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【一歩進んだコミュニケーションをとるスキル 全4回】-(3)「コミュニケーションの要である会議・ミーティング」(小池浩二)

小池浩二氏の [プレイングマネージャーの仕事術] シリーズ(52)
【一歩進んだコミュニケーションをとるスキル 全4回】
第3回「コミュニケーションの要である会議・ミーティング」

小池浩二氏(マイスター・コンサルタンツ(株)代表取締役)

■ コミュニケーションの目的

最近の働き方革命の一環で、会議・ミーティング、報告・連絡、指示・命令の見直しが活発に行われています。

今回は改めて会議を考えることをテーマにしております。 元来、会議とは業績の目標を達成させるために必要な手段です。しかし、その手段のやり方・方法を理解している会社は少なく、会議の役割が不明確な会社が多いと感じます。

そもそも職場におけるコミュニケーションの目的には次の点があります。

〇目標・方針の共有。お互いのベクトルを合わせるために必要
〇チーム共通の問題把握と解決への刷り合わせ
〇チーム目標のためにそれぞれのメンバーが何をするかの役割確認
〇チームとしての達成度,プロセス確認をするために必要

つまり、コミュニケーションは,職場の目的・目標を共有化し、達成するために不可欠な信頼の絆となります。

■会議運営の本質

会議の意味を文字から考えると、「会して議し、議して決し、決して行い、行いてその責をとる」となり、その役割を考えると以下の視点が重要となります。

〇目標や方針を徹底する場
〇社員の意識統一の場
〇予実績の検討の場
〇問題点解決の場
〇明日から現場で実行する具体策を決める場
〇やるべきことをできるようにする教育訓練の場
   
■会議体系は3つの流れを理解し、組み立てる

≪毎月単位でやる事(基本方針と実践策の検討)≫

●幹部会議 ……基本方針検討( 毎月月初に実施 )
前月の反省と共に全社的に当月にやるべきことを業績・業務の両面から検討。その対策を検討し、その後の各部門会議へやるべきことを伝達していく

●各部門会議 ……実践策検討(毎月リーダー会議後に実施)
前月の反省とともにリーダー会議で検討された業績・業務の両面の対策を踏まえ、各部門でやるべきことを明確にして、当月の決定事項を決めていく

≪毎週単位でやること(実践策の羅針盤機能とチェック・コントロール)≫

●幹部ミーティング ……実践策の羅針盤機能 ( 毎週実施30分間 )
幹部会議・各部門会議で決めた業績・業務の対策進捗状況の把握を行い、そして月末までのやるべきことを再確認して、全体朝礼にて社員に指示命令を行う

●部内ミーティング……実践策のチェック・コントロール機能 (毎週実施15分間 )
各部門会議で決めた業績・業務の両面の対策の進捗状況の把握を行い、そして月末までのやるべきことを再確認する

≪毎日単位でやること(デイリー業務の確認)≫

●部内ショートミーティング ……デイリー業務の確認
部内ショートミーティングは毎日実施5分間。当日やらねばならないことを部門内で確認する

■会議とミーティングの違い

〇会議は目標・方針達成の計画の内容・実践策を決める
〇ミーティングは目標・方針達成実践策の状況変化に対する修正・対策を決める

最大の違いは、ミーティングの方が現場に即している、業績を創りだす動きに直結している点です。だから、コミュケ―ションパイプの基本は会議を少なく・ミーティングは多くとなります。その中でも5分・10分のショートミーティングをできる会社は、コミュケ―ションがよく、業績が上がりやすくなります。

■トップコメントでメンバーを納得させて動かせ

会議におけるトップコメントとは、メンバーに会議の冒頭で、チームが現状置かれている状況を説明することです。全体の森を把握させ、個々の木について説明します。チームが現状置かれている状況とは、外部環境、お客様の動向、ライバル動向、会社の状況等です。

これを説明したうえで、チームの進むべき方向性、そして目標の重要度・優先順位を明確にして説明します。そうすると、部門方針そのものの背景・要因・対策の理由がわかりやすくなり、メンバーはより正確に理解します。

チームリーダーの役割として、方向性を立てたうえで、知らせる機能があります。知らせて、理解させ、納得させないとメンバーは自分のやるべき役割を考えません。

自分で考えないと、動きません。結果プレイングマネジャーの悪循環スパイラルにはまり、自分でやるしかなくなり、成果が出ない構造に陥ります。状況説明は月1回の部門会議で実施。会議の検討項目の最初にチームリーダーの状況説明を入れます。時間は5~10分ぐらいでしょう。

話す内容ポイントは、
1.自分たちの状況はこうだ
2.そして周りの環境はこうである
3.だから、自分たちはこのように進んでいく
この3点です。

現状、周りの環境を考えて、自分たちが今月をどのように進んでいくのか?
その重点とすべき内容とその理由をメンバーに理解させることがチームリーダーの最重要の役割となります。

 

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■ 小池浩二氏 (マイスター・コンサルタンツ(株)代表取締役)
実践に基づいた「中小企業の基礎打ち屋」として、中小企業成長戦略のシステムづくりを研究。これまで500社以上の中小企業経営に関わり、経営診断、経営顧問、研修等を実践。多くの経営者から「中小企業の特性と痛みをよく理解した内容」と熱烈な支持を得ている。
  http://www.m-a-n.biz/ 
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