【チームを全員で動かすために必要なチームリーダーのスキル 全4回】
第4回目「コミュニケーションの要である会議・ミーテイング」
小池浩二氏(マイスター・コンサルタンツ(株)代表取締役)
■コミュニケーションの目的
最近の「働き方改革」の一環で、会議・ミーテイングの見直しが活発に行われています。
元来、会議とは業績の目標を達成させるために必要な手段です。しかし、その手段のやり方・方法を理解している会社は少なく、会議の役割が不明確な会社が多いと感じます。
そもそも職場におけるコミュニケーションの目的には次の点があります。
〇目標・方針の共有。お互いのベクトルを合わせるために必要
〇チーム共通の問題把握と解決への刷り合わせ
〇チーム目標のためにそれぞれのメンバーが何をするかの役割確認
〇チームとしての達成度,プロセス確認をするために必要
つまり、コミュニケーションは,職場の目的・目標を共有化し、達成するために不可欠な信頼の絆となります。会議運営の本質を考えると、「会して議し、議して決し、決して行い、行いてその責をとる」となり、その役割を考えると以下の視点が重要となります。
〇目標や方針を徹底する場
〇社員の意識統一の場
〇予実績の検討の場
〇問題点解決の場
〇明日から現場で実行する具体策を決める場
〇やるべきことをできるようにする教育訓練の場
■会議体系は3つの流れを理解し、組み立てる
≪毎月単位でやること(基本方針と実践策の検討)≫
●リーダー会議 ……基本方針検討( 毎月月初に実施 )
前月の反省と共に全社的に当月にやるべきことを業績・業務の両面から検討。その対策を検討し、その後の各部門会議へやるべきことを伝達していく
●各部門会議 ……実践策検討(毎月リーダー会議後に実施)
前月の反省と共にリーダー会議で検討された業績・業務の両面の対策を踏まえ、各部門毎でやるべきことを明確にして、当月の決定事項を決めていく
≪毎週単位でやること(実践策の羅針盤機能とチェック・コントロール)≫
●リーダーミーテイング ……実践策の羅針盤機能 ( 毎週実施30分間 )
リーダー会議・各部門会議で決めた業績・業務の対策進捗状況の把握を行い、そして月末までのやるべきことを再確認して、全体朝礼にて社員に指示命令を行う
●部内ミーテイング……実践策のチェック・コントロール機能 (毎週実施15分間 )
各部門会議で決めた業績・業務の両面の対策の進捗状況の把握を行い、そして月末までのやるべきことを再確認する
≪毎日単位でやること(デイリー業務の確認)≫
●部内ショートミーテイング ……デイリー業務の確認
部内ショートミーテイングは毎日実施5分間。当日やらねばならないことを部門内で確認する
■会議とミーテイングの違い
〇会議は目標・方針達成の計画の内容・実践策を決める
〇ミーテイングは目標・方針達成実践策の状況変化に対する修正・対策を決める
最大の違いは、ミーテイングの方が現場に即しており、業績を創りだす動きに直結している点です。だから、コミュケ―ションパイプの基本は会議を少なく、ミーテイングは多くとなります。その中でも5分・10分のショートミーテイングをできる会社は、コミュケ―ションがよく、業績が上がりやすくなります。
■トップコメントでメンバーを納得させて動かせ
チームが現状置かれている状況とは、外部環境、お客様の動向、ライバル動向、会社の状況等です。これを説明したうえで、チームの進むべき方向性、そして目標の重要度・優先順位を明確にして説明します。
そうすると、メンバーは部門方針そのものの背景・要因・対策の理由がわかりやすくなり、理解します。チームリーダーの役割として、方向性を立てたうえで、知らせる機能があります。
知らせて、理解させ、納得させないとメンバーは自分のやるべき役割を考えません。
自分で考えないと、動きません。結果、プレイングマネージャーの悪循環スパイラルにはまり、自分でやるしかなくなり、成果はでない構造に陥ります。
状況説明は月1回の部門会議で実施。会議の検討項目の最初にチームリーダーの状況説明を入れ、時間は5分~10分ぐらいでしょう。話す内容ポイントは、
① 自分たちの状況はこうだ
② そして周りの環境はこうである
③ だから、自分たちはこのように進んでいく
この3点です。
現状、周りの環境を考えて、自分たちが今月をどのように進んでいくのか? その重点とすべき内容とその理由をメンバーに理解させることがチームリーダーの最重要の役割となります。
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■ 小池浩二氏 (マイスター・コンサルタンツ(株)代表取締役)
実践に基づいた「中小企業の基礎打ち屋」として、中小企業成長戦略のシステムづくりを研究。これまで500社以上の中小企業経営に関わり、経営診断、経営顧問、研修等を実践。多くの経営者から「中小企業の特性と痛みをよく理解した内容」と熱烈な支持を得ている。
http://www.m-a-n.biz/
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筆者 小池浩二氏が
【プレイングマネージャーの仕事術】の概論を
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