平成事件簿 三沢 明彦 [ 特集カテゴリー ] 平成事件簿 オウム真理教秘話(上) [ 第4回 ] 2019年9月 その年の暮れ、私は迷っていた。打つべきか、打たざるべきか。なかなか決断できなかった。 平成6年(1994年)6月の松本サリン事件では8人の命が奪われ、半年経っても第一通報者が重要参考人とみられていた。当時私は警察庁キャップ。水面下では極秘捜査が進行していることを掴んでいた。長野県警の刑事がサリン原材料物質を追跡するうちに想定外の敵と遭遇したのだ。オウム真理教である。県警が太刀打ちで … 閲覧にはログインが必要です。→ ログイン.