民事不介入という言い訳

平成事件簿 三沢 明彦 [ 特集カテゴリー ]

民事不介入という言い訳 [ 第17回 ]

平成7年11月、読者からの投稿が全国紙に掲載された。

「知人女性が付きまとわれた。後をつけられ、郵便物が開封される。男性の人権への配慮か、警察は慎重な対応だったという。米国ではストーキングと名付けられ、犯罪として扱われているそうだ。日本も法整備を進めてほしい」。

「ストーク」は獲物を求め、動物が忍び寄る、という意味。米国では凶悪事件が相次ぎ、ストーカーを規制する法律が各州で制定されつつあった。日本でも平成9年1月に民放2局がストーカーをテーマにしたドラマで激突し、ともに高視聴率を叩き出している。だが、警察の動きは鈍い。「命の危険」を訴えても、男女間のトラブルとされ、民事不介入を理由に門前払いされることが多かった。

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