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おかげさまの活躍ぶりはエバースマイルの人生を創る(澤田良雄)

髭講師の研修日誌(117)

おかげさまの活躍ぶりはエバースマイルの人生を創る

澤田良雄((株)HOPE代表取締役) 

◆ベテラン社員だからこそのエバースマイルの活躍

まず、先日出講したN製鉄(株)K製鉄所、エバースマイル研修の研修現場に着目してみます。2日間(筆者2日目担当)の研修の最終講はグループワークによる「将来語れる活躍の足跡づくり」を分科会形式でまとめ上げられた提起内容の発表による学習法です。

受講者は、入社後、38年間造る現場の第一線(役職も含め)で長年培ってきた実績と人望で存在感の高い社員です。従って、さらにこの強さを高めていく事は勿論ですが、人生100年時代に対応して生涯現役(居場所ある活躍)を笑顔で楽しむ道筋を心する研修です。それには、現状の活躍は事前レポートで確認し、今後へ向けての諸処の学びを重ねての集大成へと研修をすすめました。

ここでは,4分科会の発表内容を一部紹介し、役職定年時からどうする,経験値、経験智の豊富なベテラン層社員だからこそどう笑顔を得る活躍を楽しむかそのヒントの一助になれば幸いです。 まず、現場力貢献の誇りを持続、さらに向上していくことに向けては、

1)自分たちのキャリアを今後の活躍にどう生かし、貢献していくか

①培ったノウハウを存分に生かし,さらなる造る強さ(安全・品質・効率)づくりに取り組む

②縦、横,斜めの繋がりを綿密にし、スムーズに組織活動ができるよう取り組む

③若手とのコミュニケーションを自ら仕掛け、より風通しの良い職場環境を創る

④フオロワーシップを活用し、職場内のサポート役を成す

⑤大きな声がけで、KY感覚を助長し,安全に最大の働きを施す

⑥若手から言動を観られている現実、良き影響を与える活躍ぶりを示す

などが提起されここまでの貢献に悔い無き確認をし、今後は立ち位置を認識しつつ、より造る強さと、人間力の施しの有り様を示されました。

次には、後輩役職者への支援、指導の活躍に対してです。

2)若手上司(直属でなくても)への支援をどう実践するか

①若手管理職が不在の時には、その代行を担い、係内のまとめをする

②質問には、こちらの都合を後回しにしてでも応答し、理解、納得を産む

③自身が成してきた班長業務をマニュアル化し、新任班長へ繋ぐ

④仕事上での意見の食い違い時には,若手上司の意見をまず確認し、対話を生かしてより良い考えを創り上げる

⑤業務課題の解決、目標達成に注力し、その取り組みや諸活動には、自らのキャリアを提供し、係の責任が果たせるよう推進支援する

⑥上司の部長報告に際しては,資料をわかりやすく整理し,上司負担を可能な限り減少していくよう支援する

⑦上司と若手の橋渡し役として,風通しの良い職場づくりに協力する

・・と後輩役職者の円滑な業務遂行に気配りし、現実を読み取り、先手で支援する活躍ぶりを提起されました。そして,誇りある我が国の製造力、その牽引企業としての「鉄は国家なり」の技術、技能の継承にはどう取り組むかに対しては、

3)後輩への技能伝承をどう実践する

①相手の性格、年齢、キャリア、理解レベル、体力(女性)に相応した指導をする

②自らルールを守り、ルールができた経緯、理由を説明し理解させる

③作業手順書を基に机上で説明指導し、操業余力時間を活用しての現場で、実際の手順の確認、ポイント訓練と最適に組み合わせる

④指導目的に準じた同じような設備を作成して演練の実施、又、動画作成による作業手順の指導で、理解力を高め,体得するよう尽力する

⑤人間性の向上に着目、挨拶、報連相の適宜実践を指導、勿論自らの言動に心する

⑥検定、資格試験への働きかけと,その取得への支援、指導

⑦自ら考えを創れる様に、まず、問いかけて意見の引き出し(コーチング的)その考えにもとづく対話をする

・・などが提起されました。「技能継承は,自らの技能を後輩の体に移し、生き続ける事なり」従って、どうより進化されていくかが楽しみとなる元なりと価値づけての実践です。4つめの分科会は、現状の活躍ぶりを更にどう進化させていくか、それは,「生涯稼げる能力づくり」と位置づけてのテーマです。

4)将来に向けての能力(専門力・特技・健康)どう向上させるか

①新設、改造設備の対応力を迅速にものにする(構造方法・説明書解読・・・)

②業務の遂行能力の向上、それには各種資料・トラブル時データーの作成による理論の学びを付加する

③検定作業の資材購入品が多種多様だからこそ、カタログ・ネット等での知識のアップデートの実践

④外部・協力企業の担当者と良好なる関係づくりで、スムーズな作業の推進、この体験を重ねて知識などの幅を広げる。要は,仕事遂行→多様な人とのコミュニケーション→良好なる人脈→知識の向上→専門力の向上

⑤国家資格の取得に挑戦

など、専門力分野で他の人よりも卓越した強みを持っている誇りにも現状維持でなくハイテク化には、IT技術者、専門家と親しくなる機会を積極的に持ち、教えを請う謙虚さが伺えます。そして、キャリアプランを改めて考え,モノにしていく事が、生涯現役で活躍する稼げる条件作りです。

なぜなら,エバースマイルの条件には、健康、経済、決め手の3Kが不可欠です。その最基盤は、決め手による稼げる力です。それはお役に立てる機会での施しにより対価を得て、その経済性により、諸活動の楽しみを実現し、きょういく(お役だての場)きょうよう(お役だての用事)の充実した日日を過ごせるからです。だからこそ心身健康の健やかさが保障されるのです。

◆「おかげさまで」と言葉を得る笑顔

発表に対しては、研修部門の助言者から、「後輩社員に寄り添い、職場環境・現場力をより向上させていきましょう」とエールが贈られました。今後4つの提起事項を実践することは,関わる人から必ず「おかげさまでとの感謝が寄せられます。例えば、あのとき教えて頂きましたのでここまで技術力が高まりました」「どうするかと迷ったときに「こうすると良い」とアドバイス頂いことが、自信を得て役職を果たせるきっかけとなりました」「難解な課題解決に協力頂き、さすがの建設的意見を頂き答申できました」などがあります。正に笑顔で受け止める瞬間です。

確認してみましょう。「このおかげさま」の施しには、次の貢献していく7つの楽しみがあります。

①経験値を生かした現状の最高を打破し、新たな最高技能を創り上げる改革。

②組織での難解なる案件の解決に熟練者の持つ事実データー発想を生かした貢献

③後輩役職者への補佐・支援〈自部署のみでなく、関連スタッフも含め)

④後継者〈若手社員)への技能継承の育成・支援

⑤職場の活性化、風土改善にオーラのある言動で牽引する

⑥ハイテク〈技術)の基は暗黙知をより高める事にある。それは、新たな凄さは、凄さを持った人の進化による実現する

従って、「いてくれるからありがたい」「おかげさまで」と感謝される活躍を楽しみ、関わる人への現実に寄り添えるお役だてができるのです。

  • そこには、志事観(志をもった取り組み)での取り組む笑顔があります。それは、常に生き活きと、明るく物事を捉えていく笑顔の心を持った建設的な考えを持っての活躍ぶりがあります。そして、
  • 仕事ができる,人を生かせる,人を育てる、こんな心豊かな人格と逞しさを持ちうる人間力の素晴らしさが,「教えていただきたい」「力添え頂きたい」と寄ってきていただくお役だての機会を創れるのです。敢えて表現しますと、
  • 人間味があります。具体的には,温かみ、感謝、気概、遊び心、倫理観等です。言い換えれば、その人の生き方、考え方、人生に対する姿勢(人生観、職業観、倫理観)が滲み出るものであり、それは、理論、理屈、スキルやテクニックを包含しつつ、それを惜しみなくお役だてする純粋さです。

今日までの発展に貢献し,今後の進展に新たな貢献ができる。こんな意義ある事はありません。ベテランパワーの持つ,一流・一番・そしてオンリーワンの凄さを生かした、この貢献の事実の足跡を残すことは、生涯に渡って笑顔で語り、且つ笑顔で語って頂く財産なのです。

◆自分の笑顔が相手の笑顔をつくる。

実は、当研修での受講者に限らず、各自の活躍でも共通します。

先般、筆者が40余年関わって来たトップ・幹部の人間力を学ぶ倫理法人会の地元単会(会員110社)が40周年迎え,その式典が執り行われました。その会場の参加者席の名立てカードを開くと「笑顔を重ねてありがとう」と岡本会長(幼稚園理事長)直筆の言葉が描かれていました。

その意は,ここまでの歴史づくりへの感謝と,今後も明るく,前向きに、楽しく学び合い活動していきましょうとのメッセージです。それは、当会のモットーは「明るくたのしく学び合う」に基づいており、毎週の5時半からの朝礼での挨拶実習等でも整然と且つ笑顔で磨き合います。従って、日常の活躍での心得を「自ら笑顔で,上が暗くては,社員の心も・・」と宣言して,笑顔を自然に醸す自己改革に取り組む経営者もいます。

最近の話題で、「御社の雰囲気は明るい,社員が生き生きしています,ですから業績もいいんですね。おめでとうございます」と祝福されたのは、今春の春の叙勲受章のO社の岡本社長です。筆者も長年人材育成に関わってきましたが、倫理経営を推進し社員の活力は素晴らしい。地域関係各所からの声も「御社に行くと笑顔がいいですね。子供が御社見学し帰宅した折、開口一番楽しかったと言っていました」とのお礼が届くのです。

やはり、笑顔パワーは、企業ブランドを高め、業績の確保も確実にしていきます。

確認してみましょう。笑顔は一方的でなく、自分のお役だての喜びが相手の喜びをつくる。相手の喜びが自分の喜びを創る、喜びづくりは鏡の原則です。従って、「自分の笑顔が関わる人の笑顔をつくる」のです。その源は微笑みの心です。単に笑顔を作るのではなく、それは、自然に醸し出す微笑みです。

微笑みの心境は、太陽に向かって両手を大きく広げて語りかけるその様です。例えば、「おはようございます。今日も楽しく多くの方のお役だてをして参ります。どうぞ、お力添えをお願いしますと」とニコッと誓う微笑み掛けです。ですから、微笑みはゆとりの心が持てることです。それにはポジティブ思考、楽観主義がいいのです。だからこそ、

 ○笑顔は安心感、信頼感を与え、相手との心の距離感を縮める

 ○笑顔の魅力に人が寄ってきて、諸々の情報が頂ける

 ○笑顔は相手に伝染し、その場の雰囲気を明るくする

 ○笑顔は気持ちが活性化され意欲が沸き上がる          
のです。

◆日常の醸し出す笑顔のあれこれ

さて、日常の交わし合う笑顔を確認してみますと、次の8つの笑顔があります。

①仲間・夫婦愛の笑顔=軽く頭が下がる感謝、信頼の笑顔 

②自信持たせてくれた笑顔=例えば、仕事でうまくいった実感、それは、仲間の評価を得た安心した笑顔

③心を決める笑顔=実践の踏み出しの躊躇の心にストーンと「よし、やってみる」と、光を見出した笑顔 

④認められる笑顔=ほめの一言への笑顔は満面の笑顔

⑤新たな楽しみを見出す笑顔=新たな事の気づきや、教えて頂いた事に興味を持った試してみようするこの心意気の笑顔

⑥良きパートナーとの笑顔=気が合う仲間、互いに協力のし合い、弱みのカバーし合い・・会えば、ほっとしあう笑顔

⑦あうんの笑顔=目と目で交わす言葉無しの心が通う笑顔

⑧人のお役に立てた笑顔=施したことがお役にたて「ありがとう」の感謝が嬉しいちょっぴり真顔の笑顔です。

いかがでしょうか。如何様に笑顔を重ねていますか。「自身の持ちうる能力を施し、お役に立てる事は楽しい。心豊かな人生づくりを楽しむ時代といえます。まさに、「泣いて生まれて、笑顔で成長、決め手を施し、おかげ様と笑顔の感謝で送られる」こんな100年時代といえます。

◆ちょっと笑顔の演習を愉しんでみませんか。

筆者の主宰する話し方教室では,スピーチ演習に先立ち,お役だての話すことを楽しむ二つの笑顔演週を実践します。

あえいうえおあお の微笑み演習

これは、次の一言一言を微笑みの表情で,きちっと発声する法です

*あえいうえおあお*かけきくけこかこ*させしすせそさそ*たてちつてとたと

*なにぬねのなの*はへひふへほはほ*まめみむめもまも*やえいゆえよやよ

*られりるれろらろ*わいうえおわお

②あいうえお笑いの実践

受講者幼稚園経営者Oさんがリーダーとして施す、表情・声・語調・振る舞いを大きく表現してのあいうえお笑いの実践です。

あ=あっはっは、あっはっは、・・大きく口を開けて

い=いっひひ、いっひっひ・・口を横に優しく目を掛けて

う=うっふっふ,うっふっふ,・・・口をすぼめ、目を細めて

え=えっへっへ,えっへっへ,・・口角上げて,目を細めて

お=おほほ、おほっほ ・・口を縦に声をリズミカルに・・

いかがでしょうか。お役だていただければ幸いです

◆笑顔は永久に不滅です

「ミスターの笑顔は永久に不滅です」「弾ける笑顔でみんなを明るくしてくれた人」・・と報道される記事には必ず微笑み、片手を上げている写真が紹介されています。周知のミスタープロ野球と称された長島茂雄さんが旅立たれました。「お客様に如何に喜び、感動を与えるかを第一とする」を信条とした活躍は、正に、キラキラ輝く人でした。そして、正に記憶に残る励まされた人でした。

  • エバースマイル研修終講直後、受講者を交わす笑顔の挨拶がお役だて出来た実感の喜びでした。
  • 学び合いの仲間と今朝も笑顔での語り合い、学び合いは楽しいものです。

共に、笑顔で活躍,時を創ることを重ねて参りましょう。