風評妄信という病 シリーズ②  「現場が人を育てる」という落とし穴

経営者のための営業マネジメント塾 営業部をよくするには健康診断が必要! 藤本 篤志 [ 特集カテゴリー ]

風評妄信という病 シリーズ② 「現場が人を育てる」という落とし穴 [ 第4講(第3クール・第25回) ]

あぁ勘違い経験の積み上げの意味

 NHK「総合診療医ドクターG」という番組がある。2010年に第1シリーズがスタートし、今年が第8シリーズになる人気番組だ。番組内容を簡単に言えば、ベテランの医師が講師(指南)役で、新人の医師3人ほどが回答役に設定され、講師役が実際に関わった症例が再現ドラマとして映し出され、新人医師がその病名を特定していく、というプログラムだ。

 この番組の面白いところは、同じ再現ドラマを見ているのに、新人医師が推察する病名が、医師によって違うことだ。当たり前のことだが、実際には1つの病名しかなく、もちろんのこと講師役は、特定した病名に適応した処置をして再現ドラマのモデルになった実在の人物を助けている。

 

 番組は、講師役が回答をした新人医師たちにいろいろと質問を浴びせ、新人医師たちが判断したことがミスだったことに気づかせ、何度も再現ドラマを見直し、何度もそのようなやりとりをしていく過程で、新人医師たちの診断が統一してくるというストーリー展開となっている。

 

 1つの判断を導き出すために、いかに豊富な知識を駆使して慎重に行わなければならないか、という論理的思考法の「頭のなかの見える化」が人気の秘訣だと思われる。見ている我々素人も医師の卵になったかのように気がつけば必死に頭を使っているので、頭の体操にもなっているところも面白い仕掛けだ。

 

 さて、この話が営業という仕事とどのように関わるのか?

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