「障害者総合支援法」改正の 施行を前にした就労支援の心構え       引地 達也
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「障害者総合支援法」改正の 施行を前にした就労支援の心構え 引地 達也

ジャーナリスティックなやさしい未来

 2022年12月に国会で可決した「障害者総合支援法」改正案が2024年度から施行される。「障害者総合支援法改正法施行後3年の見直しについて(議論の整理)」としてまとめられた改正案は「障がい者の地域生活」「社会的ニーズへの細かな対応」「質の高い障がい福祉サービス」の3つの柱からなる。多様な就労ニーズへの支援と障がい者雇用の質の向上を目的とした改正は、自分の就労支援に関する動き方を再考しなければならない。

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「管理」の名のもとに議論される 入管法と難民の悲劇        引地 達也
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「管理」の名のもとに議論される 入管法と難民の悲劇 引地 達也

ジャーナリスティックなやさしい未来

 外国人の収容や送還のルールを定める入管難民法の改正案が成立した。大きな改正点は「難民認定申請が3回目以降で強制送還を可能にした」「ウクライナなど紛争地から逃れてきた人にも難民に準じた在留資格を与える

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障がい者雇用でのパワハラ裁判 から考える「合理的配慮とは何か」        引地 達也
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障がい者雇用でのパワハラ裁判 から考える「合理的配慮とは何か」 引地 達也

ジャーナリスティックなやさしい未来

 高次脳機能障がいと強迫性障がいがある岐阜県大垣市の女性が、障がい者雇用として働いていた特例子会社である名古屋市のウェブ制作会社からパワハラを受けたとして、会社側を「合理的配慮義務」違反として損害賠償を求めた裁判は3月、名古屋高裁において全面的に原告の主張を受け入れた和解内容で双方が合意し、成立した。

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社会福祉士に「社会」を見る目、 仕事を楽しくする取組         引地 達也
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社会福祉士に「社会」を見る目、 仕事を楽しくする取組 引地 達也

ジャーナリスティックなやさしい未来

 今年度から埼玉福祉保育医療製菓調理専門学校(さいたま市大宮区)の社会福祉士養成講座で「社会理論と社会システム」を講義している。社会福祉士の国家試験の合格を目標に、実務経験や4年制大学の卒業等が入学資格となっているため、学生は明確に福祉分野で働くためのスキルアップのためにその門を叩いている。

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SDDGsの取組みに 「誰ひとり取り残さない」ための方策         引地 達也
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SDDGsの取組みに 「誰ひとり取り残さない」ための方策 引地 達也

ジャーナリスティックなやさしい未来

 国連サミット加盟国の全会一致で採択されたSDGs(持続可能な開発目標)の17項目は目標達成の期日である2030年まで残り7年となった。この目標には「誰ひとり取り残さない」とのキャッチフレーズが掲げられ、目標の中では「障がい者」を対象とした記述も少なくない。17の目標については小中学校で学ぶ機会は増えているようだが、社会での学びは十分とは言えない。

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法定雇用率アップで 企業に向けた新しい踊り場を考える         引地 達也
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法定雇用率アップで 企業に向けた新しい踊り場を考える 引地 達也

ジャーナリスティックなやさしい未来

 先般、政府が障がい者の法定雇用率を二段階に分けて上げることを決めたことで、関係する企業や支援機関等、障がい者雇用の周辺では何かザワザワした雰囲気になっている印象がある。法定雇用率が2.7%になるということは38人以上を雇用している企業にその雇用義務が発生することになるから、「そろそろ対応しなくてはいけない」との不安の声を該当する企業の幾人から聞いた。

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重度障がい者からの「勇気ありますか?」の問いかけ  引地 達也
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重度障がい者からの「勇気ありますか?」の問いかけ  引地 達也

ジャーナリスティックなやさしい未来

 埼玉県郊外の静かな住宅街で私はその学生に初めて対面した。オンラインでは何人かの参加者の一人として画面越しでの関係性は始まっていたが、直接会うのは心が躍る。その感動にひたりながら、私は言葉と表情でその心の高鳴りを伝え、彼は自宅のベッドの上で管をつながれたからだの目のまばたきと、微動する指で母親の手のひらに「言葉」を伝え、母親が言葉にして私に伝えた。

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「障がい者の学びと Jリーグという掛け合わせ」  引地 達也
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「障がい者の学びと Jリーグという掛け合わせ」  引地 達也

ジャーナリスティックなやさしい未来

 新型コロナウイルスの影響により集合型で行えなかった全国専攻科(特別ニーズ教育)研究集会が今月、大阪で行われた。支援が必要な人への学びを提供している全国の専攻科や福祉サービス事業者、その関係者や研究者、当事者の集まりで、当日は170名程の参加者が久しぶりの開催を楽しんだ。会場はJリーグのセレッソ大阪の本拠地、ヨドコウ桜スタジアム(大阪市)で、フィールド横の人口芝生の広場と観客席をメーン会場とし、セレッソ大阪のスタッフとともに施設の見学も組み合わさり、教員や関係者、保護者、当事者が一緒に楽しめ、学べる時間となった。

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「真剣にやれば悩む」 障がい者雇用だから、助け合う  引地 達也
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「真剣にやれば悩む」 障がい者雇用だから、助け合う  引地 達也

 ウイズコロナの認識が広まり、久々に障がい者雇用に関する勉強会と題して、企業や支援施設の方などが少人数で集まり、現状と課題について話し合った。
 障がい者雇用の認知度は上がってきているが、障がい者とともに働く現場とそれ以外、支援の現場とそれ以外での障がい者に対する感性の違いはまだまだ大きな開きがある。

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[障がい者の権利を侵す社会に 出された勧告を受け止める」 引地 達也
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[障がい者の権利を侵す社会に 出された勧告を受け止める」 引地 達也

障害者権利条約に関する日本の取組みに対し国連障害者権利委員会は9月、2014年の条約締結後初めて日本政府への勧告(総括所見)を出した。懸念が93項目、勧告は92項目あり、特に18歳までの障がい児者を分離して教育する「特別支援教育」の中止の要請と精神科病院の「強制入院」を可能にしている法令の廃止の2点の勧告が注目された。
 日本政府及び社会が「必要」としているこれら2つの存在は、国際基準とのズレを浮き彫りにした格好である。

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「サントリーと「社会教育施設」を インクルーシブな場とするために」 引地達也
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「サントリーと「社会教育施設」を インクルーシブな場とするために」 引地達也

 みんなの大学校が2022年度の文部科学省「地域連携による障害者の生涯学習機会の拡大促進」事業による委託研究の1つに「地域と指定管理業者による障害者の生涯学習の場づくりの研究事業」がある。これは全国各地域にあるイベントホールや美術館、博物館、公民等のいわゆる「社会教育施設」を、障害のある人にとっても「障害」なく訪問し、学び、活動できる場にするための研究と実践、広報を行っていく内容である。

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「江戸川区の調査から浮かび上がる わが町の引きこもり 」 引地 達也
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「江戸川区の調査から浮かび上がる わが町の引きこもり 」 引地 達也

 東京都江戸川区が2021年度に区民を対象にした大規模な引きこもり調査を実施し、その結果が公表された。人口約70万人の約35万世帯のうち18万世帯を調査し、7,919人(7,604世帯)のひきこもり当事者がいるとの結果だった。

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「新法はコミュニケーション格差解消の第一歩」 引地 達也
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「新法はコミュニケーション格差解消の第一歩」 引地 達也

 

この度、障がい者の「情報格差」解消を目指す新法「障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法」が衆院本会議で全会一致により可決され、成立した。障がい者が日常生活や災害時に必要な情報を「健常者」と同じように得られるようにコミュニケーション環境の支援することに主眼を置いたもので、今後の運用に向けて政府に法整備や財政面で必要な措置を講じるよう義務付けている。

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「大学での知的障がい者の学びはつながってこそ価値が出る」引地達也(2022.5月)

知的障がいのある人が特別支援学校を卒業した後にも学べる環境を整備するために、少しずつではあるが全国の大学での取組みが広がっている。文部科学省の障害者学習支援推進室が外部機関に委託した調査によると、生涯学習講座を設置している大学の125件からの回答のうち75%が現在、「知的障がい者を対象としたオープンカレッジ・公開講座等」を実施し、25%が講座を「過去実施していた」という。

このうち受講生の評価を行っていないのが82・5%、それぞれの大学が「連携している大学はない」のが77・5%であるから、各大学が「独自に」「評価を行わない」形での障がい者の学びを行っている輪郭が示された。4分の1が実施しながらも「やめた」ことも気になり、共生社会に向けてインクルーシブな教育を社会が実現しようとする中で、大学による知的障がい者の学びが継続する未来は少し心細い。

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「お金をどう使うか、で問われる人生の真価」(引地達也)
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「お金をどう使うか、で問われる人生の真価」(引地達也)

 最近、お金について、意識しなければいけない機会が多い。私ではなく支援する人、他人の話として、である。引きこもりで悩みながらも、海外の株式運用で日本にいる平均年収の何十倍も稼ぐ人、これまでの蓄財をどうしたらよいか悩む人など。持っている人の使い道はその人の自由である分、その自由の中で何に使うのかは人格が問われるから結構難しい。

ただ「人格を問われる」ことに意識が行かない人には、何に使おうが自分の勝手なのだから、とても気楽かもしれない。ただ、その場合によくあるのは「持っていること」に慣れると持たない不安も出てくるらしく、妙にケチな体質になることも目にしてきた。この「お金との付き合い方」は、当事者がよく支援者の「付き合い方」を見ていると感心することがある。持ち物や家、実家の経済状態など、断片的な情報からその人の経済感覚や実際の「お金回り」を想像しているようで、これが微妙に関係性にも影響を与えることもある。

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「リモートワークで進歩するコミュニケーションの中で」(引地達也)

新型コロナウイルスの対策としてリモート業務が推奨される中にあって、その仕組みも「進歩」「発展」の中で新しいコミュニケーションの形がどんどんと社会に広がっている。それが社会の発展なのか、コミュニケーション行為の進展か、私たちの幸せにそれらが本当につながっているのか、ということを考えると、立ち止まって考える必要性を感じている。

それは私自身、支援活動をする中で、コロナ禍の影響で外に出られない人、特に感染リスクの高い重度障がい者にとっては、安全な場所にいることがなおさらに求められるから、その場所で支援を受けることを前提にして、社会や周囲とコミュニケーションを維持しながら、社会に接していく必要がある。本当に豊かなコミュニケーションに向けて緊急事態の中で冷静に「進歩」「発展」とどのように付き合っていくかが課題である。

 最近の経済トレンドを伝えるニュースでは、リモートワークに関する開発が次から次へと紹介されている印象がある。それぞれが在宅で仕事をしながらもアバターを使ってあたかも同じ空間にいるような感覚でコミュニケーションができる仕組みや、リモートの会議の会話のやり取りを見える化し、誰が誰にどのくらいの割合で反応しているかなど。

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逮捕された利用者と触法障害者向け支援(引地達也)

支援をしていた障害のある男性が逮捕された。昼間のテレビニュースの映像ではそのなじみのある顔はその格好から手錠をされている様子で、警察に連行される不安な表情は「詐欺容疑の男逮捕」の見出しが付けられると、たちまち罪人のようにも見えてくる。

しかし、彼は私にとっては支援が必要な施設の利用者であり、気の優しい施設の仲間だった。逮捕容疑はお年寄りに多額の現金を送るよう迫った詐欺とのことだが、彼の性格からはにわかに信じられない。被害者も気の毒ではあるが、彼もまた障害によって判断が他者と比べ、正確にできなかったことが今後の公判で明らかになっていくだろうか。

 日本の刑務所の約2割はIQ69以下の知的障害者であるとの統計がある。さらにほかの障害がある人と受刑者の高齢化により刑務所にいる方々の福祉的支援が必要な人の割合が多いという。

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「頑張ったからこそ、頑張らない支援を」 (引地達也)

2011年3月11日の東日本大震災から10年の日本は、区切りに何かを刻もうと躍起になるメディアに観る側もそれにつられたり、反発したり、であるが、この大きな出来事は日本で生きる人の数程ストーリーがある。それを思えば、ここに些細な私という自分のストーリーを書くのにはためらいがある。それでも、それらバラバラのストーリーはそれぞれの人生のかけがえのないドラマだと尊重した上で、この社会に生きる上で共有していくものがあるのではないかという思いはある。

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