小池浩二氏の [プレイングマネージャーの仕事術] シリーズ(24)
【プレイングマネージャーの技術編 21世紀のチームの動かし方シリーズ 全4回】
第3回目「中堅社員の厚みが強い会社をつくる」
小池浩二氏(マイスター・コンサルタンツ(株)代表取締役)
■中堅社員が成長するために必要な考え方
中堅社員に厚みがある会社は強くなります。
現在の会社運営環境において、中堅社員は、指示に忠実に動く役割だけではいけない。現場業務を推進・指導し、チームを動かす仕事にも積極的に加担していくことが求められています。
中堅社員が成長するために必要な考え方として、以下の5点を参考にしてください。
〇自分を成長させる意志
〇自分が率先垂範していく役割・立場にあることの自覚
〇目標や先の見通しを持った自発性
〇チーム中心の考え方
〇業績意識や結果に対する責任感
■意識を変えさせる上司の接し方や職場環境のポイント
考え方を変えさせるためには、意識を変えさせることがポイントになり、この意識を変えさせるのは、上司の接し方や職場の環境が重要となります。
中堅社員自らが意識を変える事は、大病を患う・人生の大きな転機に遭遇する等の外部要因がないと殆どないと感じます。意識を変えさせる上司の接し方や職場環境のポイントですが、以下の5点を参考にしてください。
○仕事に意味を持たせる
中堅社員の経験・力量にあわせて、仕事の意味や意義を伝え、取組む仕事の目的や自社の仕事と社会との関連性も含め、様々な視点から考えさせる。
○意思決定に参加させる
多少の時間がかかる事も覚悟して、中堅社員に意見を言う場や決定を下させる場をつくる。例えば、会議など意思決定の場で、中堅社員の意見を積極的に求め、傍観者から参画者へと変身させ、 一段高い視点で物事を考える習慣をつけさせる。
○スキルアップを意識させる
仕事に慣れた頃に、新しい課題や仕事を与え、常にスキルアップを意識させた環境をで仕事に取り組ませる。
○成長ステップを設定
会社の戦略構築と同じで、中堅社員の「強み・弱み」「スキルマップ」を作成して、今後の最終到達目標と途中のプロセス目標である「成長ステップ」を一緒に考える。そして意識の継続を図るために、職場のメンバーに向けて、到達目標を宣言させる。
○成果発表の機会を設ける
中堅社員が出した成果や実績、そこに至るまでのプロセスを 発表してもらい、スポットライトを浴びてもらい、モチベーションアップを図る。当然、発表を聞く人にとってもよい刺激となる
■現場での実践事例
社員育成方法で一番優れているのがOJT(職場内教育)で、そのポイントは日常の場面で行うことです。
上記5つのポイントを現場で実践している事例ですが、ある会社は会議の進行役・議事録役を中堅社員に任せており、幹部会議では進行役と議事録役、経営会議では議事録役を担当しています。自分達の現場業務よりも、上位の業務・業績検討に触れることにより意識が変化していきます。
サッカー大国であるブラジルのWカップメンバーの選出には特徴があり、メンバー23人中22人は大会戦力メンバー、残りの一人は将来のブラジルサッカーを背負う金の卵メンバーとなっています。
この発想と同じで、成長しそうな中堅社員を選出して、このような機会を与えると、私の経験則では3~6ヵ月の期間で成長モードに入ってくれます。
(この項、続く)
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■ 小池浩二氏 (マイスター・コンサルタンツ(株)代表取締役)
実践に基づいた「中小企業の基礎打ち屋」として、中小企業成長戦略のシステムづくりを研究。これまで500社以上の中小企業経営に関わり、経営診断、経営顧問、研修等を実践。多くの経営者から「中小企業の特性と痛みをよく理解した内容」と熱烈な支持を得ている。
http://www.m-a-n.biz/
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筆者 小池浩二氏が
【プレイングマネージャーの仕事術】の概論を
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