最終回 マンションの長寿命化への道(後編) (阿部 彰)
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最終回 マンションの長寿命化への道(後編) (阿部 彰)

ストック社会へのパラダイムチェンジ
~最終回 マンションの長寿命化への道(後編)~

住宅の寿命を長くさせるために心がけるべき問題
 参議院麹町宿舎の月額家賃が4 月から値下げになった。その説明は経年劣化を理由に5 年ごとに引き下げる決まりとのこと。調べてみれば1997 年の竣工で25 年経過した建物の外見的には適切な維持管理が行われていて、写真では内装も定期的なリニューアルが行われているように見える。国が所有する宿舎用建物が全て同じ考えだそうで、マンションの長期維持の旗振り役の国の機関や政治家たちがこのような思考回路に陥っている限り、日本の住宅の寿命を長くさせることの可能性は霧の中の様相である。

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第4回 マンション建物の長寿命化への可能性(中編) (阿部 彰)
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第4回 マンション建物の長寿命化への可能性(中編) (阿部 彰)

ストック社会へのパラダイムチェンジ
~第4回 マンション建物の長寿命化への可能性(中編)~

日本の建物の使用寿命が欧米に比べ極端に短い理由
 前編で説明した国交省の資料によると、住宅使用年数の世界比較では日本の30 年に対して米国は55 年、英国は77 年であるが、他の資料では米国103 年、英国141 年とも言われている。
どちらにしても建物の種類によることなく、日本の建物の使用寿命は欧米に比べて極端に短いことは事実なのである。

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第3回 マンション建物の長寿命化への可能性(前編) (阿部 彰)
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第3回 マンション建物の長寿命化への可能性(前編) (阿部 彰)

ストック社会へのパラダイムチェンジ
~第3回 マンション建物の長寿命化への可能性(前編)~

3.11後、地球温暖化防止対策は混迷状態に陥った
 前回まで、都市とオフィスビルの関係に視点を合わせてストック社会への移行の必要性を述べてきたが、本号ではマンション問題に視点を当てながらストック社会のあり方について考えみ
たい。前編では東京を中心に我が国におけるマンションの歴史について振り返り、諸外国と日本の住宅のあり方の違いについて分析し、将来のあり方について考察する。

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第2回 超⾼層・⾼容積化と都市への環境影響 (阿部 彰)
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第2回 超⾼層・⾼容積化と都市への環境影響 (阿部 彰)

ストック社会へのパラダイムチェンジ
~第2回 超⾼層・⾼容積化と都市への環境影響~

都心で次々と進むビルの建て替え
昨年の秋から皇居外苑に⾯している東京海上⽇動ビルの解体⼯事が始まった。
⾚煉⽡⾊の⼒強いデザインで存在
を⽰すこの建物は、コルビジェの弟⼦であり我が国を代表する建築家・前川國男の設計で1974 年に完成した。このビルは1963 年に⾼さ制限が撤廃されたことを受けて126m の⾼さで1966 年、建築確認申請が提出されたが、都市景観として31m の⾼さに揃えたまちづくりを⾏う丸の内地区にとって超⾼層ビルは景観的にそぐわないと都市の美観論争に発展した。が、国会をも巻き込んだことで美観の本質的な議論からは外れて、皇居内が覗き込める⾼さは好ましくないという理由から丸の内・⼤⼿町地区の⾼さ制限を100m と決め、その後建設されたいくつかの建物は全て100m であった。

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【新連載】第1回 ~ストック社会へのパラダイムチェンジ~ (阿部 彰)
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【新連載】第1回 ~ストック社会へのパラダイムチェンジ~ (阿部 彰)

【新連載】~ストック社会へのパラダイムチェンジ~ 
 第1回 オフィス・業務ビル問題

スクラップ・アンド・ビルドが繰り返されてきた
 日本は鎖国政策解消後、いきなり明治政府による近代国家として生まれ変わったが、その近代化する過程の中で首都東京は55 年後に関東大震災に遭遇し、さらにその22 年後には第二次
世界大戦で都市として壊滅的な被災を被った。明治政府の都市づくりでは、欧米を模倣して新しい基盤をつくって来たのだが、関東大震災を経験したことで、耐震性や風土性を加味した我が国独自の考え方を導入して都市と建築を考えるようになった。およそ100年前のことで、この時代の建物は今も数多く残されている。
 一方、第二次世界大戦で焦土化した東京の街は戦後復興期を経て、世界が目を見張る経済成長によって国の経済を押し上げて来たのだが、この時期から建物のスクラップ・アンド・ビルドが繰り返されることが当たり前の価値観と位置付けられ、新しい建物への投資が日本経済の成長の礎になった。

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