【チームを全員で動かすために必要なチームリーダーのスキル 全4回】
第2回目「メンバーの仕事能力をアップさせる褒め方・叱り方(2)」
小池浩二氏(マイスター・コンサルタンツ(株)代表取締役)
■小さなことでもほめる
リーダーは、部下たちの仕事ぶりを「当たり前」のことと見がちです。「それが仕事だから、そのくらいできて当たり前、やって当然」などといった具合です。
■メンバーに「気づかせる」話し方
メンバーとのコミュニケーションを通じて信頼関係、メンバーに前向きな気持ちを持たせる話し方ですが、以下の点を参考にしてください。
●「調子はどう?」
声かけをする機会を増やすことで、メンバーの心理的な壁を取り除く効果を期待できます。そうすれば、メンバーはリーダーに対して話しやすくなり、コミュニケーションが円滑に図れます。
●「どう思う?」
この言葉も気軽に使うことができます。このように話しかけられれば、メンバーは自分の考えや思うことをリーダーに話すことができます。この言葉は、メンバーが話しやすくなるだけでなく、メンバーは自分で考える力を鍛えていくという効果も期待できます。
●「○○という点が、成長したなぁ」
「さすが○○さん」と気軽に使える言葉で数多くほめることも有効です。
このほめ方のポイントは、「○○という点」とほめる内容を絞り込んでいることです。メンバーはきっと二つの言葉の組み合わせによるほめ方で「いつも自分のことをしっかりと見てくれている」と感じます。
●「どうすればできるようになる?」
これまで、仕事に失敗したメンバーに対して「なぜできなかった?」と質問をしていませんか。
このような質問をメンバーにしても、後ろ(=失敗したこと)を振り返るばかりで、メンバーの気持ちを前向きにさせることはできません。
失敗したメンバーにとって必要なのは、「失敗した原因」ではなく「次に成功するための対策」です。未来についての問いかけが必要なのです。気持ちを前向きにさせる問いかけが必要なのです。
メンバーへの問いかけにひと工夫することで、メンバーの気持ちを前向きにさせたり、気づかせたりすることが期待できます。
■コミュニケーションを軽視するリーダーの行動
リーダーの働きかけがカギを握るテーマです。メンバーは、リーダーの態度や表情をよく見ていますし、リーダーが想像する以上に気にかけているものです。ひと言、声をかけられただけでモチベーションが上がるということもあります。逆に、せっかく成果をあげたのにリーダーが無反応だったら、やる気が失せて当然です。
以下のことで自覚症状はありませんか?
●メンバーの話を聞くとき、作業を続けたままの体勢が多い
●メンバーに話しかけられて、じっくり聞いていられなくなった
●雑談も含め、メンバーに声をかける機会が減った
●チームのミーティングがキャンセルになることが増えた
●ミーティングでは、メンバーの発言が減り、沈滞気味である
●気になる様子のメンバーがいても、声もかけないままになりがち
●仕事の結果や仕事ぶりについての評価をフィードバックしていない
●メンバーをほめることも、叱ることも少なくなった
●「あとで聞くから」と言いながらも、話を聞かずじまいになる
コミュニケーションは、共有化した職場の目的・目標を達成するために、不可欠な信頼の絆です。そして、コミュニケーションはリーダーの働きかけがスタートです。
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■ 小池浩二氏 (マイスター・コンサルタンツ(株)代表取締役)
実践に基づいた「中小企業の基礎打ち屋」として、中小企業成長戦略のシステムづくりを研究。これまで500社以上の中小企業経営に関わり、経営診断、経営顧問、研修等を実践。多くの経営者から「中小企業の特性と痛みをよく理解した内容」と熱烈な支持を得ている。
http://www.m-a-n.biz/
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筆者 小池浩二氏が
【プレイングマネージャーの仕事術】の概論を
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