はファミリービジネスがどのようなもので、業績面で優れていることなどを説明しました。また、ファミリービジネスの強みとして以下の3つをご紹介しました。
① 目先の利益にとらわれない長期的視野に立った経営活動の推進
② 創業者の代から受け継がれた共感が持てる経営理念(創業精神)の浸透
③ 所有と経営が一体化していることによる意思決定の速さと独立性
今月はファミリービジネスの危うさ(弱さ)と潜在的に抱えている課題について、説明したいと思います。
コーヒーブレイク ~幸せな人と組織を創る経営者コラム~ 中平 次郎 [ 特集カテゴリー ] コーヒーブレイク ~幸せな人と組織を創る経営者コラム~
前号で、リーダー次第によって、人は変わるものである。自分自身がリーダーシップを発揮できているかどうかというのは、自分とともに働くメンバーの姿を見た時に、そこに鏡として現れるというお話をさせていただきました。
「部下は怠惰で、やる気がなくて、無責任だと思っているリーダーは、そのような部下を手にしてしまうことになる。一方で、部下は責任感があって、貢献もよくあって、モチベーション高く、本当に堅実によく働いてくれていると思っているリーダーは、2、3裏切られるようなことはあるかもしれない。でも、そのような部下たちを手にできる」。ピーター.F.ドラッカーは、そのように述べています。
経済動向最前線 熊野 英生 [ 特集カテゴリー ] 経済動向最前線
中国向けの輸出を中心に景気減速感が強まっている。1月の景気動向指数は、その一致指数のところで3か月連続での前月比減少となる。この景気動向指数は基調判断が「足踏みを示している」から「下方への局面変化」に下方修正され、いよいよ景気後退リスクが強く意識される。先に政府は月例経済報告で景気拡大が戦後最長にこの1月になったと示したばかりだった。2つの判定が少し矛盾する内容になったが、より公式なものは月例経済報告となる。
地方創生にかかわる 中小企業の役割 野田 万起子 [ 特集カテゴリー ] 地方創生にかかわる中小企業の役割
地方創生を考える時、地域の課題は何かを洗い出します。課題が無い地域はなく、むしろ課題が山積しているのが現在の地域の状況でしょう。しかしながら、全ての課題を一気に解決することは困難なことで、10年後、20年後に、このまちはどういう姿になっているのかの「あるべき姿の設計図」を描き、そこに向かうための優先順位付けが必要となります。設計図を作る際のポイントは、地域経済の発展=地域の新しい産業をどうやって作っていくのか、ということにあるように思います。
アナウンサーが教える「心が伝わる話し方」 [ 特集カテゴリー ] アナウンサーが教える「心が伝わる話し方」
社長はたまごの中身
会社はたまごの殻
日本を代表するある企業の元CEOの方にお会いした際に、「日本の社長は、もっとスピーチを習うべき」という話になりました。
その頃、まだ日本でスピーチを習う社長は少なく、「人格があれば話し方はどうでもよい」という考え方が主流でした。日本でスピーチ教育は定着するのだろうか? と私自身、自問自答している時期でもありました。
そんな私の葛藤を話すと、こんな言葉をかけて下さいました。
「社長はたまごの中身、会社はたまごの殻」
社長は、会社があるから社長でいられる。社長は「○○社の社長」であって、個人の「●●さん」であってはいけないという事です。社長でいる限り、様々な「話す責任」があります。個人的な得手不得手よりも先に、話す勇気がない人に、リーダーが務まるはずはない。そんな思いを強くした出来事でした。
伝統を伝え、育て、革新する伝・Tokyo 若柳 尚雄里 [ 特集カテゴリー ] 伝統を伝え、育て、革新する伝・Tokyo
春爛漫の今日この頃、日々美しい桜を眺め、心華やかにお過ごしの事と存じます。
第七回尚雄里と日本舞踊~其の六~は、前回よりの江戸幕府と共に三百年余り続いた歴史を持つ江戸吉原の、太夫(遊女)の服装や化粧、髪型についてお話したいと思います。
そもそも長い年月を経た江戸吉原の遊女の衣裳は、時代による変化が大きいものでした。
元吉原から新吉原初期にかけての太夫は、最高位と言えども、現在の男帯程度の細帯を巻き、庶民と余り大差のない出で立ちでありました。その後元禄時代(一六八八年~一七〇四年)の頃になると、経済も成熟し遊女の帯も広くなり、享保(一七一六年~一七三六年)の頃より現在皆様のイメージされている、前で結ぶ前帯となりました。
メタボリック改造研究所 竹田 大介 [ 特集カテゴリー ] メタボリック改造研究所
1月号では筋肉をつけるためのタンパク質の摂り方について書きましたが、今回は健康的で若々しいダイエットを成功させるための「脂質」の摂り方について書いてみます。