経済動向最前線 熊野 英生 [ 特集カテゴリー ]

消費税の駆け込みと反動 [ 第64回 ]

 消費増税のインパクトは、駆け込み買いの反動減のほかに、実質負担増の効果もある。税率が2%上がって購買力が低下する効果である。例えば、月収が30万円あっても、物価が2%上がれば、購買力は5,882円下がる(=((1÷1.02)-1)×30万円)。値段が上がった分、今まで購入していたものを、5,882円分どこかで節約する圧力が生じるということだ。2014年のときは、特に衣料品にこの節約圧力が働いた。実質負担増の効果は、実質消費減をもたらし、経済成長率を低下させる。

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