原理原則1において、経営者の志(思い)として、「経営理念」を提示する重要性を説明しましたが、今回の原理原則3で掲げた「経営ビジョン」との違いについて説明します。
「経営ビジョン」には有効期限がある?
「経営理念」と「経営ビジョン」の大きな違いは、一言でいえば、「経営理念」は普遍的な変わらないもの、一方、「経営ビジョン」は3~5年程度の期間で見直すものです。
それでは、なぜ、「経営ビジョン」には有効期限があるのでしょうか。そのためにも、そもそも「経営ビジョン」で何を検討するのかについて説明します(図1)。「経営ビジョン」では、ある時点(一般的に3~5年後)における会社のあるべき姿を具体的に表します。例えば、どのくらいの企業規模にしたいのか、どこの事業領域で経営活動を推進したいのか、どのような組織風土を目指すのかです。これまで多くの企業の経営ビジョンを調べるなかで、優れた経営ビジョンの要件として、次に整理しました。