社会変化について大きく4点ご紹介していきたいと思います。この社会の変化がものすごく会社やチームの運営並びにマネージメントに影響を与えております。
問題とは
基本的に「目標・理想・在るべき姿」があるから問題点が発生します。
目標・理想・在るべき姿に対して、現状の状態が(よくない状態、悪い状態、もっとよくできると思う状態、迷惑をかけている状態)ならば、そこにギャップ=問題が出ます。つまり、○○がない、○○ができない、○○が不足、○○が不備、○○が不徹底、○○が不適、○○が未達成と言われる場合です。
業績を上げるためにチームを動かしていく仕組みがマネージメント
マネージメントとは、業績を上げるためにチームを動かしていく仕組みであります。そのために、チームに必要なルール・制度やシステムを導入することによって、組織集団の動きをコントロールしていく機能です。機能というのは、①ある物が本来備えている働き、②全体を構成する個々の部分が果たしている固有の役割と解釈されています。
既存衰退病への対応が必然
国内市場は確実に縮小しています。高齢化、人口減少と低価格志向は止められません。
日本のすべての会社が既存商品を既存のお客様に提供するだけでは、確実に売上高、粗利益率は減少しています。売上高・粗利益率は低下するので、自社の力にあったやり方での攻めの経営戦略が絶対条件となってきます。
同じ判断がチーム力のバロメーター
強い会社に共通するものとして、価値判断基準の共有化が挙げられます。
価値判断基準とは、企業理念を基に判断していく基準と考えればよいでしょう。社長が何かを判断する時はトップとしての価値判断基準に基づいています。社長と同じような判断ができるチームリーダーの存在が、会社の強さのバロメーターになります。
最初から強い組織はない
組織は鍛えないと強くならないのが鉄則です。
組織強化の原則には7つの要素があります。
1番目は目的・目標の共有化、
2番目は具体的計画の立案と周知徹底、
3番目は役割分担、
4番目は実践、
5番目は出来栄えの確認(全体と個別)、
6番目は軌道修正、
7番目が学習能力・学習効果の発揮です。
組織強化の原則7要素を構築・実践することで組織の学習能力が高まるのです。
学習能力が高まると意欲が出て、業績の達成度合いは高くなります。勉強ができると子供は勉強が好きになり、どんどん成績が上がることと同じです。素材で勝てなければ、素材を磨く環境で勝つ風土を創ることが勝てる集団を創造していくのです。
業績の検討とは商材を創り上げる作業
業績の検討とは先のことを見据え、月ごとの目標に対し、不足金額を「商材として創り上げる作業」です。そのために自部門のやるべきこと、社員一人ひとりのやるべきことを明確にしないと業績づくりはできません。それをシステム化し、定着させることがポイントになってきます。
戦う準備の躾づくりとは
中小企業の業績が上がりにくい根本原因は、中小企業自体が抱える問題の特性が大いに関係しています。
基礎的な個人資質や働く環境整備が大企業・中堅企業と比べ、見劣りする中小企業はどうしても当り前レベルの底上げが必要となります。無理に、当り前レベルの底上げを軽視して、「やれ戦略展開だ」と叫んでもうまくいきません。
仕事の意味付け
最近、お会いする経営者の方が問題視されているテーマに考える社員の育成があります。
よく、考える社員の増加が会社の未来を決めると話をしますが、仕事において物事を自分で考えるようにするためには、問題意識を持たせることです。
考える社員の増加が求められている
社会の構造が変われば、経済情勢・顧客動向・業種特性に変化が生まれ、生きていくために会社は変わらざるを得ません。それと共に経営者にも変化が求められます。
しかし会社が変わるには、働いている幹部・社員も変化しなければなりません。これができないと環境変化に追いつけない社員が増加します。 現在は小手先の改善で乗り越えられるレベルではなく、構造を変える戦略の時代です。社会の構造変化が考える社員の増加を求めています。
家訓なくとも家族はまとまるが、理念なき会社はまとまりにくい
一般的な組織(趣味の世界、学校等)の特徴は、基本的な価値観の似ている人が集まるのでまとまりやすいことです。
しかし、中小企業という組織は例外で、育った環境が違う、年代が違う、何が好きか嫌いかという価値観の違う人たちが偶然に同地域に住んで、通勤距離が短い等の物理的理由で一つの会社に集まり、組織をつくります。これが多くの中小企業です。
価値観の違う人たちが集まって組織をつくるわけですから、放りっぱなしの状態ならば確実に崩壊します。そもそもチームとは、仕事に必要な数人が集まったから「チーム」になるわけではなく、大前提として、メンバー全員がチームの一員である当事者意識を持ったうえで、チームの共通の目的、達成する目標、それに向かうためのプロセスを共有する集合体なのです。
標準化ができない会社はムダばかり
中小企業は日常業務の標準化、体系化が苦手です。標準化とは、ある業務に関する一定レベルの知識・技術の習得を誰もが可能にすることです。
だから、標準化ができていない会社に退職者が出ようものなら大変。一からやり直しになってしまいます。やり直しのレベルで済めばまだよいけれど、どんな仕事の進め方をしていたかを誰もつかんでいないためにマイナスからのスタートになり、新人は大変な会社に来たものだと3カ月ぐらいしたら辞めてしまうのです。
5つのポイント
チーム運営の重要なポイントにリーダーとメンバーのコミュニケーションがあります。そもそも職場におけるコミュニケーションの目的には以下の点があります。
①目標・方針の共有(お互いのベクトルを合わせるために必要)、②チームにおける共通問題の把握と解決への問題意識の刷り合わせ、③チームの知識・経験を共有化し、チーム力を高めるノウハウの共有、④メンバーの役割確認、⑤チームの目標達成度・プロセス確認をすること、です。
つまり、チームにおけるコミュニケーションは、共有化した職場の目的・目標を達成するために不可欠な信頼の絆です。
■大飛躍の背景
現在の強い日本水泳界のターニングポイントになったのが、2004年アテネオリンピックの日本選手の大活躍です。アテネオリンピックで8つのメダルを獲得した競泳日本チームは、その大躍進の原因が「指導者層の若返りと指導方法の変化にあり」と世界中から絶賛されました。
■社長、こんな気持ちありませんか?
〇社長が現場から離れても業績の上がる経営をしたい
〇社長が指示しなくても社員が自分で考えて成果を出せる会社を作っていきたい
〇個人商店ではなく組織で仕事ができる会社を作りたい
〇社長が現場の仕事から離れて3年後の会社を作る仕事をしたい・・・・・
とはいえ、社長が現場から抜け出すことはなかなかできないですよね? なぜ、社長が現場から抜け出せないのか?
基準、ルールづくりは、まず「基本動作」を徹底させること、そしてそれができたら誰がやっても同じ結果が出るような「標準化」を実施することです。
「基本動作」とは、ビジネスの世界ではよく聞く言葉です。しかし、その意味合いをよく理解している人・会社は多くありません。会社の仕事の80%は、規則性のある仕事の繰り返しだと言われています。この規則性のある仕事を円滑に進めるのが基本動作です。
基本動作は、やる気、実行力・継続力があれば、誰でも・いつでも、どこでも業績を上げることができるものです。しかも費用はかかりません。反面、意識の継続・体得がなければすぐにやらなくなるのもまた、事実です。そしてその乱れが引き金となり、業績が下降していきます。
代表的な基本動作を説明致します。
中堅・中小企業のプレイングマネージャーの仕事術メソッド [ 特集カテゴリー ] ◆先見経済◆, 中堅・中小企業のプレイングマネージャーの仕事術メソッド
■チームは全員で動かす
中小企業のリーダーはマネジメントの初心者からチャレンジしていきます。経営者に「○○君、君も主任だ。明日からリーダーシップ・マネジメントを発揮しなさい」と一方的宣言をされます。しかし、マネジメント方法を知らないから、プレイヤーの延長線上の考え方で、もがきながら実践しています。しかも、チームを動かすことに関してチームメンバーはリーダーに依存して、無関心状態。
プレイングマネジメント体制のお手本は小学校のクラス運営です。学級委員長がいて、副委員長が中心となり、黒板消し係、給食当番、保健委員、飼育係、放送委員等がいてクラス全員が役割を担って、全員でクラスを動かしていく姿がプレイングマネジメントスタイルの理想の姿です。
■中堅社員に求めるもの
中堅社員の立場は、サブリーダーになる一歩手前。したがって、現場において後輩の指導をする立場であり、自分のノルマを片づけながら、こうした仕事もする必要性があります。そのために仕事内容として、実務能力は指導できるレベル、現場を動かす能力を身に付け、指導される側からの脱皮が求められます。
また、中堅社員に必要な知識・技能(基本からレベルアップ)は、社会に通用する基本・常識の励行、ルールを守る、報告・連絡するなど状況に合わせて率先垂範する能力、計画・準備・問題処理など担当業務を遂行する能力をベースに現場業務全体をコントロールする能力が求められます。
■意識を変えさせる上司の接し方
考え方を変えさせるためには、意識を変えさせることがポイントになり、この意識を変えさせるのは、上司の接し方や職場の環境が重要となります。中堅社員自らが意識を変えることは、大病を患う・人生の大きな転機に遭遇する等の外部要因がないと殆どないと感じます。意識を変えさせる上司の接し方や職場環境のポイントですが、以下の5点を参考にしてください。
■動かし方のスタイル
リーダーのリーデイングスタイルとは、人・チームの動かし方のスタイルです。リーダーのメンバーに対する接し方は、相手や状況、チームの成熟度によって変えることが必要となります。
多くのリーダーは、誰に対しても同じように接することがベターと考えていることが多いですが、これは大きな間違いです。メンバーを公平に扱うことと同じように接することは違います。指示待ちのメンバーには、具体的に指示を出すことが必要だし、一匹狼のメンバーには力で押えようとすると反発するだけです。
手のかかる人・かからない人、経験のある人・ない人等で必然的に接し方は変わりますし、同じ人でも緊急時には独裁型の指示命令が求められるように、状況によって対応の仕方は変わります。