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『先見経済』2026年11月号「編集後記」

『先見経済』2026年11月号が発刊されました。
「編集後記」を掲載します。

編集後記

■大手企業を中心に、顧客情報の流出が相次いで報じられています。その背景として指摘されているのが、「AIエージェントによる攻撃の自動化・高速化」です。

米セキュリティ企業Sysdigは7月、AI(Agentic AI=自ら考えて行動するAI)を使った自律型ランサムウェア「JADEPUFFER」を初めて確認したと発表しました。ログインに失敗すると、わずか31秒ほどで原因を分析し、攻撃手順を自動で修正していたといいます。また9月には、米パロアルトネットワークスの調査部門Unit 42が、5つの専用AIエージェントを人間が指揮して並行稼働させ、人手なら2週間ほどかかる侵入を、10時間足らずで完了させた事例を報告しています。

■AIは、私たちの仕事や業務の効率化に欠かせない存在となりました。しかしその一方で、使い方ひとつで深刻な脅威にもなり得ることを、改めて目の当たりにした格好です。

こうした事態は、中小企業にとっても決して他人事ではありません。企業としての対策はもちろん、従業員一人ひとりが「サイバーセキュリティ」への意識を高めていくことが、今後ますます重要になります。

そこで今号では、エムオーテックス株式会社様のご協力を得て、『サイバーセキュリティハンドブック セキュリティ7つの習慣・20の事例』を特別付録として1冊ずつ同封いたしました。同社は「LANSCOPE」ブランドで知られるセキュリティメーカーで、IT資産管理や情報漏洩対策、ID・アクセス管理(IAM)などを手がけています。

■11月25日(水)には、同社スタッフによるオンラインセミナーも予定しております。詳しくは『清話会ニュース』をご覧ください。

■このところ、いわゆる講師派遣とは異なるご相談をいただくことがあります。たとえば業界団体からは「業界が抱える課題について、専門の先生の見解を伺いたい」、会員企業様からは「自社の人事制度を専門家の目で点検してほしい」、ほかにも「優れた知見をお持ちの方」「政治家ではなくとも、政府に直接意見を言える立場の方」のお話を聞きたい、というお声もいただきます。

社内だけではなかなか考えがまとまらない案件こそ、確かな知見を持つ第三者の意見を聞いてみるのも一つの方法かと思います。そうしたご相談には、その都度、状況やご条件に合わせて、ふさわしい専門家をご紹介しております。どうぞお気軽に清話会事務局までご相談ください。

■再来年の2028年、清話会は創立90周年を迎えます。2018年には『先見経済』2月号を「清話会創立80周年記念」号として発行し、その中で『先見経済』のバックナンバーが1947年発行のものから保存されていることをご紹介しました。

あれから8年経ちましたが、それらのバックナンバーはいまだデジタル化されないまま、紙の冊子として保管されているのが実情です。

いま日本は「失われた30年」を抜け出したとはいえ、金利も物価も急激に上昇し、さらに40年ぶりとも言われる円安に見舞われています。こうした時代を、「戦前に酷似している」と見る向きもあり、戦前・戦中・戦後の歴史を改めて検証しようとする動きも多く見られます。

戦後間もない時代から企業人の羅針盤として読み継がれてきた『先見経済』は、日本の戦後経済史・経営史を色濃く映し出す貴重な資料でもあります。これをただ倉庫に眠らせておくのではなく、現代に活かせる歴史資料として広く活用していきたい――その思いに共鳴してくださる大学の先生もいらっしゃり、『清話会90周年プロジェクト』として始動させたいと考えております。詳細はまだ公表できませんが、具体的な内容は決まり次第、本誌などでお知らせいたします。ぜひとも皆様のご支援を賜りますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。

(『先見経済』編集部)