収束に向けて、今後想定されるシナリオ [ 特集カテゴリー ] ,

【講演録】二木芳人氏「新型コロナの感染拡大はいつ収まるか」

【講演録:2021.3.4開催】

「新型コロナの感染拡大はいつ収まるか」
―収束に向けて、今後想定されるシナリオ

昭和大学 医学部 内科学講座 臨床感染症学部門 客員教授 
二木 芳人

川崎医科大学卒業。倉敷第一病院呼吸器センターの副センター長、昭和大学医学部 臨床感染症学講座の教授等を務め、12年昭和大学病院感染管理部門 部門長(兼務)。昭和大学医学部 内科学講座 臨床感染症学部門教授。19年4月より現職。

■世界の感染者状況と変異ウィルスの動向

米国のジョンズ・ホプキンス大学が毎日、更新しているデータによりますと、昨年8月にこちらでお話させていただいたとき、世界の感染者数は、2867万人、亡くなった方が81万人でした。それから半年、現在、世界の感染者数は1億1400万人、亡くなった方は250万人です。これは診断が付いた人だけですので、実際は、大体3億5000万人くらいの方が、すでに感染したのではないかと考えます。

現時点で、地球上の人口がおよそ78億人ですので、まだまだ感染していない人のほうが圧倒的に多い。大体、人口の6割ぐらいが感染をして免疫を持つとパンデミックが収まるとされていますが、現在、ワクチンを接種した人は2億5000万人ぐらいです。まだまだ免疫を獲得して、この感染症が終わっていくというのを期待するには早いかなと思います。

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