3月いっぱいで、福島県浪江、飯館、楢葉、川俣の4地域の住民3万2,000人にだされていた、「避難指示」が解除される。しかし、これで原発の被害は心配ない、もう大丈夫、という政府の「収束宣言」かといえば、そうではない。
避難指示解除といっても、根拠は放射線量が年間20mSvを下まわった、ということだけだ。それで本当に安心なのか。その保証がないまま、一斉解除まであと一か月たらず、元住民の不安は強まっている。
住民の帰還にむけて、国と県が除染作業を続けてきた。除染作業をめぐっては、作業に賄賂が流れたりとか、「除染」らしくない汚染事件も発生したりしているが、広大な山野の放射能を除去するなど、未曾有の大工事である。
しかし、その膨大な費用を要する大事業がどれだけの効果があるのか、健康に本当に影響しないのか、その土地にもとの住民が帰って来られるのか、帰って来ても、果たしてもとの生活ができるのか。解決困難な難題が山積している。
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