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第8回「プロ経営者について」(河本和真) [ 第8回 ]

##近年話題になっているプロ経営者とは

 プロ経営者という言葉をご存知でしょうか? 近年耳にする機会が増えたのではないでしょうか。「プロ」と聞くと経験豊富な印象を受けますが、オーナー社長やコンサルタントも経営のプロフェッショナルです。「プロ経営者」とはどういう人物のことを指すのか。

「プロ経営者」とは、複数の企業を経営者という立場で渡り歩く人物を表す俗語です。通常は、社外からヘッドハンティングをされて、雇われ社長のような形で経営のトップに就任します。企業経営経験が豊富な人物が対象であり、社外取締役や株主から諮問された人事委員会等が選ぶこともあります。

 「プロ経営者」と呼ばれるのですから、その言葉のとおり相応の価値を提供する必要があり、期待されています。

 

##プロ経営者とオーナー社長・コンサルタントとの違い

 経営の経験が豊富な人材であれば、オーナー社長でも問題ないのではないか? 経営スキルを持つ敏腕なコンサルタントに依頼する方が良いのではないか? と考える方もいらっしゃるでしょう。間違いなくどちらの方も経営ノウハウをお持ちですが、プロ経営者とは異なります。

 まずオーナー社長はご自身の企業の経営経験しかありません。これまで自社の経営を行われる中でノウハウやスキルが蓄積されているかと思いますが、異なる業種や事業規模の経営をすることを求められると限界が訪れることもあるでしょう。

 一方、プロ経営者は、定義のとおり、複数の企業を経営者という立場で渡り歩いてきた方です。複数企業での経営経験をしていますから、経営に関する汎用性の高いノウハウを見出しており、新しい業種の企業であっても応用を効かせることができるでしょう。

またコンサルタントは、複数の企業の経営を見てきているので、様々な業種や事業規模に通用する経営スキルやノウハウを持っているでしょう。適切なアドバイスはできるでしょうが、自身での経営経験を持っている方は決して多くありません。株主や従業員など様々なステークホルダーから常に結果や責任を求められる経営者に比べると、コンサルタントという立場はそこまでを求められることもないでしょう。経営者のプロと言えるかと言うと、そうとは言えないのではないでしょうか。

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