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統制国家的動きについて(真田幸光)

【真田幸光の経済、東アジア情報】
統制国家的動きについて

真田幸光(嘉悦大学副学長・教授)

 世界的に見て、為政者による、
「統制国家的動き」
が強まっているのではないかとの懸念が出ています。
 ロシアや中国本土はもとより、
「米国や日本も例外ではない?!」
為政者たちも統制国家に向けた仕組みを、
「国家の安全保障上必要である」
といった理由から、
「国家の枠組みの中に入れようとしており、例えば、日本であれば、マイナンバーカードもこうした仕組みの一つである。」
という見方さえも出てきています。
 
確かに、
「為政者が悪意を以ってこのマイナンバー制度を利用すれば、善意の一般国民が監視されていく仕組みともなり得る」
と思います。
 
ところで、こうした中、明らかに統制国家的動きを示していると言われているロシアでは、最近、
「ロシア政府が指定するロシア国産通信アプリの利用」
がロシア国民に義務付けられ始めています。
外国産アプリの利用は規制される一方、例えば大学の授業登録や成績の受け取りは上述した国産アプリしか使えないなどの仕組みを作り、
「反強制的」
に国産アプリの使用を義務付け、その一方で、国産アプリはロシア国内何処でも仕えるといったメリットを付与し、国民の国産アプリの利用拡大を図っています。
 
そして、こうした国産アプリの利用推進の理由を、
「情報の透明性を高める為」
と尤もらしいことを掲げています。
 
こうした状況に対して、ロシア国民の中には、上述したようなロシア国内の何処でも使えると言うことは、ロシア国内何処でも監視されていると言うことであり、ネット上の発言までもモニタリングされることとなると言った懸念の声が高まっています。
 今後もロシアのみならず、世界の統制国家的な動きについては、注意を払っていきたいと思います。

 

真田幸光————————————————————
1957年東京都生まれ。慶応義塾大学法学部政治学科卒業後、東京銀行(現・三菱UFJ銀行)入行。84年、韓国延世大学留学後、ソウル支店、名古屋支店等を経て、1998年から愛知淑徳大学学部にて教鞭を執った。2024年10月より現職。社会基盤研究所、日本格付研究所、国際通貨研究所など客員研究員。中小企業総合事業団中小企業国際化支援アドバイザー、日本国際経済学会、現代韓国朝鮮学会、東アジア経済経営学会、アジア経済研究所日韓フォーラム等メンバー。韓国金融研修院外部講師。雑誌「現代コリア」「中小企業事業団・海外投資ガイド」「エコノミスト」、中部経済新聞、朝鮮日報日本語版HPなどにも寄稿。日本、韓国、台湾、香港での講演活動など、グローバルに活躍している。
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