■目の前の経営の舵取りに追われ万が一への準備に手が回らない
もし中小企業の社長が突然倒れたら、その会社はたちまち難しい局面に立たされるだろう、と誰もが考える。それほど中小企業の社長は会社にとって〝圧倒的な存在〟である。
これを、人・モノ・金の側面で考えてみよう。「人」の部分においては、中小企業の社長はまさにエースの人財である。本当の意味での「大黒柱」といえる。「金」の面では資金調達などで、まだまだ社長の個人保証に頼るところが大きい。「モノ」に関しても、商品開発や販路開拓など、社長の手腕や情熱が会社を牽引していることが多い。社長の存在と力に社員も役員も依存する、「社長絶対依存型経営」で動いている中小企業が多いのである。