金融政策の周回遅れリスク

経済動向最前線 熊野 英生 [ 特集カテゴリー ]

金融政策の周回遅れリスク [ 第63回 ]

 いよいよ心配していたことが起きそうだ。米国の中央銀行であるFRB(連邦準備理事会)が、近々、政策金利を引き下げてくる構えに入ったからだ。米国経済は、失業率が3.6%と完全雇用にあるが、雇用の増加ペースは5月は前月比+7.5万人と、その前月(4月+22.4万人)に比べて落ちた。金融市場では、これが米国経済がその成長ペースをスローダウンさせるシグナルとみている。

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マイナス金利は平成「負の遺産」

経済動向最前線 熊野 英生 [ 特集カテゴリー ]

マイナス金利は平成「負の遺産」 [ 第62回 ]

 預金金利がほとんどゼロ%である。この状態はいつまで続くのであろうか。
多くの人は、日本銀行が物価上昇率2%の達成ができない限り、このゼロ%がずっと続くと思っている。筆者のようなエコノミストは、物価上昇2%はずっと達成不可能なので、そのルールを止めない限りは預金金利ゼロのままだろうとより悲観的である。

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