原理原則6  イノベーションを志向せよ

100年、200年企業を実現するための 欧米流ファミリービジネスマネジメントのススメ 大井 大輔 [ 特集カテゴリー ]

原理原則6 イノベーションを志向せよ [ 第23回 ]

これまでファミリービジネスの永続性を実現するために、会社の存在意義である経営理念を示す必要性や、従業員が主体的に活動できる仕組みづくりの必要性などについて説明してきました。【原理原則6】イノベーションを志向せよ  【原理原則7】経営、所有(株式)、家族の観点から事業承継に備えよ については、ファミリービジネスがある段階(時期)になったら必要な取組みとして意識すればよいと思います。

 

 

ファミリービジネスがイノベーションを志向しなければならない理由

 

日本は老舗大国を言われています。創業100年を超える企業は、実に3万社(帝国データバンク(2019)によると、33259社)を超えています。さらに、創業200年以上となると、約4千社(後藤俊夫(2012)によると、3937社)となり、2位ドイツ1563社を大きく超えています。

このような長い社歴を持つ老舗企業は、創業時から同じような事業を展開しているかというと必ずしもそうではありません。先に「経営ビジョン」で説明した事業領域をしなやかに時代の変化に合わせています。そうしなければ、残念ながら競争に勝ち残る、つまり、企業として存続できないのです。例えば、トヨタ自動車の歴史を見てみますと、創業者・豊田佐吉氏が自動織機を発明し、トヨタ自動車の前身となる豊田子規織物株式会社を創業します。その息子・喜一郎氏がトヨタ自動車を創業した2代目です。その息子・章一郎氏はトヨタ自動車のものづくりの技術を活かして、住宅事業を立ち上げています。トヨタ自動車の豊田章男現社長は、章一郎氏の息子となりますが、従来の自動車のものづくりから、エコカー、IT分野や街づくりと大きく事業領域を広げてきました。このように各世代において、イノベーションを常に志向し、それを実現しているのです。

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~予期せざる顧客が現れたら、本命と思え~

コーヒーブレイク ~幸せな人と組織を創る経営者コラム~ 中平 次郎 [ 特集カテゴリー ]

~予期せざる顧客が現れたら、本命と思え~ [ 24 ]

ドラッカーのマネジメントの基本と原則に、顧客の分類があります。その1つに、新たな顧客とういう分類があり、ドラッカー氏は、それを「予期せざる顧客」と言い変えています。私たちが全く予期していなかった、期待もしていなかった顧客が、突然目の前に現れることがあり、新たな顧客の獲得につながることがあるので、機会のターゲットと言われることもあります。「予期せざる顧客が現れたら、本命と思え」と、ドラッカー氏は強調しており、大きな機会につながる可能性があるので、見極める必要があります。

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~自らの組織の存続を確実にし、打撃に耐えられるようにすること~

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「乱気流の時代にあっては、マネジメントにとって最大の責任は、自らの組織の存続を確実にすることである。組織の構造…

イノベーションで成功するには

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イノベーションで成功するには [ 特別回 ]

なぜイノベーションが大切なのか 

 

現代は乱気流の時代と言われています。それを言い換えるとすれば、世の中の変化が想像以上に早く、変化が激しい激動の時代とも言えるかもしれません。知識労働者が多いこの知識社会、情報化社会においては持っている知識がすぐに古くなってしまう傾向にあります。そしてその変化は常に起きており、これからもずっと続いていきます。

世の中の変化が激しい時に起きていることは、我が社の事業や、提供している商品・サービスがすぐに古くなってしまうことです。そうすると利益の上がらない事業や、成長が止まったり鈍化した事業、競争力を失った事業が出てきます。

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