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【旅行記】清話会 2023年 SJC-山口県視察旅行

【旅行記】清話会 2023年 SJC 山口県視察旅行     安田紘一郎(清話会 関西支局長)


 私の故郷が山口県ということで、この度のSJC旅行に
同行させていただくことになった。
 旅行催行日の7月7日・8日の1週間前に大雨が降り訪問予定の宇部市、山陽小野田市のニュース画像から旅行出発を心配したが、見学予定先様には幸いに大きな被害がないことが判り、予定企画通り進めることができた。
(この水害により亡くなった方々もあり、また被災された方も多く、心よりお悔やみとお見舞いを申し上げます)。

 宇部空港で待ち合わせ、空港全体がエヴァンゲリオンで歓迎モードに、参加者の方々から「なぜ、ここにエヴァンゲリオンなの?」の質問をいただいた。作者の庵野秀明氏がこの宇部市出身であることで納得。

 マイクロバスに乗り「㈱宇部蒲鉾」に向かう。
 山口県は地形的に三方が海に面している。萩市、長門市などは日本海に、下関などは玄海灘から東シナ海、この宇部市などは瀬戸内海から豊後水道そして太平洋へと続く県で、北前船の昔から海産物に恵まれ、蒲鉾や竹輪など練り物食文化の伝統がある。その中でも有力蒲鉾企業の「宇部蒲鉾」様を見学した。
 倉満部長より現場を見ながら蒲鉾の製造工程の説明があり海洋環境を生かした天然の魚とまるやかな天然水を使い伝統技術の練りと絶妙な塩加減により弾力性のある製品(蒲鉾)を作り旨い練り物を支えている由。日本南北の蒲鉾の味の違いについて質問があり、即座に“魚の違い” との応答、西日本の蒲鉾は“エソ” とう魚を原料にしている、エソは小骨が多く一般ではあまり食さないが、とても味がよく練り物にするとその旨さが際立つそうだ。が、エソは暖かい海を好みエソが獲れる北限が富山湾あたりで原料の魚の違いが蒲鉾にした場合の味の違いになるそうで、参加者は色々と試食して“宇部蒲鉾” の味を噛みしめた。

 続いてはUBE三菱セメントの見学に向かったが、この時から本格的な雨となった。
 宇部興産と三菱マテリアルが半々に出資し宇部三菱セメントを設立、セメントの国内シェアが太平洋セメントに続いて業界2位となり、昨年から「UBE三菱セメント株式会社」と社名を変更された。担当の奥川真帆氏によれば今回の「宇部セメント工場」見学は7月3日から27日までキルンが停止しておりビデオ
説明となった。
 大雨の中、NSPキルン屋上に上がり工場全景を見学し規模の大きさに感嘆、併せて今回特別に日本一長い私道「宇部興産道路」に厚東川を渡る往復を走らせていただいた。一般車は走れず免許証は不要だが興産ライセンスが必要の道路で全長30km以上あるが、ぜひ次回は全てを通ってみたいとの声を多く聞いた。

 最後の見学先は銘酒“山猿” で有名な永山酒造(山陽小野田市)である。
 永山純一郎社長は135年続く名門酒屋の5代目であり伝統と歴史を守りつつ斬新な発想で新しい酒造りに邁進山口県酒造組合のリーダーの一人でもある。
 酒蔵内は築100年以上の建物を大切に活用し壁は多少変色しているが“赤レンガ” の壁である。
 近年、山口県の酒は“獺祭” の旭酒造が引っ張る格好で人気上昇中であるが、“山猿” もこの地方特有のカルシウムを含んだ硬水の利点を活用、特徴があり料理を生かす酒としてキレの良い芳醇で飲みやすく、バナナの香りがする酒づくりをされている。試飲して比べたが、どの酒も旨く、数本購入した。晩酌が楽しみである。