EU情勢最前線 中空 麻奈 [ 特集カテゴリー ]

釘を刺された五つ星 [ 第71回 ]

家の躯体に釘を使わない木造軸組の工法は日本古来の伝統的なもので、木材を組み合わせて建築物を作る。格式ある神社や仏閣の中には、釘をほとんど使っていないものもある、という。奇跡的な技術の高さは世界に誇られるべきものであるが、そんな日本の建築においても鎌倉時代には念のために釘を打つようになった。転じて、釘を刺すとは、あとで問題が起きないように予め調整すること、念を押すこと、の意味となっている。

 

 

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カタルーニャのゴネ得

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カタルーニャのゴネ得 [ 第70回 ]

「ギーギー鳴る車輪は油をさしてもらえる」とアメリカ人は考え、「泣く子はもちを1つ余計にもらえる」と韓国人も考える。

共有する社会常識の範囲で互いに立場を理解し、意思を尊重することを美徳としてきた日本人には印象の悪い「ゴネ得」だが、不平があれば常に口に出すことは世界中で受け入れられているかもしれない。

 

 

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メルケル首相四期目の始まりは荒波

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メルケル首相四期目の始まりは荒波 [ 第69回 ]

9月24日に行われたドイツ総選挙にて、現時点では暫定開票ながら、メルケル首相の勝利が確定した。

メルケル首相率いるキリスト教民主社会同盟(CDU/CSU)が32.7%。続き、社会民主党(SPD)が20.2%、ドイツのための選択肢(AfD)が13.4%、自由民主党(FDP)が10.5%、緑の党が9.4%、左翼党が8.9%(正式な最終結果が出た時点では数字が若干異なる可能性はある)といった結果。

大方の予想通り、メルケル首相は第一党の座を死守したものの、前回より得票率が9%も低い。連立政権に依存せざるを得ず、政策の違いをどう統一するかなど、今後の政権運営の難しさが早くも露呈。堂々の四期目だが、幕開けから荒波の予感だ。

 

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「ドイツのお母さん」の四選なるか?

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「ドイツのお母さん」の四選なるか? [ 第68回 ]

アンゲラ・ドロテア・メルケル。2000年からキリスト教民主同盟CDUの党首となり、2005年からドイツの首相を務める。既に3期12年。ドイツにおける初の女性党首、女性首相で、欧州全体の統括、世界のリーダーの顔も持つ。

米フォーブス誌には「世界で最もパワフルな女性」に毎年のように選ばれ、強い女帝の風格を持つ。一方、ドイツ国内では「ドイツのお母さん」、「倹約して賢く家計を切り盛りするムッティー(Mutti:お母さん)」として親しみを持たれる政治家として君臨する。

 

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放蕩息子

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放蕩息子 [ 第67回 ]

新約聖書の有名な話。二人の息子を持つ男が、ある日弟から財産分与を請求された。財産分与された弟は家を出て放蕩、散在して一文無しに。苦労を重ねた弟は、父に対して過ちを犯したことを深く反省し、父の元に舞い戻る。すると、これまでの行為を罰するでもなく、父は弟を抱きしめ、祝宴まで開いた。

これを妬み、非難したのは兄。しかし、寧ろ兄の行為は父親にたしなめられてしまう。どんな過ちでも悔いて反省すれば、すべての罪は赦されるという、有難い神の慈悲の物語である。

 

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不協和音

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不協和音 [ 第66回 ]

不協和音とは聴くものに不安定な感じを与える和音である。ここから派生して、音楽以外でも調和がとれていないことも不協和音という。EU条約という共通ルールを作っても、それぞれの国の懐事情も政治的枠組みも国民性も違うため、EUの足並みが揃わない事例が散見される。まるで不協和音が静かに鳴り響き始めた印象だ。

 

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ジレンマの角

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ジレンマの角 [ 第65回 ]

 尖った角の間を通るのを想像されたい。どちらの角を選んでも、同じくらい尖っているのであれば、どちらにしろ痛みを伴い、不愉快なことに違いあるまい。これを「ジレンマの角」と言い、二つの選択肢がどちらとも受け入れ難いことを指す。二方面からの要求をそれぞれ聞いていては身動きが取れないことはまさに「ジレンマの角」状態で、こうしたジレンマが継続すればいずれはそれが“窮地”になりかねない。今欧州でそうしたジレンマの角状態にあるのが、ECBドラギ総裁ではないだろうか。苦しい状態が続き、いずれは窮地に追い込まれてしまうのかどうか。正念場を迎えている。

 

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覆水盆に返らず、か?

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覆水盆に返らず、か? [ 第64回 ]

 太公望が周に仕官する前、仕事もせず本ばかり読んでいたため、離縁された。その後太公望が出世したため、元妻は復縁を申し出た。水の入った盆を持ってきた太公望は、その水を盆に戻せたら復縁すると答えたが、戻せる由もなし。転じて1度起きてしまったことは2度と元には戻らないことを言う。

 

 「これは歴史的瞬間で、後戻りすることはない」。2017年3月29日、メイ首相は欧州理事会のトゥスク大統領に書簡を送付、EU離脱に意向を正式に通告。リスボン条約第50条の発動によりプロセスを開始した。2年間の交渉期間を経て、19年3月末までに離脱を完了するスケジュールである。

 

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漁夫の利

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漁夫の利 [ 第63回 ]

 中国趙の国が燕の国を攻撃しようとしているときのこと。燕王が「ハマグリの肉を食べようとしたシギは、ハマグリに嘴(くちばし)を挟まれた。互いに譲らず睨(にら)み合っていたら、漁師がやってきて、苦労せずに両方とも捕えてしまった」と説くと、趙王は第三国の秦が得することを怖れて燕への攻撃をやめた。ここから、当事者同士が争うなか、第三者が利益をさらってしまうことを漁夫の利と言う。

 

フランス大統領選挙がにわかに金融市場に影響をもたらすようになっている。フランス国債が売られ、債券価格が落ち始めた。選挙前にポジションを中立に戻しておくのは投資家の一般的行動だが、それだけフランス大統領選挙の様子が混沌としてきたことの証左でもある。

 

 フランス大統領選挙は4月に第1回投票、5月に第2回投票が行われる。

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