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第17 回  出席の感謝が活きる発言ガイドの極意  (澤田良雄)

「感謝の心」を話に生かす

 コロナ禍の制約条件も緩和され対面式コミュニケーションの機会が復活してきています。とりわけ、会合、ミーテイング、会議の開催が多くなりつつある現状です。
それは、異見の直の交わし合いにより衆知の結集を諮る事にあります。従って、参集頂くメンバーは個々の活躍条件、例えば、職責、担当職務、専門等の特性から生み出される考えを持ち、それを生かし合うことにあります。


 当然多忙なる業務を成しながらの出席です。そこで、肝心なことは、進行役の司会、会合リーダー、あるいはファシリテーターとしての発言ガイドの手腕です。それは、いかに、多様なる考え方を出し合い、三人寄れば文殊の智恵のごとく、衆知結集を作り出せるかです。
 その基は、出席いただいた配慮への感謝です。ですから、開始時の「お忙しいところご出席頂きまして.誠にありがとうございます」の一言に謝念が注がれます。
 そして、発言後の「ご発言ありがとうございます」の一言です。この感謝の心からの伝わりは、出席者に自発的に発言を楽しませ、そして、集約の建設的な交わし合いに発展していきます。ならば具体的にどのようなガイドの実践があるだろうか。ここでは次の三点を提起します。

1.ガイド役としての心得
 ①主観的な異見は言わない、②出された発言にいちいち善し悪しの判断をしない、③特定の人だけに発言させない、④せっかちに発言を求めない、⑤発言の足りない部分を補う、⑥適宜途中のまとめをすること、です。

2.発言をお願いする順序に工夫する
 その基本は、出席者の発言機会を自由にすることと、発言責任を高めていく働きかけです。

 具体的には、
①全員対象の呼びかけで出席者が自由に発言できる機会作りです。例話としては「このことについて皆さんどう思いますか。どなたからでも結構です」とガイドします。次に対象者を絞り込みます。

 その工夫は、
②特性別質問=出席依頼した思惑にある
職種別、階層別、経験別等を生かします。例えば「 営業の方からお願いします」「新人の方はどうですか」…。

 そして、
③指名質問=となります。
まず「今までのことについてまだ発言されていない方のご意見をお願いいたします」とします。次いで、気後れされている人には「○◎さん何かご意見あるようですね。どうぞお願い致します」と引き出します。気が乗っていないなと思えた人には「○◎さんからもお願いできますか」とガイドします。

 そして、
④会合の目的に最適な特別出席者として依頼
した人には可能な限り最終段階で「この辺で、特別にご出席頂きました○◎さんからのご意見もお願い致します」と仕向けます。勿論、ここまでの意見を踏まえて、持論を紹介いただきます。決して、ここまでの意見を否定することがないよう事前に根回しすることも良いでしょう。

 そして、時として課題となる⑤一人だけよくしゃべる人がいる時には、「○◎さん、ご熱心な発言ありがとうございます。ここで、ちょっとお待ちください。ここらで他の人の異見を伺ってみますからよろしくお願い致します」とやんわり制して、他の方のうんざり感を払拭し、発言者としての当事者意識を高揚する働きかけをします。

3.その場で、発言を頂く工夫
 更に、出席者の特性による発言を超えて、フラットな立場で自由なる意見を出し合う働きかけには、ブレインストーミング法の活用も良いでしょう。それは、
①批判
は厳禁、②質より量③便乗歓迎(参加者同士の影響し合い)、④自由奔放( ユニーク・奇抜)を確認し、発想豊かな嵐の如くの出し合いをガイドします。要は、出席者に、目的ある会合に参加し、直に発言した充実感を得て頂く働きかけを成すことです。
 以後、「ご協力どうもありがとうございました。それでは、出されたご意見を互いに議論を重ねてまとめ上げて参りましょう」と、ここからは交わし合いのガイドになります。そして、議して決し、 決して実行することで会合の目的は果たし、職場、企業に貢献できた実感を出席者が享受できたとき「あの時の会合にご出席頂きありがとうございました」「見事なガイド役のおかげです」といつの日か感謝の言葉を交わせる楽しみとなります。
それは対面形会合だからこその成果です。