中国は大気、水質、土壌など、ほとんどの環境汚染問題に直面しているが、京津冀(けいしんき)地域(北京、天津、河北省を合わせた呼称)の大気汚染問題ほど注目されているものはないだろう。
なぜなら首都北京の大気汚染は、居住する国家のリーダー層がその被害を実感してしまうという意味で、一部の社会弱者が被害を受ける環境問題とは性格が違うからだ。
京津冀地域のPM2.5大気汚染は、2012年ごろに北京の米国大使館が敷地内での計測結果をインターネットで公開し始めて汚染実態が明るみに出た。その後中国全土で汚染が確認され始めたため、中国政府は13年に「大気汚染防止行動計画(「大気十条」)を発布し、重点地域の大気汚染被害の軽減化に着手。また16年には「大気汚染防止法」を15年振りに改定し、総量規制や公害犯罪の重罰化などで環境汚染への取り組みを強化している。
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