政界再編物語①
リクルート事件、消費税導入への反発で、竹下登首相が平成元年(1989)年4月に退陣した後も、政治不信は深まる一方だった。平成5年8月には細川護熙首相の8党連立内閣が誕生し、自民党はついに政権の座から転落する。権力闘争を生き抜いた政治家はしぶとい。自民党は社会党委員長の村山富市を首相に担ぎ、自社さ連立政権を誕生させる奇策に打って出たのである。平成がスタートした頃、政界は混迷の渦の中にあり、その中心にいたのは、金丸信と小沢一郎、二人の剛腕政治家だった。まずは〝政界のドン〟といわれた金丸の転落劇から話を始めることにしよう。平成の政界再編物語、これは序章である。