平成事件簿 三沢 明彦 [ 特集カテゴリー ] 平成事件簿 割れ窓理論 [ 第18回 ] 2020年11月 窓の破れを放置すると、いずれ街全体が荒廃する。米犯罪学者ジョージ・ケリングの割れ窓理論は、90年代半ばにニューヨーク市長ルドルフ・ジュリアーニ氏が実践し、軽微な事件の集中取り締まりで犯罪都市の汚名を返上した。21世紀を迎えたばかりの平成13年、日本の刑法犯検挙率は戦後最低の19.8%に落ち込み、翌年の認知件数も285万件と戦後最高を記録した。警察は割れ窓理論に活路を見出し、検挙から抑止へと舵を切った。万引きやひったくり、路上強盗など街頭犯罪の撲滅を宣言したのである。 閲覧にはログインが必要です。→ ログイン.
平成事件簿 三沢 明彦 [ 特集カテゴリー ] 平成事件簿 民事不介入という言い訳 [ 第17回 ] 2020年10月 平成7年11月、読者からの投稿が全国紙に掲載された。 「知人女性が付きまとわれた。後をつけられ、郵便物が開封される。男性の人権への配慮か、警察は慎重な対応だったという。米国ではストーキングと名付けられ、犯罪として扱われているそうだ。日本も法整備を進めてほしい」。 「ストーク」は獲物を求め、動物が忍び寄る、という意味。米国では凶悪事件が相次ぎ、ストーカーを規制する法律が各州で制定されつつあった。日本でも平成9年1月に民放2局がストーカーをテーマにしたドラマで激突し、ともに高視聴率を叩き出している。だが、警察の動きは鈍い。「命の危険」を訴えても、男女間のトラブルとされ、民事不介入を理由に門前払いされることが多かった。 閲覧にはログインが必要です。→ ログイン.
平成事件簿 三沢 明彦 [ 特集カテゴリー ] 平成事件簿 組織はなぜ腐敗したか―首なし銃 [ 第15回 ] 2020年8月 首なし銃。 なんとも禍々(まがまが)しい言葉だが、平成半ば、駅のコインロッカーや墓地から銃が突然見つかるという奇怪な事件が相次いだ。 閲覧にはログインが必要です。→ ログイン.