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【21世紀型のチーム運営スタイル(シェアドマネジメント)全4回】-①「組織で働く全社員に求められる2種類の仕事」(小池浩二)

小池浩二氏の [プレイングマネージャーの仕事術] シリーズ(38)
【21世紀型のチーム運営スタイル(シェアドマネジメント)全4回】
第1回目「組織で働く全社員に求められる2種類の仕事」

小池浩二氏(マイスター・コンサルタンツ(株)代表取締役)
 
■既存衰退病への対応が必然の時代

国内市場は確実に縮小しています。高齢化、人口減少と低価格志向は止められません。

日本のすべての会社が既存商品を既存のお客様に提供するだけでは、確実に売上高、粗利益率は減少しています。売上高・粗利益率は低下するので、自社の力にあったやり方での攻めの経営戦略が絶対条件となります。

中小企業の戦略を構築するために開発とマーケテイング機能が必要です。勿論、大企業のように専任体制はつくれません。しかし、この機能がないと既存の商品を既存顧客へ提供するのみとなり、売上高・利益率は確実に減少していき、会社の未来を削っていきます。

そもそも、中小企業にマーケテイングは馴染みがないので、その機能役割について、理解が不足している点があります。マーケテイングは、過去のように広告宣伝や市場調査のみに活用されるものではありません。

単純明快なことは、「誰に」「何を」「どのように」売るのかを明確にすることがマーケテイングである、ということです。商品開発機能とマーケテイング機能の必要性は理解しても、現実的に誰がやるのか???

経営者、役員は同然ですが、これだけではリソース不足です。成熟社会に求められるマネジャーの仕事内容の変化は、チームをまとめる以外に新たに、商品開発、技術開発そして販売エリア・チャネル開発等の戦略的な動きでチームに仕事、そして業績をもたらす仕事にチャレンジしていくことが求められます。このベースとなる土台がシェアドマネジメントです。

■全社員に求められる2種類の仕事

AIを代表とする急激な進化は人間生活に新たな可能性・恩恵をもたらすでしょうが、重要なのはこの変化をどう利用するかだけではなく、これまで常識に固執することなく、それに伴う新たな物の見方・考え方の定義づけを行うことです。時代がshiftするから、当然のことでもあります。

成熟社会で仕事が複雑化する中では、組織で動く全社員に2種類の仕事が求められます。
それは、現場の業務とチームを動かす仕事です。そしてこれを実現するスタイルがシェアドマネジメントです。

では、シェアドマネジメントとは何か。チームを動かすために多様なリーダーシップが求められる中で、1人のリーダーでは対応しきれないケースが増えています。

現在の環境は、仕事はあるけれども人的資源(能力・数)が足りないから、対応できない企業が多い。この環境では、一部人間が兼任で組織を動かすのではなく、必要な役割機能ごとにJOBリーダーを設け、全社員でチームを動かし、組織内の当たり前のレベルを変えて、全社員のレベルを上げることが重要です。そのために必要な役割機能ごとに権限を与え、それぞれの担当機能分野でリーダーとしての役割を担う機会を提供します。

■共有型リーダーシップ

共有化という21世紀の組織運営を代表するキーワードがありますが、シェアドマネジメントは共有型リーダーシップです。
組織は小さければ小さい程、また、ビジネスは因数分解してシンプルにすればするほど、責任感・想像力の発揮により、チーム・自分の過去慣習を断つことができ、時代変化に臨機応変に対応できます。

中小企業で組織を小さくするとは、会社を動かす機能役割を全員で担うことであり、そのスタイルがシェアドマネジメントです。2017年から本格的に、このスタイルにチャレンジしている企業が数社ありますが、私の経験則でみると人的企業体力が120%以上向上しており、それに伴い業績も向上しています。

■全社員で社会の変化に、仕事の質を合わせる

私たちを取り囲む経済環境が高度化、複雑化、専門化になりすぎて今までの経験が役に立たない時代になっています。つまり、仕事の質を上げないと生きていけないように大変化しています。この仕事の質を上げるとはチームリーダーだけではなく、全メンバーにいえることです。

そのためには、仕事の内容を変化させることです。チームリーダーにはチームをまとめる以外に新たに、商品開発、技術開発そして販売エリア・チャネル開発等の戦略的な動きでチームに仕事、そして業績をもたらす仕事にチャレンジしていくことが求められます。

サブリーダーは、チームリーダーの代行としてチームを運営することが必要です。なぜなら、リーダーが戦略的な動きをしても、チームにはチームを動かす機能が必要だからです。これをやる人を育てないとリーダーは戦略的な動きはできません。

各メンバーには実務処理能力のレベルアップが求められます。そして、全社員が自分の役割に対して、責任を持って、上司・部下関係なくリーダーシップを発揮し、目標・目的を実践していく事が必要。全社員のレベルアップが求められ、チームの動かし方も全社員で行うことが求められています。

 
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■ 小池浩二氏 (マイスター・コンサルタンツ(株)代表取締役)
実践に基づいた「中小企業の基礎打ち屋」として、中小企業成長戦略のシステムづくりを研究。これまで500社以上の中小企業経営に関わり、経営診断、経営顧問、研修等を実践。多くの経営者から「中小企業の特性と痛みをよく理解した内容」と熱烈な支持を得ている。
  http://www.m-a-n.biz/ 
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         筆者 小池浩二氏が
【プレイングマネージャーの仕事術】の概論を
YouTubeで説明しています

     http://www.m-a-n.biz/8-1-0.html