朝鮮半島の非核化は遠い 対馬まで下がる米中の対立

「米朝和解で、想定される今後の東アジア情勢」 ―日本がいま、成すべきこと [ 特集カテゴリー ]

朝鮮半島の非核化は遠い 対馬まで下がる米中の対立 [ 国家戦略研究所(INS)所長 織田 邦男 ]

消えた「不可逆的」
「武装解除」に抵抗

 

米朝首脳会談で共同声明が発信されましたが、案の定、半年が経ちますが非核化は全く進んでいません。重要な点は北朝鮮の安全の保証と朝鮮半島の非核化です。声明では「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化」(CVID)は盛り込まれませんでしたが、CVIDも微妙に変化しています。会談前はポンペオ国務長官が「永久的検証可能で、不可逆的な」(PVID)と言いましたが、今は「最終的かつ完全に検証された非核化」(FFVD)。「irreversible」(不可逆)がありません。1万人に及ぶ北朝鮮の核技術者の海外移住をポンペオは言いますが、ありえません。核が出来ればノウハウは人間の頭の中にありますから、データを破棄したところで「不可逆」に出来ないことに気がついてきました。

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