人事部門におけるDX化の取組み2

人事労務が経営に与える影響  ~事例が語る未来のあり方~ 三浦 才幸 [ 特集カテゴリー ]

人事部門におけるDX化の取組み2 [ 第9回 ]

DX化が止まらない

 

 最近急に多くなってきたのが、人事関連のDX化に関するご相談です。前回の本稿でDXについて触れたからという訳ではないのですが、にわか「ブーム」のような勢いでDXの検討が進行しています。

 その背景として各社が挙げているのは

①ホワイトカラーの生産性が見えない

②時間管理が限界

③コロナがきっかけでマネジメントの在り方にメスが入った

というような理由でした。

 とある人事担当者は、

「ホワイトカラーやプログラマーの生産性については、以前から疑問があった。テレワークになって、生産性が上がった社員もいたが下がった社員もいる。テレワークになった場合でも、必要な時間外手当は支払っているが、アウトプットが明確な分、できる社員とそうでない社員が明確になっている。そして、できる社員は残業が少ないことも明らかとなった。これらの数字や実態が、経営者を動かし始めている」と語ってくれました。

 人事関連のDXは、個々の業務に応じてデータ化が個別になされてしまい、横の連携がとれていない、いわゆる「サイロ化」状態になっていることは前回述べました。サイロ化された結果、横のデータ連携ができず、何度も住所と氏名を書かなければならない事態が起きていました。しかし、ここにコロナが直撃。在宅勤務など未経験の事態に直面し、人事部門はあらゆる管理手法を検討・確認した結果、データの偏りと未活用に気付いたということだと思われます。

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人事部門におけるDX化の取組み

人事労務が経営に与える影響  ~事例が語る未来のあり方~ 三浦 才幸 [ 特集カテゴリー ]

人事部門におけるDX化の取組み [ 第8回 ]

DX化とは

DX、一度は耳にされたことがあると思います。デジタルトランスフォーメーション(Digital Transfor-mation)を称した言葉で、デジタル技術による業務やビジネスの変革を意味します。2019年にDXの定義を経済産業省が出しました。単に「デジタル化する」ということではなく、活用と変革も実行しましょうという意味が込められています。

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人事の立場と役割の変化

人事労務が経営に与える影響 ~健康経営と人事~ [ 特集カテゴリー ]

人事の立場と役割の変化 [ 第7回 ]

 Ⅰ.人事部門の役割と責任

 

a.HRBPという考え方

近年、人事領域の人たちからよく聞く言葉にHuman Relation Business Partner(HRBP)という言葉があります。

これは、人事領域の守備範囲が拡大していることが大きく作用しています。働き方改革やジョブ型雇用制度などの新しい取り組みが世の流れとなったことで、経営戦略と人事戦略とをより強く合致させ、経営効率を高める狙いがあります。経営資源である「人、もの、金」という言葉は、事業化される順番でもあると考えています。事業は「人」が起点となって始まり、「もの(サービス)」が生まれ、「お金」にたどり着くと理解されます。すべての事業の根幹は「人」ですから、HRという領域は元々が重要な戦略です。はじめに集う人によって、事業の内容や方向性が定まるものです。

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人事労務が経営に与える影響―健康経営と人事

人事労務が経営に与える影響  ~事例が語る未来のあり方~ 三浦 才幸 [ 特集カテゴリー ]

人事労務が経営に与える影響―健康経営と人事 [ 第5回 ]

なぜ今健康経営か

「健康経営」という言葉を耳にされたことが少なからずあると思います。「健康経営」は、NPO法人健康経営研究会の登録商標ですが、ほぼ一般名称のように新聞などでは扱われ始めました。経済産業省が推進する「健康経営銘柄」の選定や、これに続く健康経営優良法人(ホワイト500)の認定などの働き掛けが大きな影響を与えていると思われます。

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これから人事労務が直面する課題

人事労務が経営に与える影響  ~事例が語る未来のあり方~ 三浦 才幸 [ 特集カテゴリー ]

これから人事労務が直面する課題 [ 第4回 ]

コロナに克つ人事労務

 この1~2か月で、全世界の働き方が大きく変わりました。そしてこの変化は当面続くでしょう。日本企業のみならず、全世界に激震をもたらした新型コロナウイルス。経済への影響のみならず、家庭生活への影響や学校生活…とりわけ、この誌面をご覧の皆さんは企業経営に携わる方が多いので、経済への影響が大きな関心事です。
今回は予定を変えて、とある医療関係者とのやりとりから得られた医療現場の実態と働き方、それから得られた将来像を記したいと思います。

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これまで人事労務が直面してきたことII

人事労務が経営に与える影響  ~事例が語る未来のあり方~ 三浦 才幸 [ 特集カテゴリー ]

これまで人事労務が直面してきたことII [ 第3回 ]

良い人材とは(続き)

 

 

「会社にとって良い人材について客観的に定義できますか」と前号で問いかけました。経営者にとっての「良い人材」とは、「利益を出してくれる」「給料などの待遇に文句を言わない」「こちらから指示しなくともちゃんと動いてくれる」といって項目が並んでくるのではないかと想像しています。

 もちろん最近では、個々人の業績について明確に処遇へ反映されるように人事制度を変更する企業も多々ありますので、昔のような「搾取」構造になっていないのも事実です。経営する側とすれば、「精一杯報いている」「リスクを回避するため内部留保も重要」と反論することも十分にあり得ることです。

では、経営側は個々人の貢献度を客観的に把握していると言い切れるのでしょうか? 経営側と働き手はいわば、真逆の関係です。そこのギャップを経営者の人間力とか、アットホームな会社という抽象的な言葉で補っている……そんな会社を見かけます。

 改めて問います、「会社にとって良い人材について客観的に定義できますか」

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人事労務が経営に与える影響

人事労務が経営に与える影響  ~事例が語る未来のあり方~ 三浦 才幸 [ 特集カテゴリー ]

人事労務が経営に与える影響 [ 第2回 ]

2020年になってにわかにやってきた新型コロナウイルス。その影響は未だに底が知れません。経済活動にどのような影響があるのか、テレワークやweb面接……未経験のことだらけですが、とにかくやるしかない状況でストレスもたまります。

人事労務や採用といった人に携わる仕事にも大きな影響がでています。新卒採用の際の合同説明会の延期やweb開催。OB訪問など直接面談の禁止や突然の内定取り消し。これまでの景気変動とは明らかに異なるこれらの事象に、人事や労務、経営としてどう対処すべきかについて検討したいと思います。

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リモートワークを効果的に導入するために

人事労務が経営に与える影響  ~事例が語る未来のあり方~ 三浦 才幸 [ 特集カテゴリー ]

リモートワークを効果的に導入するために [ 第1回 ]

近年、人事労務はこれまでにない対応を迫られることが増えてきました。新型コロナウイルス対策、少子高齢化による採用難、リモートワーク、電子申請など、比較的動きが無いと言われる人事労務の業務にも関わらず、多くの課題が迫ってきています。これらの課題に対して、これまではある程度の指針や進め方が業界ごとに示されたりしたことが多々ありました。業界団体ごとの勉強会が開催され、事前準備もそれなりに周到に進められました。

一方で、事業や業務が多様化したことで、人事労務としての共通の課題はあるものの、その対応が総論的なものになっていることも多々見受けられます。
この記事では今後、ICT化と日本型雇用システムからの脱却というこの2つの課題について、過去の事例や海外の取組みを紹介しながら、乗り切るための方策をご報告したいと思います。今回は最近の重要課題である新型コロナウイルス関連について述べたいと思います。

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