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【講演会レポート】「真田幸光氏講演会」 清話会関西支局長:安田紘一郎

【講演会レポート】

 会員企業様への講師ご紹介に臨んで
 真田幸光氏講演会    
  講演日:2023年5月12日(金) 

  

 清話会が長くお世話になっている関西の大手食品企業様主催の総会の基調講演会講師に、弊会のSJC、講演セミナー、『先見経済』等でお馴染みの真田幸光先生をご紹介申し上げた。
 新神戸駅で先生と待ち合わせ、会場のある有馬温泉に向かった。大阪の奥座敷で全国区の有馬温泉は、豊臣秀吉が好んで通った湯として名が通り、「太閤の湯」としてその名残がある。真田先生は久しぶりの有馬温泉とかで、会場に向かう途中の新緑に映える六甲の山々の風景を楽しんでおられるようであった。
 会場の「有馬グランドホテル」は、有馬の中でもトップクラスのホテル。入り口で担当の方の出迎えをいただき、控室へ。そこで打合せ中に主催企業の代表取締役社長が挨拶に見え、真田先生の元祖、真田家と社長のお住まいが幸村の真田丸で有名な大阪市天王寺区真田にあり、“真田家” の話で盛り上がった。
 また、真田先生の慶応大学野球部時代の後輩の方がこの企業様の幹部を務めていることも話題となり、野球部での大声出し練習の話も面白かった。
 本日の演題は「緊迫する国際情勢と日本」である。
 講演会開始、いつもの真田先生らしくステージに上がらず演台も使わずマイクも使わず前後左右に動きながら、野球部OBらしい大声と熱弁で満席の聴講者を魅了する。
 今、コロナ、ウクライナで世界に大きな変革が近づいた。世界秩序は米英中心とした秩序対ロシア、中国を中心とした秩序、価値観や消費動向の変化やビジネス展開を考えると、ウクライナ戦争が世界の潮目の変化となってきた。今後は実体経済vs金融経済、民主主義vs.専制主義を意識し、そこから生まれる食糧、エネルギー、原油、
 そして株価、金融などの動向から目が離せない。そして今一つ大事なことは、ネット問題である。多くの情報で人間は情報過多となり心の疑心暗鬼が戦争になることもあり、ネットを読む確かな目が求められる。ソ連崩壊後世界を支配したグローバルは、貨幣は米ドル、会計基準など多くが米英中心であったが、それが変わろうとしている。
 水・金・エネルギー・原材料・物流などはここにきて実体経済が金融経済を押さえ中心になりつつあり、実体経済を目論む覇権国家が強力な軍事力を背景にその本性をみせて、先述の食糧などに加えて食用油、ニッケル、ガス不足問題が世界的なインフレとなり経済問題を起こしている。したたかなロシアは米国の金融政策に対しルーブル決済を提案、併せて中国は人民元への移行を考えており、これも潮目の変化となろう。
 思えば第2次世界大戦以降は米ドルを中心としてきたが、今はイラン、サウジアラビアなどは中国との取引も増えつつある、米国は金利引上げ→インフレ、銀行倒産のようにリーマンを思い出される状況で、その米国の次のリーダーがバイデンかトランプか、そして今はサンダースの声まで出ているが大丈夫だろうか? 英国は王室問題で国内が纏まらない。米英の金融経済と中露の実体経済、そこに出てくるのが、双方を取り入れる強かなインドを中心としたグループの台頭から目が離せない。
 日本は、世界がどうなろうと世界の人が必要とする物事を模索するであろう。これからの見通しは金利問題・米国はもう上げないと思うし日本は金利を引き上げて現在のマイナスからゼロ金利に戻すことを目指す。株価問題・日本は3万円を超え、金(きん)価格は米ドルの不調で上がると思う。ウクライナ戦争はロシアもアメリカも止めたいと思っているが、世界はどうするか判らない。
 個人資産はお金持ちの方は金に換えるか、スイスに預金がいいでしょう。

 最後に、真田家の家訓は「死ぬまで生きる」である。

 ご聴講ありがとうございました。